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今回のテーマは【進学校】と【困難校(教育困難校)】の違い!
高校生は基本1校にしか通学しないので、
他校の様子って知ってるようで実は知らないもの。
だから「自校がスタンダード」になっちゃうんですが、
実は学校によってその様子は大きく違います。
これは公立の教員をして、
何度か転勤を経験した自分にはよくわかります。
私は上位進学校(偏差値65)に7年。
地域の人気校(50~55)に12年。
そのちょっと下(45)に8年。
そして最底辺校(35)にも7年勤めましたが、
それぞれに違う特色や課題がありました。
もう、
ホントに別世界なんです。
またわずか3週間ですが、
大学付属の男子校(偏差値80?)で教育実習もしたので、
個人的には上から下までほぼほぼ経験したことになると自負しています。
今回はそんな経験から、
授業や部活をはじめ、
様々な学校生活の違いをお伝えしようと思います。
今回の記事には、かなり昔の出来事もあり、
今の学校には当てはまらない一面もあるかもしれませんが、
その点に関してはご了承いただきたいと思います。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
授業
進学校は、
授業はガンガン進みます!
年内(2学期中)には教科書が終わり、
年明け(3学期)には次年度の教科書を購入する(^^;
連日、予習・復習・課題に追われ、
中にはメンタル病んじゃう生徒も出るくらい、、、
しかし超の付く進学校になると、比較的授業はのんびり(^^♪
学校より塾で鍛える、って互いに割り切ってるかんじです(笑)
困難校は、
数学は九九から、英語はABCから授業が始まります。
これ以上落ちこぼれは出せないので、授業はゆっくり丁寧に。
社会に出て最低限困らない「学び直し」をするってかんじです。
授業も単なる講義や問題演習にならないよう、
見通しを提示したり、話し合いを多く取り入れたり、
生徒を飽きさせない工夫をして進行されています。
学習面で自信のない人や、あえてゆっくり確実に授業を受けたい人には、
ふさわしい環境だと思います。
部活
進学校は、
部活加入率が高く、9割以上はどこかに所属しています。
進学校の生徒って、
「勉強だけ」
とは思われたくないんですね。
部活との両立を目標にする人が多い印象です。
部の運営も活動も、基本生徒で考えやってるとこが多いですね。
放課後は校舎の内外から活発な声や楽器の音が、遅くまで聞こえ続けます。
困難校は、
部活加入率は低く、学校によっては半分以下ってとこかな?
基本的に学校嫌いが多いので、
放課後は学校を飛び出し、バイトするって子が多かった印象です。
部活も運動部の方が活発で、文化部は幽霊部員が多いってかんじ。
放課後の校舎内はシ~~~ンとしています(・_・;)
…が、活動は顧問の姿勢で大きく変わります。
だから楽ちん文化部の顧問希望は、すげー高倍率!なんですよ(^^;
もちろんいい活動してる部もたくさんありますよ!
行事
進学校は、
行事にも全力で取り組みます!
どの地域にもビビっちゃうくらいクオリティの高い学園祭をする学校があります。
やる気ある集団が総力挙げて取り掛かると、
大人も腰抜かすレベルになって、
「終わるのがもったいない」
とさえ思わせちゃう発表ばかり!
先生は生徒の爆走を抑えるのに大変!
放っておいたらいつまでもやり続けるんだもん、、、
困難校の多くは、
リーダーがいないので、
なかなか盛り上がらず、仕方なく担任が引っ張ることもよくあります。
上手く引っ張ると、それなりのものにはなりますが、
ま~途中トラブルの多かったこと多かったこと(-_-;)
担任は生徒の指導に加え、仲裁に走り回り、
その上、授業準備や成績処理が圧し掛かる、、、
私のクラスではありませんが、
過去に見た最低の展示物がこれ(^^;
タイトルは「動物園」

