いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今日のテーマは「言葉」
正しく美しい言葉遣いのメリットをお話します。
言葉遣いが重要な理由は、
言葉が「人を救うこと」もあれば「人を殺すこと」もあるからです。
敬語の使い方を知るのは高校生として当然ですし、場面場面に応じた使い方を知ることや、
一度口から出た言葉を無かったことに出来ない現実から、言っていいことと悪いことがある。
ということも合わせてお伝えしようと思いますので、
最後まで読んでいただければうれしいです。
なお本日の記事は2022年7月15日公開のリライト版になります。
言葉は包丁
「言葉は包丁のようなもの」
とは、私が教員時代生徒によく話していたこと…。
なんか恐ろしい言い方ですが、
包丁は「生活になくてはならないもの」
であると同時に、
「使い方によっては人を殺す道具にもなる」
という例えでこういう言い方をしていたのです。
スマホが普及し、それによる問題が増えてきてからは、同じ意味で、
「スマホは包丁のようなもの」
という言い方もよくしていました。
相手を思いやる心
ありがとう
人間以外の動物も、鳴き声や表情、動作でコミュニケーションを取りますが、
人間は「言葉」や「文字」というツールを使うことにより、
より豊かなコミュニケーションを図る生き物です。
中でも
「ありがとう」
という言葉は、相手を尊重し思いやる気持ちが
このたった5文字に込められている素敵な言葉であり、
私自身も積極的に使うことを心がけています。
「ごちそうさま」
だけで終わるのではなく、
「ごちそうさま。いつもありがとう」
と付け加えるだけで、相手への感謝の意も伝えることができるからです。
ごめんなさい
人と人が円滑な関係を築くために必要なことの一つに、
相手を許す
という気持ちを持つことが大切だ、と言われます。
人は誰もが完璧ではないので、
相手の欠点ばかりを非難していては、
理想の関係は築けないからです。
だから、よほどのことがない限り、
相手を許す
という広い心が求められるのですが、
これを円滑にする魔法の言葉が、
「ごめんなさい」
です。
自分に少しでも非がある場合、
一言「ごめんなさい」と言えば大きくならない話なのに、
下手な言い訳をして、火に油を注ぐ人もいますね(;’∀’)
「ごめんなさい」は、心配や迷惑をかけた人を思いやる気持ちから出る言葉ですが、
「下手な言い訳」は、自分の立場を守ることを第一に考えて出る言葉なのです。
「ありがとう」「ごめんなさい」たったこの2つの言葉にも、
相手を思いやる気持ちが表れる、
まさに「言葉」は「口から出た心」そのものだということが理解できるでしょう。
誹謗中傷
一方で「言葉」は人を殺す道具にもなります。
「死ね」や「消えろ」
「キモい」「ウザい」という短い一言は、
言われた方はひどく傷つき、その後のトラウマになりますが、
言った側は瞬間に忘れてしまい、他人を深く傷つけた認識すらないことも多いものです…
さらに、
「ヤバい」という語も、使い方や受け取り方が難しい言葉だと思っています。
いい意味にも悪い意味にも使える言葉ですから、使い方には注意が必要ですね。
また面と向かって言うばかりでなく、
ネットの匿名性をいいことに、
自分の怒りやモヤモヤのはけ口とするために誹謗中傷を書き込み、他人の人生をズタズタにする権利は誰にもありません。
自分の発した何気ない一言が、他人にどう影響するかをよく考え、言葉を選んで発言するようにお願いします。
間違った正義感
私がネットの誹謗中傷に最も衝撃を受けたのが、
2012年に起きた大津市中2いじめ自殺事件でした。
当時ネット上には「いじめた」とされる生徒の実名はもちろん、
住所や家族構成、画像、転居先まで晒されて、徹底的に糾弾する書き込みで溢れました。
私はそんなネットの書き込みを見て、背筋に寒いものを覚えました。
それは「人を死に追いやるほどいじめ抜いた当事者の酷さ」とともに、
「自分こそが正義の味方だ」と言わんばかりに集団かつ匿名で個人情報を晒し糾弾する「関係者以外」の存在です。
結果的にこの人たちは「いじめた側をネット上で集団いじめ」していることになり、「結局同じことをして自己満足しているだけの卑怯な人たち」だと感じたので、背筋が凍る思いをしたのです。
言っていいことダメなこと_アンガーマネジメント
もう一つ、言葉の恐ろしい面は
「一度発したら元に戻せない」
ことです。
私も若いころ不用意な一言を発して、生徒をひどく傷つけたことがあります。
彼は私の一言を聞いた瞬間、顔色を変えて教室を飛び出して行きました。
すぐに謝罪しましたが、その後彼は私に笑顔を見せることはありませんでした。
それ以来、発する言葉には特に慎重になりましたが、
それでも「今の発言は大丈夫だったかな?」
と不安になることは今もよくあります。
失言は自分本位になった時に出る
失言は自分本位の気持ちになった時に出るものです。
