【進級が危ない!?】今あなたができる対処法(見込み表付き)と高卒資格の取得法

進路
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。

2学期も終盤になり、欠課時数進級に不安な高校生が増えてくる時期です。
特に高1生は、初めてのハードルですから、自分は超えられるか?と、不安は増すばかりですね。

頭ではわかっていても体が動かなかったり、
夜になると「明日こそは」と思うものの、
翌朝になると気力が失せてしまう高校生も多いはずです。

寒い時期になると尚更で、そんな毎日に気持ちは焦る一方…
本当に辛い毎日を過ごしていることでしょう。

そこで今日は、高校の出欠や進級規定など書いた過去記事に加え、2学期末の今できることを思いつく限りご紹介しようと思います。
欠課時数が心配な人用に、授業の残り時数を計算する見込み表(Excelファイル)や、
欠課限界時数を超えやすい科目の特徴も書いているので参考にしてください。
今できる最善を尽くし、いずれ「いい選択だった」と思えれば、今日の記事を執筆する意義もあります。

長文になりますが、最後まで読んでいただけると、うれしいです。

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過去記事①_履修と修得(進級・卒業の要件)

過去記事でも年間の閲覧数が多い2つの記事をここにご紹介します。

最初は2022年6月10日に公開した
履修と修得(進級・卒業の要件)記事です。

履修とは

高校は義務教育ではないので、進級や卒業には基準があります。
ここでややこしいのが「履修」と「修得」という言葉の違いです。

まず、履修というのは、

「決められた授業時数に出席すること」

です。

これはいくら提出物が完璧で、テストが満点でも、出席時数が足りなければ「履修」は認められないことを意味します。

「決められた授業時数」というのは、学校により多少の違いはありますが、
大体「年間授業時数の2/3または7割以上の出席」あたりを認定ラインにしている学校が多く、
例を挙げると、年間授業時数が100時間だった場合、30~33時間以上の欠課時数があれば、
履修が認められない、という計算になるのです。
履修の条件は、年間授業時数以外の基準を設けている学校もあるので、注意が必要です。

また、科目には「必履修科目」というのがが決められており、これらは必ず高校で授業があります。

履修は、学校ごとに詳細な「内規」があって、とても厳格に運用されています。
さらに、授業の出席条件にも細かな規定があって、
「授業に〇分不在なら欠課扱い」とか「通学時の電車等が遅延した時の扱い」まで決まっているのです。

修得とは

次に「修得」というのは、

「単位を認定されること」

です。
さらに、

修得は、履修ができていることが条件

で、単位とは履修かつテストや提出物等の成績が単位の認定にふさわしい、と
判断されて初めて認定されます。

単位修得は、教科会議→職員会議を経て、最終的に校長が認定します。

高校で重要となる進級や卒業の要件は、これも学校によりますが、修得単位の合計や、未修得単位の科目数などで細かな規定が決まっているのです。

文部科学省の規定では、3年以上の在籍で74単位以上修得すると卒業認定できる・・・、となっていますが、これよりも各校の内規が重視され、仮に内規で80単位とあった場合、79単位では卒業が認められません。これは裁判をしても負けます。

多くの高校は、
進級の要件は「全履修」、かつ「未修得が〇科目以内」とか「〇単位以内」
卒業の要件は「全履修・全修得」を条件にする所が多いようです。

ただ現実は、単位不認定でも「追認考査」を行って、最終的には修得を認めるケースもありますが、運用は学校により差があるのが現状です。
心配な方は、在籍校に問い合わせることをお勧めします。

単位とは

高校や大学では授業の修得で「単位」を得ます。
単位とは、

「1週間に開講する授業時間数」

のことで、
例えば、時間割に体育が週3時間あれば、その年度に体育を修得したら「3単位」認定されたことになります。

授業は基本1日6時間あって、月~金までの週5日あるわけですから、
1年間で修得できる単位は6×5=30単位。
これが3年間あるから、在学中に修得する単位は原則30×3=90単位、となります。

ただし、高校によっては1日6時間以上の授業が行われる場合もあるため、
最終的には100単位前後修得する学校もあるのです。

不登校や長欠の人へ

不登校や長欠で長く休みが続いている人は、
何よりもこの進級や卒業ができるか?
という点が気になるところです。

しかし、こういったケースを想定して、
各学校の進級卒業規定(内規)には細かな規定や救済措置が定められています。

これは、
登校できない正当な理由があるか?
進級や卒業が当該生徒にとってプラスになるか?
校内の特別規定に該当するか?