しかし模擬店などは盛り上がります!
隠れてバイトしてる生徒が多いのか!?
やたら手際よく進むんですね~(^^;
ま、僕は学園祭終わるといつも、一人で打ち上げしておりました(笑)
進路
進学校は、
ほぼ大学進学一択。
だから、どこに何人入ったか?が、
学校の評価基準のひとつになってしまいます。
生徒のほぼ全員が同じ目標を持っているので、
生徒同士や先輩・ネットからの情報にプラス、先生が絡むってかんじです。
さらに保護者の意識も高く、
若いころの保護者会では、私の方が教えられたこともありました(^^;
部活引退後、生徒は一気に集団受験モードに入ります。
進学校の生徒って、勉強できる環境を自ら求めるんですね。
早朝や放課後の自習室や図書室。
予備校に直行したり、進学補習をうまく利用する生徒。
自分に合った環境で、上手に受験勉強をしてたってかんじですが、
その裏で抱えるストレスも半端なかったはずだと思います。
困難校は、
就職か専門学校が多かったですね。
大学進学もあるにはありましたが、
指定校やスポーツ推薦、総合型選抜(AO)が大半でした。
だから2学期後半にはほとんどの生徒が進路決まっちゃいます(^^♪
…ので、夏休みは、自己推薦書の添削や面接指導が多かったかな?
そして近年は少子化の影響もあってか、ずいぶん受かりやすくなりました。
困難校の生徒にも選択肢が増えた印象があり、
お互いのストレスは減りましたね。
しかし困難校では、母子家庭など家計面での心配も多く、
奨学金や教育ローンはよく調べました。
ま、あまりにも簡単に「借りる!」っていう生徒が多くて、
ちょっとビビりますけどね(-_-;)
校則
進学校の校則は、
基本緩いです。
学校によって若干の差はありますが、
生徒の”見識””常識”に任せる部分が多く、
先生も必要以上にガミガミ言いません。
これは自主自律の精神を大切にするためなんですが、
自分で自分を律しないと、
とても大学受験を乗り越えることはできない、
という考え方が根底にあるからです。
また困難校の多くは校則はきつめです。
これは校則で律しないと、校内の治安が維持できない
という懸念があるからです。
つまり困難校では、性善説ではなく、性悪説がベースとなっているんですね。
これは現代社会も似た構造ですね。
最近では自転車への罰則強化、なんてニュースもありました。
罰則強化の流れは、そうすることで治安を維持しようというねらいからです。
ネット上でも犯罪者に対し「刑が緩すぎる」なんて厳罰化を求めるコメントが多いですね。
これは社会全体が”困難な(生きにくい)”状況にあることを意味しているのではないか?
私は秘かにそんな危惧も感じています。
ま、今では学校を問わず全く校則のない自由な学校も増えてきました。
生徒を信じて、といえば聞こえはいいんですが、
自己責任という名の下で実は放任してる、という理解もできますね。
どっちなんだろ??
ルール作りは難しいものです。
在籍者数の変遷
少子化の影響により、
高校の在籍者数は年々減少しており、
統廃合の流れは今後ますます加速していくでしょう。
高校=教育機関
ですから、その柱は「授業」になります。
進学校には、
勉強の得意な生徒が集まるので、留年率や中退率は少なめです。
つまり勉強が比較的ストレスになりにくいんですね。
しかし進学校では一部、
これまで落ちこぼれたことのなかった生徒が、
入学後授業の早さや周囲のレベルの高さに戸惑い、
不登校になってしまうケースもあるんですね。
人生で初の挫折を味わった生徒の多くは、
通信制に転学し、そこで再び自信を取り戻すケースもあります。
長い人生、何が足かせになり、何が救いになるか?
なんて誰にもわからないですね。
一方、困難校では
進学校以上に留年率や中退率は高いです。
ま、元々勉強嫌いな生徒の集団なので当然なんですが、
そんな中で
「学ぶ楽しさや価値」
を見出せた生徒は、これが大きな自信になり火が付きます。
困難校生徒が「本気」になった時のパワーはスゴいですよ!
しかし近年は問題行動でも、
中退は最後の手段としてなるべくさせない、
という風潮が定着し、
中退率はぐんと下がりましたが、
一方で多様性が尊重される現代。
高校に縛るだけが正解ではない、
という思いを私個人は持っています。
最後に_娘の一言

私が本ブログのアイコンに使っているこの画像は、高校時代の愛娘です。
地元の進学校に通っていましたが、
そこも少子化の影響で、娘の卒業後、定員が2クラスも削減されてしまいました。
私は毎年倍率の高い高校の定員を一気に2クラスも減らしたのは、
単に少子化だけではないのでは?
と考え、娘にこう問いかけました。

一気に2クラス減って、人気校なのになぜなんだろ??

わからない、、、

同じ定員で行くと、
少子化で
入学者の下位層レベルがどんどん低くなるから切っちゃおう
ってことかな??

どうだろ??
でも低くても
「あの環境」に身を置くから「伸びる」と思うんだけどな~

なるほどね~!!
娘は厳しい大学受験を「あの環境」に身を置けたから、
乗り越えることができた!
と考えているようです。
つまり、
学校選択とは環境を選ぶこと
であり、人はその影響を思う以上に強く受ける
ということなんでしょう。
以下関連記事も併せてご覧いただけるとうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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