いつもご覧いただき、ありがとうございます。
さて今日は、高1生向けに【部活】をテーマにしたお話をします。
昨春に公開した過去記事、入学後に躓く部活生向けに書きましたが、
意外にも年間通してページビューが多くて驚きました。
かなりの数で1年中「部活辞めたい」と思い悩む人が多いんだな、と実感したんですね。
考査前に部活動が休みになって、「このまま戻りたくないな~」と思ったり、
予想以上に厳しい練習に限界を感じたり、帰宅部や他の部活に入った人が羨ましく感じることもあるのではないですか?
また高校の部活は中学よりもレベルが高く、自分はついて行けないんじゃないか?と不安に感じることもあるでしょう。
記事内にも詳しく書きましたが、私の経験では「ほとんどの生徒が一度は部活を辞めたい」と思うことがあるようです。
今回はそんな【部活】に悩む高1生に向けて、
1、冷静に現状分析をしてみること
2、入学後半年続けたからこそ湧き起こる葛藤について
3、その上で最適の決断をするための手順
を記事にします。
さらに部活動の意義ややりがいについても書きます。
なお今日の記事は、以下過去記事の加筆修正版になりますが、
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
なぜ「辞めたい」と思うのか?_現状分析と対策を考えてみよう
半年間続けた部活を「辞めたい」と思うのには理由があるはずです。
最初にその理由ごとに「考え方」や「対応」を考察しましょう。
練習が厳しい(または甘い)
これは多くの部活動でよくあること。
半年も活動すると、活動内容も見えてきます。
しかしこんなときは、
- 自分だけが厳しく(または甘く)感じているのか? を確認
- 学習面や通学面、その他生活面にどう影響しているか?を分析する
- 友人、家族や担任など、部に直接関係ない人に気持ちを聞いてもらう
- 自分の「逃げたい」「避けたい」気持ちと向き合ってみる
毎日の活動に厳しさを感じるのは自分だけなのか?
周りに話したりして確認してみましょう。
また過去に同じ立場だった先輩にも(聞けたら…)聞いてみることをお勧めします。
逆に練習が甘すぎる場合は、今の流儀に合わせるか、「将来的に変えてやろう」と思うか?
もっと厳しい別の環境に身を置くか? のいずれかになるでしょう。
そして半年間の部活が、学習面や生活面にどんな影響を及ぼしているか?
を”冷静に”分析してください。
ここで”冷静に”と書いたのは、
「辞めたい」と悩む人に、学習面での影響は?
なんて聞くと、
大抵は辞めたい気持ちが勝り、
「成績が上がらないのは部活のせい」
などと勝手に関連付ける生徒が多いので、
あえて強調したわけです。
そんな勝手な関連付けに陥らないよう、
できれば部活には直接関わらない第三者に相談してみることをお勧めします。
さらに今は「逃げたい」「避けたい」と思う弱い自分と向き合ういい機会です。
厳しい練習に身体や精神が壊れるくらいなら、早々にその場から離れるべきですが、そうでない場合は、もう少し頑張ってみるか、今の部活以外でさらに頑張れる環境を見つけることを目標にしたいものです。
人間関係が面倒
知らない者が何人か集まると、合う人合わない人が出てくるもの。
思ったのと違う人間関係に悩むことは、誰にでもありますね。
そんなときは、
- 周囲の人すべてと合わないのか? を考える
- 自分の思い込みでそう感じていないか? を分析する
- 部活以外の付き合いをしてみる
人が何人か集まると、合う人合わない人がいるのは当たり前なので、誰か合う人がいれば、そこに救われますね。
人は全員から好かれることは絶対にありませんからね。
さらに、ちょっとした周りの言動に「自分が嫌われている」と思い込んでいることがよくあります。
一時的に嫌な思いをしたかもしれませんが、意外に相手は気にしていないことの方が多いものです。
同じ言動が何度も続くようなら対応を考えるべきですが、これが繰り返されなければ特に気にする必要はありません。
気にするだけ時間の無駄だと割り切りましょう。
また部活動以外での付き合いを増やすと、相手の違った一面を見つけることができます。
「最初は難しそうだ」と感じた第一印象が、ふとしたきっかけで全く逆のイメージに変わることなんて普通にありますから、いろんな角度から人間観察を欠かさないようにしてください。
もちろん自分自身の魅力も多角的に知ってもらうことで、よりよい付き合いに発展するわけです。
人間関係の構築にはある程度の時間と機会が必要ですから、できればもう少し長い目で見てみることをお勧めします。
中学と違う
中学と同じ競技をやる人に多い悩みがこれ。
いろんな面で中学と違うのはやりにくいものですね。
そう感じたら、
- そもそも同じでないのが当たり前だと考える
- 「郷に入れば郷に従え」と考え、一日も早く慣れようと努める
- 先輩になったら「さらにいいやり方」でやれるよう、体制を変えていこうと密かに思う
部活には顧問や先輩の方針で、独自のローカルルールや練習法があります。
中学の練習や方針とは違って当たり前なんですが、まだそれに馴染めないこともあるでしょう。
しかし部の方針は、顧問や先輩が長い間それなりに工夫を重ねて作り上げられたものです。
もう少し馴染んでくると、その意図が理解できるかもしれませんが、部の運営に「絶対」もありません。
さらにベターな方針を模索しながら活動するのも悪くないと思いますね。
周囲が羨ましい
自分と違う選択をした周りの子を「羨ましい」と感じることもよくあること。
特に休みの多い部や、自分の活動中にバイトや塾に行く級友は、とても羨ましく感じるのではないでしょうか?