…等の状況を、個々に判断して、最終的に校長がその扱いを判断します。

ですから、「欠席多いからダメだ」と簡単に諦めず、
担任や保健室の先生に相談してみることをお勧めします。

過去記事②_高校の出欠カウント法

次の記事は2022年7月5日に公開した
高校の出欠カウント法記事です。

いろんな欠席がある

学籍の記録は、通知表や調査書、指導要録に残りますが、
今日は「出欠の記録」について書きます。
まず、以下の表をご覧ください。

 1年2年3年
授業日数①198195155
出席停止の日数②030
出席しなければならない日数③198192155
欠席日数④3120
出席日数⑤195191135
早退回数⑥201
遅刻回数⑦101
備考⑧特記事項なし 祖父死去による忌引3日事故による入院18日
通知表や指導要録への記載例

次に表の項目について詳しく解説します。

①授業日数

授業日数は、年度内に授業を行った日数のこと。
土日祝や夏休みなどを除いた日数で、年度によって多少の前後があります。
学級閉鎖や気象警報による休校などがあると、その分少なくなります。

②出席停止の日数

これは「出席停止」と「忌引」を足した日数です。

出席停止とは、学校伝染病(インフルエンザとか)に罹患して、主治医から登校を禁じられた日数。
忌引とは、近親者に不幸があった場合、お葬式等での休みが認められること。
どちらも、医師の診断や血縁関係で日数が決まっています。

なお、出席停止(出停)は欠席日数としてカウントされません。
またここに数字がある場合、指導要録や調査書には備考欄に内容を書くことになっています。

ですから、問題行動による家庭謹慎は、停学ではないので、普通の欠席となったり、公欠扱いとして、授業のみ欠課扱いとする場合が多いように思います。
「停学」になるとその理由を学籍に残す必要があるので、現在これを行う学校は多くありません。

③出席しなければならない日数

①から②を引いた数字で、実質的に出席すべき日数になります。
この日数の30%または1/3以上欠席すると進級や卒業の規定に抵触する場合があります。

④欠席日数

ここは出停や忌引以外の欠席日数。
風邪をひいたのも単なるサボりも、すべてここにカウントされます。
ある程度以上の欠席日数があると、備考欄にその理由を書かなければならない決まりがあります。

⑤出席日数

③から④を引いた数字。

⑥早退回数

出席日数のうち、途中で早退した日数。

⑦遅刻回数

出席日数のうち、始業時間に遅れて登校した日数。

⑧備考

出停や忌引、欠席日数の多い場合の理由と日数を記入する欄です。

授業の欠課

「授業の欠課時数」は上記とはまた別のカウントです。
どこからが出席扱いで、どこからが欠課扱いになるか?は、
学校によって多少の差はあります。
15~25分の間で「授業不参加=欠課」とする学校が多いように思います。
授業中に体調不良やトイレなどでクラスを離れる時は、この時間がカウントされています。

欠席にならない場面

公欠

公欠は「公認欠席」の略称で、学校は欠席しても、扱いは「出席」となるケースです。
具体的には、

  • 公共交通機関の遅延(証明がある場合)
  • 学校保健安全法に定められた検診等の受診
  • 入試や就職試験
  • 部活動の公式戦
  • その他、学校長が認めるもの

…等があり、その扱いは学校によって多少の違いがあります。

保健室登校

これも学校によって扱いはまちまちですが、
多くは始業時間~終業時間のどこかに保健室登校をすれば、
学校は出席扱い、授業は欠課扱い
という形になる場合が多いようにも思います。

しかし進級や卒業規定には
出席日数と欠課時数の両方に履修要件が定められている場合が多く、
全日制の不登校生徒の進級卒業には、まだ高いハードルがあります。

出欠が心配な人へ(今できること)

見込み表を作ってみる

2学期終盤の今、最も気になるのは「欠席・欠課時数は(進級に向けて)大丈夫か?」に尽きます。
しかし学校の内規もよくわからないし、このまま休み続けてどこまで許されるのか?すらわかりませんよね…

担任の先生によっては「見込み表」を作って、「目途」を教えてくれますが、この時期では今後の動向が読みにくいこともあり、現時点でそこまでしてくれる先生はあまりいらっしゃいません。

ま、不安を抱えながらこれを待つのではなく、自分でやってみましょう。
↓見込み表の一例をExcelファイルを作りました。
説明の下にダウンロードボタンがあるので、必要な方はご利用ください。

