いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、学習や部活動、習い事など、何にでも共通する「強化法」をテーマにブログを書きます。
まず今日の結論から言うと、
たった2つの方法とは、
ズバリ!
継続 と 繰り返し
です。
同じことを一度より二度、三度…と繰り返し継続することで力が付くんですね。
本記事を書くきっかけは、
2018年のセンター試験に関するツイート(ポスト)を思い出したからです。
(記事後半にも引用あり)
センター世界史で満点をとった受験生の参考書がツイートされていたんですが、
当時はまだ教員だったので、その凄まじさに生徒や先生達と大きな衝撃を受けた思い出があるんですね(^^;
また日頃あまり意識してないことも、実は常の継続と繰り返しで、いつの間にか身に付いたり理解できるようになったことがたくさんあることを知り、これを意識して学習や部活動に活用してほしいと願って執筆します。
最後まで読んでいただけて、できれば繰り返し(^^;読んでいただけるとうれしいです。
言葉の習得
人は乳幼児から社会に適応する様々なスキルを身につけ自立しますが、
特に言語や排せつは、最初に習得するスキルです。
同じ言語でも「英語」はabcから始まり単語や文法を学習しますが、
母国語である「日本語」は、文法もひらがなもない状態で習得する現状を鑑みれば、
同じ言語でもその習得過程に大きな違いがあることがわかるでしょう。
ではなぜ”世界一難しい”日本語を、わずか2~3歳の子がペラペラ喋れるかというと、
それは毎日身の回りに日本語が溢れているからです。
毎日日本語の洪水の中で過ごせば、いつの間にかその意味を理解し、いつの間にかこれを使えるようになる。
これは、物事の習得には「継続と繰り返し」が大切だ、という何よりの根拠です。
言葉を習得してからも、食事や服の脱着、読み書きそろばん(計算)もすべて「繰り返し」「継続」しながら身につけていくスキルだといえ、これを特に意識せず行いながら社会性を身につけていくのが、人の成長だといえます。
韋編三絶(いへんさんぜつ)
木簡
韋編三絶とは、
中国『史記』にある語で、
本を結ぶ紐(韋編)が三回も切れる(三絶)
という意味です。
孔子晩而喜易、序・彖・繋・象・説卦・文言。讀易韋編三絶。曰、假我數年、若是、我於易則彬彬矣。
孔子、晩にして易を喜み、序・彖・繋・象・説卦・文言あり。易を読むに韋編三たび絶つ。曰く、我に数年を仮し、是の若くせば、我、易に於いては則ち彬彬たらん、と。
・晩 … 晩年
・韋編 … なめし革の紐
・彬彬 … 外観と内容ともに整って立派なもの
*引用元:Web漢文大系より
紙が貴重だった昔は「木簡(竹簡)」といって細いや竹に文字を記し、
それを並べて紐で編んでいましたが、
これを簾のように巻いて保管していたのです。
(これが本の原形)
そしてこれを開いて読み、また巻いて片付ける…
を繰り返すうちに紐が切れ、修理するという具合。
ちなみに本を数える際の助数詞「冊」や「巻」字は、
↑この木簡の姿がその字源です。
さて、
ここでいう「韋編三絶」は、
何度も本を読むことで、紐が3回も切れた、という意味で、
これは転じて、
「繰り返しの重要性」
を説く語でもあるんですね。
木簡の紐が3回も切れるって、
読書を何度繰り返したらそうなるんでしょうか?
最初に紹介した世界史の参考書は、
現代版”韋編三絶”そのものですよね(^^;
現代の高校生だって
何事も「継続」と「繰り返し」で習得するスタイルは、
今も昔も全く変わりません。
例えば部活動も、振り返れば日々同じようなことを繰り返しているに過ぎませんね。
野球なら毎日キャッチボールや打撃練習・守備練習。
吹奏楽なら毎日ロングトーンやパート練習をしているはず。
授業だって単元こそ違えど、特別なことをするわけではありませんし、
家庭学習も然り。
予習や復習には自分なりのやり方があり、それを繰り返し継続しています。
大人になって仕事をすればなおさらです。
料理人は毎日料理をするし、医者は毎日患者を治療し、
これを何年も継続するのです。
なぜ人はこのように同じことを日々繰り返すのでしょうか?