そんなときは、
- 部活動をやる意義は何か? それで自分はどうなりたいのか? を考える
- バイトをすることで得られるものと失うものを考えてみる
- 部活でしか得られないことは何か? を考えてみる
- 部活は「今」しかできない活動だということを再確認する
ここでまず言えることは、「人はないものねだり」だということです。
自分にはない周りを羨ましく感じるのは、ことわざでいう「隣の芝が青く見える」現象です。
そう考えると、あなた自身も周りから「羨ましい」視線で見られているかもしれません。
何か一つのことに一生懸命な姿や、学習との両立は、それがない人から見れば、とても「羨ましく」見えるものなのです。
さらに部活で得るものは集中力、継続力、技術、精神力、人間関係、根性…など枚挙に暇がありませんし、高校時代の今でしかできない活動であることも再確認し、今後の方針を考えて欲しいと思います。
決断の際に気をつけること
一人で悩まない
周囲に心配をかけないように、と一人で悶々と悩む人がいます。
また相談が恥ずかしくて誰にも頼れない人もいますね。
ですが、一人で悩んでも、悩みが堂々巡りするばかりで、なかなか解決には至らないものです。
悩みは「吐き出す」ことで少しは心が軽くなるし、全く違った視点からアドバイスをいただけることもあります。
あなたのことをよく知る友人や保護者、先生に相談を持ちかけてみましょう。
あなたの性格を考えて適切な助言がもらえるかもしれません。
あるいは、あなたを全く知らないスクールカウンセラーや保健室に相談するのも方法です。
しっかりと話を聞いてもらえますし、秘密もしっかり守ってくれる、というメリットがあります。
楽な方を選ばない
私も「顧問」という立場で部活に関わってきましたが、部活の継続に悩む生徒はいつも一定数いました。
部活の継続を顧問にまで相談に来るのは、生徒の中でほぼ結論が出ている状態です。
「理由は?」
と聞くと、
多くは
「勉強をがんばりたい」
と言うんですね。
たとえ別の理由があったとしても、、、です。
もちろんこれもウソでないことはわかりますが、
一方で、
部活を辞めて、
その後成績がぐんと上がった生徒を私は知りません。
と↑これだけ伝えて部活をバイバイさせますが、
卒業式に「本当に成績は上がらなかった」と手紙をくれた子もいました。
私は「去る者は追わず、来る者は拒まず」の姿勢を貫きました。
結局、部活を辞めてできた時間を「何に使うか?」が大事なんですね。
楽をするためだけに時間を使わないようにしたいものです。
結局「部活を辞めたい」という生徒の多くは、周りが羨ましかったり、練習の厳しさや人間関係に耐えられないのが本音、ということが多いものです。
しかし、だからといって「楽な選択ばかり」にならないよう気をつけたいですね。
これは辞めたいと思った時には必ず一考してほしいことです。
考えすぎない
部活辞めたいと思っても、必要以上に考えすぎるのは無駄です。
「悩み」はいくら考えても解決するものではなく、行動することでしか解消しないもの。
これまで半年がんばってきたのに、辞めたいんだけど、そのがんばりを無駄にしたくない、
という複雑な気持ちもあって、余計に考え込むこともあるでしょう。
しかし行動することを怖がってはいけません。
秋の大会まではがんばってみよう、
とか逆に今すぐにでも辞めた方がいいこともありますから、
必要以上に考え込まないようにしてください。
最終的には自分で決断する
誰かに相談して「そのとおりだ」と思っても、最終的な決断は自分ですることです。
後に自分の選択に後悔することになって、そこで「誰かのせい」にしても、何ひとついいことはありませんよね。
自分で決断したことだからこそ、その後の行動に責任を持って前に進むことができます。
周囲からのアドバイスは、あくまでも参考程度として、最後にどうするかを決めるのは、あなた自身で行いましょう。
どんな選択肢があるか?