網掛け部分に必要な情報を入力する

以下、その手順をご教示します。

進級の内規を知る

まず自分の通う高校の進級規定を知らなければ話は始まりません。
履修の要件や、進級に必要な条件を学校に確認してください。

入学時に渡される「生徒心得」等に書いてあることもあります。
全履修かつ何科目以内または何単位以内の未修得で仮進級、それ以上なら原級留置、と決められているはずです。

見込み表の使い方

表の①②は、自校のカリキュラムでわかります。
これは学校のホームページにも出ています。
1週間にどの科目が何時間授業しているか?の、科目と時間数がこれになります。

③④は教えてもらえないかもしれませんが、一度先生に聞いてみるといいでしょう。
は年間の授業を何週間行うカウントで計算しているか?の数字です。
一般に1単位は年間35単位時間を分母として計算するのが標準です。学校によっては実授業時数を基準にするところもあるかもしれませんので、必ず学校に確認をしてください。

は欠課時数の限界率が各校で決められているので、これを入力します。
多くは30%または1/3とする学校がほとんどです。
Excelファイルは1/3限界で数式を入れています。
(30%の場合は、この数字を3/10と入力してください)

あとは入力日までの欠課時数を入力すれば、⑤⑥は自動的に計算されます。
は年間ここまでの欠課なら履修が認定される限界の数字。
は⑤まであと何時間欠課が許されるのか、の数字です。
危なくなると、この列に色が付きます。

欠課時数は2学期末の通知表が出た時点で記入があるはずですし、そこまで待てなければ、早めに担任に確認してください。
(通知表に出るのは2学期末考査終了日時点の数字になります)

欠席日数も進級規定に抵触します。
年間授業日数は長期休暇の長短があり、地域による差があります。
欠席日数も限界は3割~1/3ですが、
これは実授業数を分母に計算されるので注意が必要です。

見込み表ダウンロード

時間割から危ない科目を予想する

単位数

欠課時数で大体最初に限界を超えるのは、単位数の少ない保健や総合探求からです。
単位数が少ない=限界時数も小さい
ためです。

見込み表の⑥の列に色が付くと警告のサインです。
1~2単位ものの欠課は特に気をつけましょう。

1~2限目に集中する科目

同一科目がすべて1~2限目に組まれている場合も欠課時数が増える傾向があります。
遅刻の多い生徒は、時間割をよく観察して、そんな科目がないか確認してください。
思った以上に欠課時数がかさんでいることがあるので、注意してください。
また月曜日の午前中も欠課が増える傾向です。
月曜1~2限の芸術なんて、一番超えやすいパターンですね(-_-;)

連続授業

芸術や家庭など、2時間連続で授業が行われる科目は、一度休むと欠課時数が「2」とカウントされます。
休んだ日数以上に欠課時数が嵩んでいることもあるので、これも注意してください。

校内の人間関係が原因の場合

人間関係が原因で学校に足が向かない時は、
早めに保健室や担任にその点を相談しておくことが大切です。

その原因が「いじめ」である時は、指導をお願いすること(しないこと)もできるし、
何より、翌年のクラス編成で配慮をしてもらえる可能性大ですから、
それを信じて今年度はがんばって登校し、取れる単位は取っておくことを強くお勧めします。

診断書がある場合

心療内科等を受診し、適応障害や思春期うつ等の診断が出ている場合は、これを学校に提出しておくことをお勧めします。

学校によっては「特別な事情」と判断され、治療を優先するために履修の限界時数が緩和できる内規を持つ学校もあります。
上表で言えば、④の割合が緩和されることになります。

これは履修や修得に大きなアドバンテージとなりますから、受診中の方は必ず診断書を取っておきましょう。

ただし欠課時数が多いと、テストで点数が取れなくなるのが通常ですから、履修はできても修得できないという危険性は残ります。
だから診断書があっても安心はできません。

原級留置となった場合の情報収集

それでも原級留置(留年)になる可能性はあります。
万が一留年になったらどんな選択肢があるか?
を早くから情報収集しておくことをお勧めします。

留年

選択肢の一つは、そのまま留年することです。
この場合、前年度に修得した単位はすべてリセットされ、1学年下の生徒と同じスタートを切ります。
高1で留年した場合、同級生となる後輩の入学式中は別室で待機しているんですね…(-_-;)
辛い新学年のスタートです。

留年のメリットは、同じ高校で同じ授業をもう一度受けられることや、先生もほとんどが知った人ですが、一方で同級生が先輩となり、下の学年と同じ教室で卒業まで過ごす必要がある、という大変さも伴います。

過去に留年生の担任もしましたが、周りが(年上に)遠慮してなかなか話しかけにくい雰囲気は感じました。本人は至って飄々としてましたけどね(;´∀`)