そんなことを考えたことはないと思いますが、
何か理由はありそうですね。
繰り返しの連続でしか”力”はつかない
繰り返しの効力は、
「知識や技術の定着」
です。
例えば「映画」は最初見た時と2回目では、その印象が違います。
初回はあらすじがわからないので、話の展開を追うのに必死ですが、
2回目では結論がわかっているので、最初より細かい描写も見えてきます。
いい映画はあらすじがわかってるのに何度見ても感動しますよね(^^;
これは「読書」だって同じ。
何度も繰り返し読むことで、より理解が深まります。
これと同じで部活や勉強も、同じことを繰り返すのは、
より着実な定着を図るためであり、これ以上の方法はありません。
知識や技術が定着すると、
本一冊を丸々覚えてたり、目を瞑ってもピアノが弾けたりします。
韋編三絶は、そうなるくらい繰り返し継続することで”自分のもの”にすることを説いています。
なぜ「繰り返し」なのか?
それは「人は忘れる動物」だからです。
↑はドイツの心理学者エビングハウスの提唱した忘却曲線で、
人の記憶の定着率を示すグラフです。
これによると、人の記憶は学習後1時間で半分以上が忘れられる、ということがわかります。
そのまま何もしないと、赤線のようにどんどん忘れていきますが、時に応じた復習をすることで、記憶が定着する様子がわかりますね。
ここでいう記憶とは、脳内ばかりではなく”体で覚えた”ことも指します。
運動能力等にも同じことがいえると理解してください。
参考書や問題集を何冊も買うな!
そしてこれを学習にどう活かすか?
というと、
問題集や参考書は必要最小限を繰り返す
ことに尽きます。
世界史の参考書はそれを象徴した姿です。
これらはみなさんの学力レベルに応じ、学校や塾で推奨されたものがあるはずですから、
それをひたすら繰り返して継続しましょう!
問題集は難しすぎても簡単すぎても効果はありません。
自分のレベルに合った一冊をひたすら繰り返すのです。
ボロボロになるまで繰り返す!
手垢にまみれた一冊は、あなたの努力の結晶であり、
そうなった時、あなたの学力は確実に飛躍的にアップしているはずです!
↓これが最初に紹介したツイートです。
繰り返しは試行錯誤の連続
本稿の最後にひとつだけ付け加えることがあります。
それは、
繰り返しは順風なことばかりではない
ことです。
これは継続と繰り返しが魔法の上達法ではなく、
その間は「試行錯誤」の連続だということ。
昨日上手く行ったことが、今日はダメダメだったり、
いくらがんばっても全く上達しないことは普通なんですね。
だから現実は、先ほどの忘却曲線のように、理想的なカーブにはならないのです。
何かを繰り返し継続するなかで、すべてが順風にいくことはありません。
途中には失敗や逆境が何度もあって心折れそうになることもありますが、
それを分析改善し、時には軌道修正しながらでも、繰り返すことが大切なんですね。
最後に忘却曲線とともに有名な「学習曲線」を紹介して本稿を終えます。
これは↑のように、人の成長は青線のように理想的にはいかないことを示したもので、
途中○で囲んだように必ず「伸び悩む」時期があるという現実を表しています。
これを高原状態(プラトー)といって、多くはここでストレスフルになり挫折するんですが、
グラフが示すように、この状態を越えれば、その後グンと伸びる時期もやってきます。
プラトーは人によっては3~6ヶ月続くこともありますが、
それでも将来の飛躍を信じて継続を諦めない精神力が必要です。
これはコップに水を少しずつ注いでいたものが、
満杯になった瞬間から一気に溢れ出る様子をイメージするとわかりやすいかな?
そしてここからいえるのは、人の成長には時間をかけた「継続」とともに、
忘却曲線に見る「繰り返し」との両輪で、
最も効果的な「成長」が期待できる、ということです。
何事にもこんな「法則」を理解し、より効果的な学習や練習計画に努めてください。
関連記事も併せてご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、、、
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