【優しさ】って何だろう?_ 本当の優しさは関心と厳しさの中にあるもの

人間関係
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。

新年度になりました。
進級進学したみなさんは、新しい生活に大きな期待を寄せていることでしょう。
そして新年度は新しい出会いの時期。
さらによい人間関係を築きたいですね。

…ということで、今日のテーマは【優しさ】

誰だって、優しい人になりたいし、優しくされたいものですが、
「優しさって何?」と聞かれると、実は返答が難しいもの。

過保護な親が、わがままな子の言うことを何でも聞いてやるのは優しさでしょうか?
連絡も入れず遅刻して、何も言わない先生は優しいと思いますか?

違いますよね、、、

誰かに迷惑をかけてしまった時、厳しく叱られるのは虐待になりますか?
高校生が酒やタバコを禁止されているのは理不尽だと思いますか?

…など挙げるとキリがありませんが、世間には「優しさ」と「甘え」「厳しさ」と「冷たさ」「自由」と「放任」と「勝手」混同する人がとても多いと思います。

先月のブログ記事は、主に中3生向けに書きましたが、今月から高校生になるみなさんには、ぜひその違いを理解し、健全な高校生活を送るためにもよく考えて欲しいことです。

本当の優しさとは何でしょう?
それを考えるきっかけになれば、と期待して新年度最初の記事を執筆します。

最後まで読んでいただけるとうれしいです。

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優しさとは?

人は皆基本優しい

「優」という字は「人をうれう」と書きます。
憂うとは「心配する」という意味です。

ですから直訳すると、優しさとは「人を心配すること(気持ち)」なんですね。

私は基本的に人は皆優しいと思っています。

凶悪犯罪を犯した人に対して「あの人にも優しいところはある」というコメントをよく聞きますが、
いくら犯罪者でも、周りをすべて敵対視してたらこの世では生きていけません。
人は人と関わって生きる生き物なので、誰もが自分の味方に優しくなるのは当然なのです。

誰のために

しかし「人を憂う」の「人」は、一体誰を指すのでしょう?
ここがとても重要です。

これを読む多くの方は「人=他人」と思ったはずですが、
「人=自分」と考えることはできないでしょうか?

私の教員時代、自宅によくこんな電話がかかってきました。

東京の○○(地名)に、マンションを建設中です。
今ローンを組んで購入し、賃貸物件として貸し出すと家賃収入が得られます。
家賃収入をローンの返済に充てれば、いずれはあなたの資産になりますよ!

って…(;’∀’)
いずれは一切の出費なく東京のマンションが自分のものになる、という言い方です。

またある時にはこんな電話もかかってきたことがあります。

今アルミニウムを買っておくと、大変有利です。
今年の夏は猛暑が予想されます。
猛暑になると、飲み物が売れるので
(缶の原料である)アルミニウムが高騰します。
ぜひ150万円から買ってみませんか?

この電話、あまりにもリアルだったので、ホント騙されそうになりました(;’∀’)
もちろん1円たりとも買っていませんよ(^^;

この2つの電話に共通するのは、一見私のためを思った優しい言い方ですが、冷静に考えれば、
「そんなお得情報がホントなら、見ず知らずの私に勧める以前に自分で買えば??」
と言いたくなりますよね(笑)

さらに「リスク」の説明が全くない点が怪しすぎます。
マンションを借りる人がいなかったらどうなるの?
とか、
冷夏になったらどうするの?
といった説明が一切ありませんでした。

つまりこれは「人=自分」を憂うために優しくしている「ふり」です。
マンションもアルミニウムも、売れて得するのは業者なのです。
一切のリスクを説明しないことがそれを証明しています。
そんな都合のいい話が知らない会社の電話から来るはずはありません。
いくら優しそうな人だと思っても、絶対に騙されてはいけないのです。

またメン地下アイドルに何百万円もの大金をつぎ込んでしまう被害も、
カッコよさと優しさに目が眩んだ乙女心を悪用した詐欺行為です。
本当に相手のことを思う優しさなら、自分に何百万もの金を使わせるはずはありませんよね。

「好き」の反対は「無関心」

先に書いたように「優しさは相手を憂う(心配する)こと」ですが、
相手を心配するのは、その人に「関心」がある、ということです。
関心があるから、その人の顔や名前、さらに細かな言動や服装までを覚えていることがあります。
みなさんも自分の好きな人のことは、何でも知りたいはずだし、そう簡単には忘れませんよね。

当然ですが人は「関心があるからこそ・・、その人に優しくできる」はずだし「愛情」も生まれます。
あなたの親が、あなたを生み育て、あなたの成長を心から喜ぶのは、あなたに愛情があるからです。
あなたの成長を願うあまり、時には厳しく接することもあるでしょうが、どんなに厳しく接しても、あなたを見捨てることはありません。

それが優しさです。
優しさとは、愛情が言動となったものなのです。

特にボランティアなどに汗を流す人は、弱者の立場を憂う気持ちの優しい人。
見返りを求めず、誰かのために奉仕する精神は、究極の「優しさ」かもしれません。

一方、その反対が「無関心」です。
自分の子に関心がなければ、ネグレクト(育児放棄)に発展することもあるし、
どうでもいい人の名前や出来事はすぐに忘れてしまいます。