だから留年を選択する子はほとんどいないのが現状です。

休学または退学

休学は「学籍」を置いたまま3か月以上学校を休むこと。
長期入院や、不登校で進級規定に抵触した時などに休学を選択します。

休学は年度末まで。
次年度は復学、または引き続き休学の場合は改めて休学届を出します。
なお休学した年度は進級を認められません。

一方、退学は「完全に学校を去ること」
退学して「就職」「フリーター」「家事手伝い」を選ぶ場合は退学届を出します。

退学後、気が変わって高校に行き直したい時は、前籍校の修得単位ゼロなら一から高校入試を受検。
修得単位が1単位以上あれば、編入試験を受けます。
編入試験は定員に空きがある場合しか実施されません。

転学

転学は転入学試験をパスした場合に認められます。

転学は大きく2種類あり、
1つは「一家転住による」転学ですが、
これは今回のテーマではないので割愛します。

もう1つは「通信制など単位制高校」への転学です。
これは進級が不可能となった年度途中なら「私立校」に。
私立は基本いつからでも転学できるのが特長です。
進級判定会議が行われる年度末に限って転入を受け付けるのが「公立校」です。

公立も私立もこれまで修得した単位をスライドできるので、留年のようにリセットされることがありません。

ですから、進級できない生徒のほとんどは単位制高校に転学していくのが一般的です。

近年は単位制高校も特色ある教育方針で生徒募集に熱心です。

私立校は全国どこからでも転入できるので、学校の資料を取り寄せて、いくつかの選択肢は考えておいた方がいいと思います。
「学校」というのは、ある意味生徒との相性もあります。
転学を機に急に活き活き伸びる子もいます。
留年や転学は「失敗」と落ち込まず「相性が悪くちょっと回り道をした」くらいに捉えると上手く行くと思いますよ。

公立校は3月しか転入を受け付けませんが、前任校には年度末の単位認定まで在籍できる点と、圧倒的に経費が安く済むメリットがあります。

私立の単位制高校には、オンラインのみで授業やレポート提出が可能な所もありますが、通信制といっても、多くは定められたスクーリング(登校)が課されます。

またサポート校と呼ばれる私塾とセットにする通信制高校もあります。
通信制の課題を塾に通って取り組むイメージです。
高校が遠くにあって通えないとか、一人で課題に取り組む自信がない時などに利用します。

転学と一言で言っても、本当に多様なシステムがあり、自分に合った学校を見つけるには、早くからの情報収集は欠かせません。
目ぼしい学校があれば、事前に見学や説明会に参加しておくのも有益です。

個人的には、高卒資格取得&高卒資格取得のための課題サポート&大学進学対策ができ、スクーリングも少ない下記通信制サポート校をお勧めします。

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なお編入と転入の違いは、下図のように学校を変わる間に空白期間があるかないかで、その言い方が変わります。
転入は、同級生と同じ卒業が可能。編入はそれができない、という違いもあります。

引用元:社会人の教科書より引用

高認験

高認験とは、年2回受験できる高等学校卒業程度認定試験のこと。
これにパスすると、高校卒業と同等の資格を与えられる試験で、大学や専門学校の受験資格が得られます。
昔は大検(大学入学資格検定)と呼ばれた試験です。
高認験は過去在籍した高校で修得した単位に「足りない分」を受験します。

高認験合格に向けた塾もあるし、こちらが合っている人もいるはずです。

詳しくは文部科学省のホームページに案内がありますから、下記リンクからご参照ください。

高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定):文部科学省
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)に関する重要なお知らせから、試験概要も掲載。受験案内や出願書類もこちらから。各種証明書の申し込み案内等
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まとめ

かなりの長文になりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

高校には、履修や修得、単位認定、進級など、これまでになかったいくつものハードルがあり、これを超える力の証明書が「卒業証書」です。

義務教育ではない高卒資格がなぜ今も必要なのか?は過去記事にも書きましたが、これを手にするために紆余曲折の回り道をすることは、長い人生の中で決して「無駄」ではありません。

今は高卒資格を得る多様な道が用意されていて、自分に合った方向を模索することが可能です。
今日の記事が、悩める高校生の一助になれば幸いです。

まだ年度末までに時間はありますから、今は高校のシステムを詳しく知り、多くの人と話し合って、自分を見つめ直し、気持ちを固めてください。

その経験は、今後同じように道に迷った時にも活かせるはずです。
今は辛い毎日だと思いますが、少しでも前を向けるよう心よりお祈りしております。
素晴らしい未来を創造しましょう。

ではでは、、、また次回、、、

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