いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今日の記事は「家庭の問題」
高校生活や進路に関係ないテーマにも聞こえますが、
その土台を形成する家庭の雰囲気(問題)は、何よりも子どもの成長に大きく影響します。
しかし家庭の問題を、外部の人には話したくないし、知られたくないんですね。
誰にも相談できず、悶々と悩む人がたくさんいます。
家庭の問題は「本人の責任ではない場合」や「自分の努力ではどうにもならない部分」もあって難しいのです。
特にクラス担任を受け持つと、家庭の問題に係わることもしばしばです。
人知れず言えない家庭の悩みゆえに、学校生活や進路の希望が叶わず、涙をのんだ生徒を送り出す担任は、ただただ無力感を感じるばかりでした。
私は当時には珍しい母子家庭で育ちましたので、家庭の問題がどれほど子どもに大きな影響を及ぼすかを身をもって体験しています。
当然ですが、ここでは書けない酷い経験もたくさんあったので、教員時代は似た境遇の生徒に寄り添いたい、といつも考えていました。
しかし学校の教員ではできないこともたくさんあって、そのたびに感じるジレンマに悩み苦しんだものです。
今日の記事は、たまに相談に来る女子高生みきこちゃんと、貫雪のバーチャルトーク形式で話を展開します。
家庭の問題で密かに悩んでいる中高生に読んでほしい記事です。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
なお年末年始は、記事の公開をお休みします。
新年は1月6日(金)から、いつも通り火曜・金曜の夜に記事をアップする予定です
2022年、このブログを読んでいただいたみなさん、本当にありがとうございました。
ご家族揃って、健やかな年末年始をお迎えください。
修学旅行に行けなかった親友
貫雪先生、こんにちは!
今日は先生に修学旅行のお土産持ってきました
沖縄に行ってきたんですが、すごく良かったですよ(^^♪
こんにちは!みきこちゃん
修学旅行、天気にも恵まれて、いい旅行だったようだね
学校のホームページに写真が載ってたよ
はい、、、
旅行はとても良かったんですが、
ひとつ気になることがあるんです、、、
ホテルの同部屋予定だった親友が、修学旅行に来られなかったんです、、、
前日まで元気だったのに、、、当日になって「体調壊した」って、、、
でも、、、旅行中は学校で課題をしてたっていう話も聞いたんです、、、
旅行も行けないほど体調悪いのに、学校行くっておかしくないですか??
昨日聞いた友だちの話では、修学旅行のお金が払えなくて不参加になった…らしい、、、
とも聞いたんですが、、、そんなこと本人には聞けないし、、、
今思えば、旅行中毎日LINEして、自分の楽しい話ばかりして、帰ってからお土産渡したのも「悪かったかな~?」って思うんです、、、
いつも仲良くしてるのに、、、
あーー友だち傷つけちゃったかな~??
もー私のこと嫌いになっちゃったかな~??
も~~~!私どーしたらいーんですかーー!?
ヤングケアラー
そっかー
それは悩むね~
僕はその子が旅行に行けなかった理由は知らないんだけど、
経済面の可能性はあるかもしれないね
もし不参加の理由がお金なら、保護者も辛い思いをしてるだろうね、、、
はい、、、
その子は両親が離婚して母子家庭だって言ってました
兄弟も多くて、お母さんも病気がちだ、とも聞いたことがあります
ここだけの話ですが、学校に内緒でバイトもやってるって、、、
あっ!、、バイトの話は聞かなかったことにしてください、、、(;’∀’)
わかってるよ…(笑)
バイト代もおそらく生活費やスマホ代に消えてるんだろうな~
いわゆるヤングケアラーってやつだね、、、
家庭の問題は可哀そうだが、学校ではなかなか首を突っ込めないんだね
虐待やネグレクトが疑われる場合は、学校は児童相談所(児相)に通告する義務があるんだけど、ヤングケアラーは難しいんだよ、、、
児相は子どもを保護して「親子を切り離す」ことはできるんだけど、この場合はできないからね、、、
…とは言っても周りが、知らないふりや放任もできないよね、、、
でも、、、本人にしたら、周りには知られたくない事情なんだよね、、、
だから難しいんだ、、、
どうしても気になるのなら、
一度保健室に相談してみたらどうかな?