これが最も出やすいのが「怒り」の感情にある時です。
「ああ言えばこう言う」「言われたから言い返す」と、
喧嘩がヒートアップするのは、
お互いが怒りに任せて”言ってはいけないことを言ってしまう”からです。
しかしその言葉の裏には、
「自分を分かって欲しい」
という欲求もあるのです。
このことから、
誰にも怒りの感情はあるし、
相手に言いたいこともあるでしょうが、
そういう思いは、一つ深呼吸をして、冷静に相手に伝えることを心がけましょう。
相手本位の伝え方を意識するだけで、同じ内容でも印象は大きく変わります。
また逆に、相手との関係を危惧して「伝えるべきを伝えない」のもよくありません。
人間関係とは、相手を分かってあげないと、自分を分かってもらえないものなのです。
こういう怒りの感情を上手くコントロールする手法を
アンガーマネジメント
といいます。
詳しくをここでは書きませんが、
「6秒ルール」が有名ですね。
関心のある方はリンクから確認してみてくださいね。
正しい敬語を知って使える人になる
つまり、言葉は「相手本位」を第一に発するものだ、という観点から、
日本語には「敬語」が存在します。
「敬語」は人との関係を円滑にするので、
高校生のみなさんも国語の授業でしっかりと習いますね。
学習の場で
学習として習う「敬語」は、その概念を学ぶ機会です。
敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」があり、
その場面によって適切に使い分ける必要がある、ということを学びます。
語 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
---|---|---|---|
見る | ご覧になる | 拝見する | 見ます |
行く・来る | いらっしゃる | まいる | 行きます |
言う | おっしゃる | 申す | 言います |
食べる・飲む | 召し上がる | いただく | 食べます |
する | なさる | いたす | します |
聞く | お聞きになる | うかがう | 聞きます |
いる | いらっしゃる | おる | います |
話す | お話しになる | お話しする | 話します |
もらう | おもらいになる | いただく | もらいます |
会う | お会いになる | お目にかかる | 会います |
与える | お与えになる | さしあげる | 与えます |
伝える | お伝えになる | 申し伝える | 伝えます |
考える | お考えになる | 拝察する | 考えます |
渡す | お渡しになる | お渡しする | 渡します |
教える | お教えになる | お教えする | 教えます |
部活動で
部活をする意義の一つは「正しい敬語」が使える訓練の場になることです。
試合に勝つことや自分に負けない強い気持ちを育むことの根底に、
あいさつや正しい言葉遣いがあることを厳しく指導される場が部活動です。
部活には上下関係があり、先輩や顧問の先生には正しい敬語を使うことが求められます。
正しい敬語は、礼儀正しい好印象を与えるので、就職試験の際はその点を高く評価されることもあります。
アルバイト
教員を退いた今だからこそオープンに言えることですが、
私は高校生に対し「無理のない範囲でどんどんアルバイトをすればいい」
と、本音で思っています。(これまでの勤務校はバイト禁止だったけど…)
アルバイトは、収入以外にも色々学校では学べない社会勉強ができる場、だと思うからです。
その一つが「正しい言葉遣い」を実践できる場面だということですね。
担任をしていると隠れてバイトしている子が、その言葉遣いからわかります(^-^;
私 「最後ゴミ捨てに行ってね」
生徒「はい、かしこまりました!」
って…(;´∀`)「絶対隠れてバイトしてるだろ!?」
と思わず笑っちゃうことも何度かありました(笑)
面接
就職試験や入試で面接が課される生徒には何度も面接練習を行いました。
志望理由を聞くと、
「お、御校…ん?、いや、貴校…だったかな?を志望する理由は、、、」
と、しどろもどろ💦になるんですね。
この場合、
志望理由書では「貴校(貴社)」と書きますが、面接では「御校(御社)」と言うのが正しい使い方です。
これは、書き言葉と話し言葉の違いなんですが、
こういったことも、機会あるごとに正しく知って使えるようにしたいですね。
まとめ
最初にも書いたように
言葉は「包丁」です。
生活になくてはならないものでありますが、
使い方次第で人を救う道具にも殺す道具にもなります。
また言葉は自分の心を投影するものでもあるので、
高校生の若いうちに、正しい知識と使い方、
さらに感情のコントロール法を学んでください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、、、
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