いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今日は主に「保護者向け」の内容になりますが、
高校生にも知って欲しいお話です。
高校卒業後の進学は、思った以上のお金が必要です。
しかし何百万円という大金は、「消費」「浪費」ではなく「投資」です。
大学時代に培う様々な能力を、今の社会も求めているし、それが給与や昇進にも表れているのが現実です。現に「学歴フィルター」という語が今も死語でないことが、これを証明しています。
だから「投資」なのです。
また学業成績優秀の場合、返済不要の奨学金や授業料減免の制度があり、それを上手く利用することで、かなり「お得♪」になることもあります。
せっかくの制度も「知らなかった」から「使えなかった」ではもったいないですね!
今日の結論は、親も子も「勉強したものが勝つ」ようにできている、ということです。
だから、みなさんも今日は「学費の勉強」をやってみましょう。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
なお、本記事は4年制大学を基準に構成しましたが、短期大学や専門学校も、修業年数や分野による違いこそあれ、概ね似たような状況なので割愛させていただきます。ご了承ください。
進学にかかる経費
子どもを育てるうえで保護者の悩みとして大きいのは「学費」です。
授業料以外にも多額のお金が必要で、上の表にあるように高級車~地方のマンションが買える金額が必要です。お子さまが2人、3人…と増えれば、教育費も2倍3倍…に増えていきます。
さらに大学合格までに通う予備校の学費なども含めたら、これ以上の額になってしまいます。
あとお子さまの進学で大きな支出は自宅外通学時の生活費です。
家財一式や家賃、光熱費など、積もればバカにならない出費になります。
志望校選びの際は、自宅通学に限定するか?も、子どもに伝えておかなければいけません。
少子化の大きな原因の一つが、この教育費負担の重さにあることは誰の目にも明らかですね。
国公立は学費が安いけど
国立大学の授業料は現在年額535,800円。入学金は282,000円と、昔よりは高くなりました。
この金額は大学院も同額です。
公立大学の学費は、大学によって多少の差はありますが、概ね国立大学に準じた額です。公立大学は出身県によって入学金等に差がつくところもあります。
そして意外に言われていないことですが「国立大学の学費は、どの学部でも同じ」という点にその特長があります。(私立は学部によって大きく変わります)
さらに国公立には、私立に必要な施設設備費や寄付金等がかからないので、学部にもよりますが、年間30~500万円程度学費が安くなるというメリットがあります。
特に医歯薬系などは6年間で2,000万円以上の差がつくこともあるので、保護者にとってはかなりの親孝行になりますね。
他には私立よりも教員一人当たり受け持つ学生数が少なく、手厚い教育が受けられる、という点も国公立大学のメリットだと言えます。
国公立のネックは、入試科目が多いこと、私立に比べ施設が古め、という点が挙げられます。
また大学によって文科省から下りる研究費にも大きな差がある、ともいわれています。
私立は設備の良さと特色ある教育が売り
私立大学は今後の少子化に伴ってますます「二極化」していくだろうと思います。
そんな中で高校生に魅力を伝えるには「設備の拡充」や「特色ある教育」「就職支援の手厚さ」など、高い学費に見合うサービスを売りにするところが多いですね。
特に設備面での充実は素晴らしく「ここはホテル?」と勘違いしてしまいそうなおしゃれな大学もあります。
大学卒業までのマネープランを立てる
下表は、入学前にチェック!大学4年間にかかるお金【2021年版】を参考に、貫雪がExcelで作った学費シミュレーションです。これは私立大自宅外通学、奨学金を月5万円、家賃月5万円、アルバイト収入その他の収支の”年額”を想定したシミュレーションです。
貯蓄が700万円、奨学金を年60万借りてもこうなるわけです。
必要な方は↓ここからエクセルファイルをダウンロードしてご利用ください。(PCのみ)
進学するのに、4(6)年間の出費に耐えられるか?
奨学金や教育ローンのお世話になるなら、いくらくらい借りればいいか?