退部→転部
どうしても耐えられない場合は退部するしかありませんが、
退部してできる時間を持て余さないよう、別の部に入り直す方法があります。
私は、早い時期に転部して、そこで大活躍する生徒もたくさん見てきました。
しかしこれは1年生の間だけしかできない方法です。
2年生以降になると、後輩がいる中に入ることになるので、転部先で居づらくなることがあるからです。
退部→帰宅部
選択肢としてはこれが二番目に多いかな?
帰宅部になってバイト始めるパターンです(;´∀`)
中には塾や予備校に通う子もいますが、
基本部活と学業を両立させる方が、最終的に成績が伸びるケースが多いように感じます。
部活をやり切る生徒の方が、その後の受験勉強も息切れせずにやり切る力があります。
休部
継続か退部に悩むときは「休部」という選択もあります。
休部は、何か月か期限を決めて部活を離れることです。
この選択を選ぶ子は少数ですが、じっくり自分を見つめ直すにはいい機会です。
私が顧問をした部では、3か月の休部を経て戻ってきた女子生徒がいました。
休部してた部に戻るのは、それなりの勇気が要りますが、彼女はその後精力的に活動し、力を付けました。
もちろん部に戻らず、そのまま退部する選択もありです。
継続
「部活を辞めたい」と思っても、結果多くの生徒は継続しますね。
一番多いのがこのパターンです。
私の在職時、部内でたまたまそんな話になったことがあり、
2~3年生が
「私は1年の夏休みに部を辞めようと思った」
と一人が言い出したのをきっかけに、
「私も!」「私も!」…
と次々に同じ思いをした過去をカミングアウトし始めたのです。
ほぼ全員がそう思った過去があることを聞いて、私はちょっと面食らいましたが(;’∀’)
「その時なぜ辞めたかったの?」
と聞くと、
「思った以上に練習が辛かったから、、、」
って…(;’∀’)
もうひとつ
「じゃあなぜその時辞めなかったの?」
と聞くと、
「なんでだろ?」
という返事。
しかし辞めずに続けた結果、
環境にも慣れ、実力や人間関係や結果も付いてきて、いつの間にか思い留まった…ということでしょうか?
人生山あり谷ありですが、
その中でも「継続」してこそ得られるものがある、ということなんでしょうね。
まとめ_部活動をやる意義ややりがい
上に書いたように、高1生のほとんどは「部活を辞めたい」と悩んだことがあるとのこと。
GW明けくらいからそう思う高1生はあなただけではありません。
その中でどんな選択をするか?は、今後の高校生活に大きな影響を与える大事な決断です。
今日の記事が、部活に悩む高1生に少しでもプラスになれば幸いです。
今日最後に言いたいのは、部活をする意義ややりがいです。
先ほどの生徒との会話に続き、
「今も辞めたいと思ってるの?」
と意地悪な質問をしてみたところ、
全員が口を揃えて、
「今は思わない」
ときっぱり答えました。
「なぜ?」
と聞き返すと、
「今は部活がおもしろいから」
という返答。
時間とともに、練習にも慣れ、実力も結果も付いてきて、人間関係も構築されたからです。
もちろん部員すべてに結果が伴うとは限りませんが、長く継続した生徒には共通して「生きる力」がつきます。
それは「困難を乗り越える力」と「自己肯定感」です。
社会がいくら便利に暮らしやすい時代になっても、人が生きていくのに「困難を避けること」はできません。
さらに継続は力ですから、相応の実力も付くんですね。
「部活を辞めたい」と悩むことも人生では困難のひとつです。
自分の行く先を悩み、それを乗り越えた時に人は成長できますから、
本音を言うと「大いに悩んでそれを乗り越えてほしい」と期待します。
もちろんこれは部活の継続ばかりではなく、前向きな選択すべてを指すものと考えてください。
そして毎日の厳しい練習も、人間関係も、部内には困難が山積みです。
これらを一つずつ克服することで、みなさんはより豊かな人間性と実力を兼ね備えた大人に成長していけるはずです。
大いに悩み、これを乗り越えましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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