しかし、無関心ってなんだか「冷たい」イメージにも思いますが、
逆に無関心だからこそのメリットだってあります。

無関心のメリット

無関心のメリットは、自分が壊れないよう敢えて”気にしない姿勢”を身に付けることでしょう。

周りに気を遣い、常に他人のことばかりに関心を寄せてたら、とても疲れてしまいます。
優しい人になり過ぎると、今度は自分がすり減ってしまうのです。

特に関心のない人には無関心を貫き、大切な人にこそあなたの愛情を注ぐようにしたいものです。

厳しさは優しさの裏返し

これは高校生にはわからないかもしれませんが、「厳しさ」は「優しさの類義語」になることがあります。
他人に厳しく接するのは、みなさんが思う以上にエネルギーを必要とします。
本音を言えば、誰も他人に厳しく接したくはありません。
朗らかに談笑するのが一番楽ですからね。

それでもあえて厳しい姿勢で他人に当たるのは、
「その人のためを思っての行為」のはずです。

…ですが、すべてがそうではないこともあります。
時にストレスのはけ口で周りに当たり散らす人だっています。

自分のことを思って厳しくされているかは、厳しくされた直後にわかります。

相手の機嫌がいつまでも悪かったり、逆に急に上機嫌になる場合は、あなたをストレスのはけ口にしている可能性があります。
そんな時は深くかかわらないようにしましょう。

直後に冷静な人は、自分のためを思って厳しく接してくれた人です。
自分のために厳しくされることに感謝ですね。

優しさ判定テスト

優しさは言動ひとつでもわかるもの。
一例を挙げますから、素直に考えてみてください。

昨日が提出〆切だった宿題を、一日遅れで先生に提出しました。
先生から「遅れた理由は?」と問われ、

A 提出をすっかり忘れていました、遅れてすみません。
B 提出をすっかり忘れていました、ご迷惑をおかけしてすみません。
C 提出をすっかり忘れていました、成績は下がりますか?


どの答え方がふさわしいと思いますか?

Aは単に遅れたことを謝る言い方
Bは採点者の先生に迷惑をかけたという意味の謝罪を込めた言い方
Cは自分の成績しか考えていない言い方

ですね。
遅れた自分を心配してCのように(頭の中で)思っても、
それ以前に迷惑をかけた相手の立場に立って謝罪するBが最もふさわしい返答ですね。

甘やかしは「毒」

最初にも書きましたが、世間には「優しさ」と「甘え」「厳しさ」と「冷たさ」「自由」と「放任」と「勝手」を混同する人がとても多いと思います。

例えば先ほどの宿題忘れの続きで、
先生の受け答えはどれがふさわしいでしょう?

A どんな理由があろうと、〆切を過ぎたものは受け取らないよ。
B 遅れた分は減点するけど受け取るよ。次からは気をつけなさい。
C 1日くらいならいいかな。次からは気をつけなさい。

Aは正論。特に通信制高校はこれが普通です。生徒にやむを得ない理由があれば「この言い方はないかな?」と思う返答。冷たい印象です。
私ならBかな?一日遅れでも未提出よりはマシだと思う反面、ペナルティも必要だと思う。
Cは絶対にダメ!この言い方こそ相手のことを何も考えてない。面倒臭い無関心の表れ。さらに一日くらいなら遅れてもいいや、と生徒を甘やかすことにもなります。遅れた生徒にすれば「ラッキー」かもしれませんが、〆切を守った生徒から見たら不公平そのものですよね。

そんな意味でも「甘やかし」は時に「毒」になります。

甘やかしは誰のため?

これは中高生より保護者や先生に言いたいことですが、
甘やかしを「愛情」とか「理解」と勘違いしてはいけません。

子どもや生徒を甘やかすのは、厳しさを避ける”自分本位”の行為です。
誰だって子どもや生徒から反抗されるのはイヤだしストレスになります。
もちろん子ども自身もストレスを抱えたくありませんから、お互い平穏に行くためには甘やかすのが”近道”なんですね。

しかし立場も人生経験も価値観も違う子どもを健やかに育てるには、時にぶつかり合うことだって必要です。
その経験を通して、社会のルールや年長者の考え方を身に付けていくのが子どもです。

子どもとの衝突は、必要以上に恐れないようにしたいものです。

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まとめ

以上のように「優しさ」は相手を憂う気持ちから生じるものであり、
時にはそれが「厳しさ」となることもありますが、適切に切り替え良好な人間関係を築きましょう。

人を憂う気持ちをわかりやすく言語化したのが、過去記事にも触れた「心訓十戒」です。

心訓十戒

一、人を大切にする人は人から大切にされる
二、人間関係は相手の長所と付き合うものだ
三、人は何をしてもらうかより何が人に出来るかが大切である
四、仕事では頭を使い、人間関係では心を使え
五、挨拶はされるものではなくするものである
六、仕事は言われてするものではなく、探してするものである
七、わかるだけが勉強ではない、出来る事が勉強だ
八、美人より美心
九、言葉で語るな、心で語れ
十、良い人生は、良い準備から始まる

新入・進学したみなさん、新しい環境で何かと不安の多い時期ですが、
人は人から影響を受け、影響を与えながら生きています。

人間関係がうまく行くだけでも、みなさんの高校生活はかなり充実するはずですから、
笑顔を忘れず人の立場も考えて、よりよい毎日を過ごしてください。

またより理想的な友人関係に触れた前回の記事も参考にしていただければ幸いです。

今年度の学校生活が、昨年にも増してより充実したものとなるようお祈りいたします。

では今日はこの辺で、、、
本ブログを今後ともよろしくお願いいたします。

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