…など、家計の体力をざっくりと見積もった上で進路決定をする参考にしてください。
奨学金と教育ローンの違い
奨学金もローンも「借金」という点で同じですが、
あえて違いといえば、
- 奨学金
借主は学生本人。給付型(返還不要)や、要返還でも無利子、または有利子でも金利は抑えられている。学業成績や家庭の年収による審査あり。
入学以降しか支給されないので、受験費用や入学金等は自分で工面するのが原則。 - 教育ローン
借主は保護者。奨学金より金利は高め。受験費用や入学金にも利用できる。
という点です。
奨学金は日本学生支援機構(JASSO)が運営するものがメジャーです。
大学の予約奨学金はすでに申し込みを締め切っていると思いますが、これは大学入学後の申請も可能ですから、ご心配なく。
同じ採用なら、返還の必要のない給付型で採用されたいところですが、給付型には学力基準とかなり厳しい家計基準があります。
それが無理なら、無利子の第1種に採用されたいところですが、ここにも学力と家計の基準があります。
ちなみに高校生の予約奨学金で第1種採用の目安は、評定が「3.5」以上必要です。
大学2回生以降の申請では、GPA(大学の評定平均みたいなもの)が基準になるので、難関大学ほど第1種採用は難しくなる傾向があります。
第2種は利子付きの貸与になり、採用のハードルは低くなります。第2種は貸与月額を自分で決められますが、最初は低めに貸与金額を設定してください。最大月12万円を4年間借りると、576万円もの借金を抱えて社会人になるわけです(-_-;)
就職後の返済はかなり厳しくなりますので、大学卒業後のことまでよく考えて申請をするようにしてください。
念のため再度申しておきますが、奨学金もローンも「借金」です。
言葉の響きに騙されないようくれぐれもご注意の上、利用を検討してくださいね。
教育ローンに関して、この場での説明は割愛します。
下記リンク(日本政策金融公庫HP)からご確認ください。
授業料減免制度
それでも家計が苦しい時は、各大学が提供する「授業料の減免制度」を検討してください。
私は母子家庭でしたので、4年間授業料を免除されて、ずいぶんと助かりました。
ただこの制度は、大学によって大きく違うので、事前によく調べておく必要があります。
個人的には、国立大学の方が減免される率が高い…という印象があります。
また学校独自の奨学金制度や企業が設ける奨学金もたくさんあります。
家計の状況や学業成績で採用が決まります。
ダメ元で申請してみるといいのではないでしょうか。
私は授業料免除とともに、日本育英会(現JASSO)給付奨学金+とあるアパレルメーカーからも4年間の奨学金給付を受けていたので、実質プラス収支、というとても恵まれた学生でした(^^;
がんばってる学生にたくさんの応援があるのは「いい国の証」であり「若さの特権」でしょうね。
新聞奨学生制度
最後にご紹介するのは「新聞奨学生制度」
多くの卒業生を見送ってきた私も、この制度を利用して進学した生徒を知りません。
詳しくは下記サイトを参考にしてください。
もちろん、学費に窮する生徒へ「選択肢の一つ」として話をするために、個人的に調べてみたことは何度かあります。概要を簡単に言うと、
- 新聞販売店に住み込んで、朝夕刊の配達をする
- 学費や生活費が賄われ、給与も支給される
- 部屋は個室
- 朝は3時ごろ~、夕方は14~15時ごろから配達
- 配達後は折り込み広告等の作業も行う
- 週1の休みがある
など、学費や生活費のためにこれを4年間続けるには、相当な覚悟と根性が必要だと感じたわけです。
苦学生の象徴するような新聞奨学生制度ですが、これをやり切った学生の声は「充実」とともに、
- 学校のサークルに所属できない
- 体力的にきつかった
- 友だちとの交流がしにくかった
- 学業との両立が大変…等
何かを犠牲にしたことを悔いる感想もありました。
もちろんこの制度は経済的には不自由しないので、その長短を理解して、自分に合うなら選択肢の一つとして検討すればいいと思います。
自宅外通学について
上表でもお分かりのように、自宅通学と自宅外通学では、家賃等の固定費を含め、年間に約100万円ほどの出費増となります。もちろん、東京近郊など都会に行けば行くほど物価が高く、さらに費用がかさみます。
しかし、自宅外通学は大学近くに居住することが多いので「通学時間やその費用が抑えられる」というメリットもあります。
また大学によっては安い家賃で入居できる寮があったり、出身県の学生だけが入居できる比較的安めの学生会館を持つ自治体もあります。
だから、単純に経費がかさむ、と反対せず、トータルの出費を考慮して検討する必要があります。
家賃-自宅通学時の通学費=バイト代
くらいなら、通学で浮いた時間をアルバイトに充てて、収支トントンの場合だってあるわけで、それによって充実の学生生活が送れるなら、「必要な出費」と考えてもいいでしょう。
また自宅外通学は、一人暮らしをする「責任感」や「お金の使い方」、さらに「家族のありがたさ」「社会経験」など、多くの学びを得ることができますから、そんな人生勉強の授業料という考え方もできますね。
基本的に私個人は「人生経験にはお金を使ってもいい」という考えですし、私自身も自宅外通学でしたから、自分の子どもたちにも一人暮らしをさせました。
まとめ
進学に際し「学費」は「校風」や「偏差値」と同じくらい重要な検討課題の一つです。
偏差値は子どもの努力で何とかなりますが、学費はお子さまの努力だけでは解決できない問題でもあります。
お子さまが安心して学業に励めるよう、学費の問題で家庭内がゴタゴタしないことに保護者は気を配る必要があり、早くから家庭の「方針」を決めておかなければなりません。
お子さまがより良い学生生活が送れますよう、お祈りしております。
ではでは、今日はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は「自己推薦文」「志望理由書」の書き方について、例文も付けて記事を公開する予定です。
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