いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは授業の受け方。
同じ50分の授業でも、その受け方によっては効果が半減もすれば倍増もするという話です。
それはタイトルにある
【見る? 観る?】
【聞く? 聴く?】
の違いを知り、これを意識して授業に臨みましょう!
という提言です。
今はスマホが一般的で、溢れる情報が手元で見られる時代ですが、
これを処理する我々の頭脳は、1000年前とそう変わらない中身なんだそうです。
だから処理しきれないほとんどの情報は、そのまま見過ごされるのが運命です。
私だってテレビはBGMになってたり、
YouTubeなんて気がついたら終わってることはよくあります。
ネット記事も一言一句読んでるか?というとそうじゃない。
サ──ッ!!と流し読んだらすぐに終わっちゃう(;´∀`)
たぶんこのブログも一瞬で戻るボタンをクリックされてる、、、んじゃないかな(笑)
しかし高校生にとって最も大事な「授業」ではそういうわけにいきません。
早送りも戻るボタンも1.5倍速もなく、50分を過ごす必要があります。
授業中は寝たり内職したり、ボ──ッと考え事したり、、、
とにかく「早く終わんないかな~」と思いながら過ごしている人も多いんじゃないかな(^^;
それは「授業がつまらないから」に他なりませんが、
高校生活の大半を費やす授業をいかに効果的に受けるか?
は大きな課題でもあります。
もちろん授業する先生の力量が大きく左右するのは当然ですが、
今回は「生徒側の視点」で授業を楽しくする方法をお教えします。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
学問は楽しいもの
まず最初に前提としてお伝えしておきたいのは、
学問は楽しい
ということです。
「そんなはずない」
と思うかもしれませんが、
これには条件があります。
「学問が楽しい」と感じるのは、これを深堀した時と深堀したくなった時だけなんですね。
ゲームだって推しだって、深堀するほどその魅力に嵌るのに似ていますが、
学問だって同じで、
だからこそ自分のやりたい道を追求する場として、
大学や専門学校が用意されてるんだと思います。
授業がつまらなく感じる理由
そして学校の先生って「学問の楽しさを伝えるためになった」という方は多いはずです。
ただ今の学校でやっているのは学問じゃなく「勉強」なんですよね。
特に普通科ではその傾向が強い。
勉強とは「強いて勉める」と書きますから、半ば強制力を持っていて、これが授業をつまらなくさせる原因でもあります。
だいたい教科書って「浅く広く」が簡潔に網羅されていて、
深堀できない(=おもしろくない)ように作られていますからね(-_-;)
ま、これは多様な可能性を持った集団を扱う学校の宿命でもあるし、
集団の中で社会性や協調性を涵養する必要もあるわけです。
一方この楽しさを知っている先生も、
教科書に準じて限られた時間でテスト範囲までて授業やんなきゃいけないから、
授業って大体がつまらなくなるんですね。
ではどうすればいいのでしょうか?
見聞を広げる 観聴を深める
日本語が難しいといわれる理由のひとつに、
よく似たニュアンスでも違った字を当てて、
その違いを言い換えることがあるからです。
例えば、
「制作」と「製作」の違い。
これは、
制作=芸術作品などを作(創)ること
製作=道具や機械などを使って品物を作(造)ること
という違いがあり、
「つくる」という字も、”作る””創る””造る”でニュアンスの違いがあるんですね。
英語ではこれらはMakeといえば通じるし、
芸術作品の場合はせいぜいCreateとなり、全く違う発音になります。
そこで今回のテーマ
「聞く」「聴く」
「見る」「観る」
の違いを確認しましょう。
意味 | 熟語 | |
---|---|---|
聞く | 音や言葉を耳で感じ取ること (受動的) | 伝聞・新聞・前代未聞・見聞 |
聴く | 注意深く耳を傾け音や言葉を理解すること (能動的) | 聴力・聴診器・聴衆・聴講 傍聴・拝聴・難聴・視聴覚 |
このように比べると、同じ動詞でも姿勢の違いがよくわかりますね。
ちなみにこの両字とも部首は「耳」になります。
門がまえではないんですね。
さらに、
意味 | 熟語 | |
---|---|---|
見る | 意図せず視界に入ってくること (受動的) | 見学・見習・下見・見物・意見・花見・一気見 |
観る | 意図的に何かを見ようとすること (能動的) | 観察・観光・観客・主観・楽観・拝観・観賞 |
この両字も、そのニュアンスの違いがよくわかりますし、部首は「見」になります。
だからこれを組み合わせた「見聞を広げる」という語は「広く浅く」という意味で使われるので、
「観聴を深める」という語があってもいいのでは?と個人的には思ってしまいます(;´∀`)
では観聴を深めるってどんな状態なんでしょうか?
ヒアリング
みなさんは高校入試でヒアリングの試験を受けましたね。
私はあれが究極の「聴く」行為だと思っています。
一言一句聞き漏らさないよう、全神経を集中させて聴く。
入試の監督してる私自身も、その間一切の邪魔にならないようひたすらジ──っとしてるのが苦痛でもありました(^^;
ヒアリング中に救急車のサイレンが聞こえたりすると冷や汗ドバ──ッ!!と出ちゃうんですね(;’∀’)
もちろん日頃の授業で一日中そんな態度でいたら、6時間は持たない(;´∀`)
だからたまには雑談あり、笑いありで、時に適度に深い内容で緊張を与えてくれる先生は授業のペース配分が上手いな!と思います。
またこれ(ペース配分)を自身でコントロールできる生徒もいて「賢いな~」と感心します。
「やる時はやる!できない理由を作らない」
私はそんな優秀な生徒から教えられたことがたくさんあります。
間違い探し
入試のヒアリング同様、究極の「観る」行為で身近なのは、間違い探しです。
例えば、
↑の10か所を見つけるには、目を皿のようにして上下を比較しなければわかりません。
これをただ「見てる」だけでは、2つは同じに見えますが、見方を変えれば10コも違う箇所がある、
って考えれば、「観る」という行為がいかに大切かがわかります。
つまり授業でも大事なポイントを「見過ごさない」ためにも、日頃から努めて「観る」「聴く」の習慣をつけておくことが不可欠なんですね。
傾聴や観察の習慣はどう付けるか?