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーに繋ぐことも考えられるんじゃないかな?
そしてこんなサイトもあるから、今の閉塞状態を何とかしてあげたいよね
友だちとして協力できるのは、最大限そんなことじゃないかな??
ま、でも無理して話を持ち出す必要はないよ
側にいて見守ってあげるのがいいと思うな
僕も彼女の担任に話を聞いてみるね
子どもが子どもでいられる街に
相談窓口等
はい、、、
彼女の負担にならないように見守ってあげたいと思います。
そうだね
「誰かが側にいてくれる」
「手を繋いでいてくれる」
っていうだけで心強く感じられることもあるからね
そのうち彼女から君に相談を持ち掛けてくるかもしれないし、
そうなった時にどんな対応ができるか?を知っておいた方がいいかもしれない
とにかく僕は君からの話を、彼女の担任に確認して、学校としてできることを検討してみるからね
進路
もう一つ先生に聞いてもいいですか?
いいよ
どんなことかな?
さっき言ってた彼女、、、
夢は看護師になることなんだそうです
お母さんが病気がちだから、
資格をとって働きながらお母さんの面倒も見れる、、って言ってます
でも看護学校、、、??
修学旅行も行けなかったのに、学費とか大丈夫なのかな??
私が心配することではないのかもしれませんが…
う~~ん
これも難しい問題だね
彼女がまず考えなければいけないのは、家庭の現状を受け止めて、可能なことと不可能なことをはっきりさせることだね
次に看護師になるには、どんなルートがあるか?
を調べ、自分が可能な範囲でどんな人生設計を立てて目標を達成するか?
を考える必要があるね
看護師資格で言えば、下表のように高校卒業後最短3年で国家試験を受けて資格を得ることができるんだが、その時間と学費に彼女自身が耐えられるか?を検討する必要があるね
それが不可能なら、最大11年かけて資格取得を目指す別ルートもあるんだが、現実的な選択かどうか?は、要検討だろうな、、、
…ですよね~
私では何とも言ってあげられないです、、、(´;ω;`)クスン、、、
そうだね、、、
これは先生でも難しい問題なんだ、、、
学費に関して言えば、奨学金や教育ローン、アルバイトなどで賄うことはできるんだけど、
勉強の時間を確保するのは、とても難しいんだね
そういう意味では、お母さんのお世話をどうするか?という問題も出てくるんだが、さっき言ったように公的な援助を早く検討した方がいいね
保健室からスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、児童ケースワーカーやさらに地域の社会福祉協議会などにも係わってもらうよう働きかけをしてもらえるといいと思うなー
学費に関しては、僕の過去記事も参考になるといいね
なるほど~
まだ高校生の私には難しい問題ですね、、
でも彼女が暗い表情だったりしたら、
私からそっと声をかけてみようかな、、?
そうだね
とにかく家庭の問題は、究極のプライバシーだからね、、、
声をかけてほしい人もいれば、全く逆の場合もあるんだね
だから彼女の表情暗かったら、
「何かあった?」「私でよければ話聞くよ」
くらいの声掛けでいいのかな?
家庭の問題で感じる不条理との向き合い方
こう考えてみると、家庭の問題って難しいですね、、
だって、本人の責任じゃないことも多いじゃないですか~
「なんで自分はこんな家に生まれたんだ?」
って不条理を感じるんじゃないですか??
でも、だからと言って家や親を変えることはできないし、
こんな不条理をどう乗り越えていけばいいんだろう??