こういった力は一朝一夕に身に付くものではなく、
特に幼少期では親の教育に因るところが大きいですね。
幼少期は親の読み聞かせ
幼少期に親からたくさん”読み聞かせ”をされた子は総じて「聴く力」「観る力」があります。
子どもって興味を持った本を何度も何度も「読んでー」とせがんできます。
そうなるとだんだん面倒になって「また今度ね」とかスマホを見せて放置するパターンが多いんですが、
ここはなるべく子どもの立場に立って付き合ってあげられるかどうか?
で子どもの将来は決まります。
読み聞かせは、
「聴く」「観る」という基本的な姿勢を育むこと
に加え、
子どものペースで進められること
や、
親の愛情を肌で感じることで情操面にも良いとされています。
また「なぜ?」と疑問に思うことが増え、知的好奇心が育まれますし、
語彙力も増すため、表現力が豊かになる効果もあり、
学校に行ってからも
周囲の変化に気付いたり、
人の言うことをよく聞ける子に育つ
ともいわれています。
少年期~青年期は多くの人と関わり、読書や映画鑑賞等で知見を広める時期
学校に行き社会との関わりが増えると、
多くの人の知見や考え方を学びます。
文字の読み書きはそのため学びますが、
身近な人ばかりではなく、
読書や映画鑑賞等から、
多様な経験や価値観、
考え方などを吸収する機会を持ちましょう。
これを可能とするためには、
幼少期の読み聞かせが土台になることはいうまでもありませんが、
中高生ならまだまだ大丈夫です。
今は自分のために生きている時代であり、
将来待っている仕事や結婚・育児は他人の幸せのためにするものだからです。
だからこそ今のうちに
少しでもいい本や映画、人と出会い、魂が揺さぶられる経験をしてください。
そういった刺激は、ただ見てるだけ聞いてるだけでは得られない感動だと思うので、ぜひ今のうちに多くの人と関わり、読書や映画等から見聞を広げ、観聴を深めてほしいと願います。
まとめ_効果的な授業の受け方
最後に、今日のテーマに即した授業の受け方について、ポイントをまとめておきます。
ノートともにメモを取る気分で
授業はノートを取りながら進行するのが通常ですが、
先生の板書をただコピーしてるだけの生徒が多い印象でした。
しかし授業で本当に大事な点がすべて板書されるか?
というとその保証はありませんよね。
そこで意識してほしいのが、
板書とともにメモを取る習慣です。
授業中に気付いた「ここ大事だな」と思うところは、
ノートや教科書の隅でもいいから必ず記録する習慣です。
そのために付箋や色ペンなど使い、後で見直しやすいような工夫ができるとさらにGoodですよ!
もうひとつは、わからないところをメモる習慣も大切なポイントです。
簡単でいいので、
どこが?どう?わからないのか?をメモっておきましょう。
言葉の意味がわからないのか?
なぜそうなるのかわからないのか?
によって質問の仕方も違ってくるからです。
先生や友達も具体的にどこがどうわからないか?を教えてくれる方が、はるかに答えやすいものです。
このメモる習慣は、授業をよく聞いていないとできないんですね。
その場での理解を心がける
授業は基本一回勝負です。
同じ授業を2度3度受ける機会はありません。
しかしスタディサプリを代表とするオンライン授業では、カリスマ講師の神授業を繰り返し視聴できる、という大きなメリットがあり、これは学校の授業では絶対にできないことです。
…ですが、現実は高校生だって忙しいので、連日繰り返して視聴するわけにもいきませんよね。
じゃあどうするか?
というと、
授業中になるべく理解しちゃおう!と真剣勝負で授業に臨むこと
わからない授業を先生のせいにしないこと
です。
授業中に理解しちゃおう!と思えば、
真剣に観て聴くようになりますから、
周りから
「○○って最近目の色が違う!」
なんて言われるかもしれませんね!
復習(繰り返し)を怠らない
…とはいえ、誰もが授業だけで完璧にはできないし、
たとえ理解できても時間が経てば忘れていくのが人間です。
これを補うために復習を欠かさないようにしてください。
どうも家庭学習は予習に重きが置かれる傾向ですが、復習も大事なんですよ。
復習は授業ばかりではなく、考査や模試の後にするのも効果的です。
具体的な復習パターンは、以下過去記事も参照してください。
誰かに教えてみる
グループ学習や休み時間に友だちに教えてあげると効果的ですよ。
人に教えるメリットは、
- 自分が理解してないと不可能
- 曖昧な理解を自分の中で整理することができる
- 意外に人は大事なところを見ていなかったり聞いていないことがわかる
- 伝えることの難しさがわかるので、工夫を考える
- 人の役に立つことで自己肯定感が高まる
となりますが、3番目のメリットが今回のテーマに該当しますね。
「人の振り見て我が振り直せ」
といいますが、私自身も含め人は大事なことも、意外に見聞きしていないことが多いんですね。
人に教えるとそんな現状もわかるので、自分への戒めも含め、これを教訓とできます。
そんな経験から”観る””聴く”の大切さがわかる。
これが人に教える大きなメリットでもあるんですね。
なお本年の投稿は、今回を以て最終とします。
今年一年もありがとうございました。
新年は1月14日から再開予定です。
みなさん、健やかな年末年始をお迎えください。
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