って思います
私だったら、とっくの昔にグレてると思います、、、
そうだね~
実は僕も母子家庭で育ったから、君の言う不条理は昔感じていたよ
だから僕もグレそうになったことはあるんだ(笑)
えーーー!
先生にもそんな過去があったんですかーー!?
でもなぜグレずに高校生活を送れたんですか??
僕の場合は、同じ部活にたまたま同じように家庭の問題で悩む同級生がいたんだ
その子は親の問題で夢を諦めて就職したんだけど、高校卒業までお互い家で辛い思いをした時は、よく話をして慰め合ってたんだ、、、
僕の進路、、、実は、その子の「夢」だった大学なんだよ
公立落ちで半分腐ってた僕が、これではいけないと思って、その子の夢を代わりに実現してやろう!と思ったんだ
なんでそんなこと思ったんだろ??
目標が欲しかったのかな?(笑)
今思うと可笑しいでしょ(笑)
でもそれがあったから「自分だけじゃない」「その子もがんばってるから自分も負けずにがんばろう!」って思えたんだね、、、
そういう意味でも、しんどい時は誰かに話を聞いてもらうことが大事なんだよね
えーーー!
なにそれ!!!!
超ビックリです~~
家庭の問題を乗り越えて自立した生徒の話
ま、僕はそんな事情もあって、高校時代がんばれたから、教師を目指したんだよ(笑)
人生どうなるかなんてホントわからないもんだね(笑)
そうですね、、、
でも先生のそんな経験って、
教師として活かせる場面もあるんじゃないですか?
そうだね~
なにより、同じような境遇の子の気持ちはよくわかるよね
でも、だからと言って家族まで支えたり、学費を出してあげることはできないからね、、、
そこが大きなジレンマなんだよ
はい…だけど気持ちをわかってもらうだけでも、その子にとっては心強いはずです
そんな不条理な境遇を乗り越えて、強くなった生徒もいるんですよね?
そうね~
個人情報だから詳しくは言えないんだけど、
家庭の問題を乗り越えて自分の夢を実現した生徒はいるよ
彼女はとにかく入学時から化粧濃くて、スカートも超ミニだったんだね(笑)
髪も茶髪だったんだけど、学校にはカツラを被って来てたから、僕は全然わかんなかった(笑)
…で、僕が顧問の部に入ってきたんだけど、見た目とは逆にすごく素質を感じたんだ
彼女は負けん気も強く、練習も熱心だったから、進路はその道に進んでもいい、とまで思った生徒だったんだね
しかし家の問題があって、学費が捻出できないという現実にぶつかった、、、
…で、その子はどうなったんですか??
彼女とは家のことや学費のことで何度も話をしたよ
ホントは奨学金や授業料減免制度を使って学費の安い国立に行ってほしかったんだけど、
第1志望の国立には落ちてしまった、、、
だけど第2志望で受かってた私立に進学したんだね
「私立で大丈夫かな?」と心配したけど、時給のいいバイトを探して学業と両立したんだ
さらに大学卒業後はキャリアを積むため東京の大学院にも進学して、そこでもバイトと学業を両立させて、修士号まで取ってしまった、、、
大学院修了後は、自分の目指したその道を突き進んでるよ
時々インスタに仕事の成果をアップしてるし、結婚もして最近子どもも産まれ幸せに暮らしているし、仕事と育児、家事を両立しながらがんばっている!
若い時に、人並み以上の苦労をしてる分、これからも幸せに生きていってほしいと、心から思っているね!
神様はがんばる人を絶対に見捨てないものなんだよ(笑)
へぇ~~~
人生って長い目で見たら、どうなるかわからないものなんですね~~
私も小さいことにメソメソ泣き言言ってないで、がんばろーっと!
今日もたくさんお話できて良かったです
ありがとうございました!
いえいえ、、、
年末年始はゆっくり過ごして、年明けからもがんばろうね!
ではでは、、よいお年を!
次は1月6日に記事を公開するねー
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