いつもご覧いただき、ありがとうございます。
まずは1年間の学校生活お疲れさまでした。
私のブログを一度でも読んでいただいたみなさんに感謝申し上げます。
さて、高校の入学式も迫ってきました。
新入生のみなさんはたくさんの不安と期待が交錯する不思議な感情で、毎日を過ごしているはずです。
そのたくさんの不安のひとつに、高校での【人間関係】がありますね。
高校は中学と違い、たくさんの中学から寄り集まってできる集団です。
クラスに入ってみれば、同じ中学出身者が誰もいない、ということもよくあること。
周りに座る全員が初対面なんですね(;’∀’)
そんな中で、特に人見知りの生徒は不安が大きく、さらにスクールカーストの底辺には座りたくないので、どう自分をアピールするか?や、早く誰かに声をかけてほしい気持ちばかりが先走って焦っちゃうんですね。
スマホが普及したここ10年ほどは、入学式までに学年のグループLINEができているので、クラスが発表されると、名簿の写メが一瞬で拡散する時代。
新生活の人間関係にもスタートダッシュが求められる時代になってしまいました。
人の悩みの多くは人間関係に起因する、ともいわれます。
だから今日は、そんな新入生が、どう集団に溶け込み、良好な人間関係を構築するか?について、私見を述べます。
高校時代に築いた良好な人間関係は、学習や部活にもいい影響を与えるし、大人になってもその関係が継続することも多く、一生の付き合いとなることも珍しくありません。
そんな多大な影響を及ぼす高校時代の人間関係について考察しましょう。
最後まで読んでいただけると、うれしいです。
なお本日の記事公開後、本ブログはしばらく春休みをいただき、
次の更新は4月7日(火)を予定しています。
来年度も時々読んでいただければ幸いです。
↓中学生向け記事一覧です。
入学してすぐの心がけ
まずは笑顔であいさつ
入学時の新入生は、初めての環境と周りのほとんどが知らない人だらけの中でみんな緊張しています。
担任を持って初対面の教室は、シ~~~~ンと静まり返った状態です。
「生徒来てるの?」
と思うくらい静かな時もあります(^^;
たまに中学の友人が近くにいると、その人たちは楽しそうで、周りはその様子を羨ましそうに見ているって感じです。
みんな周りの動きを探りながらの登校初日ですね。
さて、そんな緊張の中で何ができるか?というと、
まずは笑顔であいさつ!
です。
席近くの人や、体育館入場の整列時に、笑顔で「おはよー!緊張するね」などと声をかけてみましょう。
その一言がきっかけになって「私○○(名前)!よろしく!」と自己紹介したり「どこ中?」と出身中学を聞いてみたりで、少しずつ会話を進めていきましょう。
共通点を見つける
知らない人同士が仲良くなるには「共通点」を見つけることが近道です。
部活
春休みの課題
得意教科
通学方法
血液型
兄弟
ペット
趣味
推し
持ち物
…
…など、挙げ出したらキリがないほどたくさんの共通点を見つけることができますね。
共通点は、自己開示と質問で見つけることができます。
何度かやりとりをして、話が盛り上がれば楽しいし、
「ちょっと合わないかな、、、」と思ったら、無理に追いかけず、別の人に話を振ってみればいいでしょう。
とにかく最初から誰か一人を追いかけず、広く浅く何人かに声をかけてみましょう。
人は第一印象が大事ですから、常に笑顔を忘れずにね。
スクールカースト
昔に比べ今は「人権」がより尊重される時代になりました。
男女平等はもちろん障がい者やLGBTQへの意識もずいぶん改善されたように感じています。
その一方で学年やクラスという小さな単位では、今も【序列】がなくならないんですね。
1軍とか2軍って、プロ野球みたいな序列ができてしまう現実を、みなさんはどう考えますか?
高校デビューという言葉もあるように、新生活で高位に就くため”変身”しちゃう生徒を、私は憐みの目で見てしまいます…(-_-;)
自分の弱さや不安を、髪色や化粧、さらに態度にまで出して強がっているようにしか感じないからです。
また一方で「私は3軍だから」とクラスではひたすら貝のように自分を押し殺す生徒を見て、とても悲しい気持ちにもなります。
「素直に自分を出せて、各々の長所を尊重できる集団」
ができたらいいのに…といつも残念に思いますが、
スクールカーストが形成されるのにはちゃんとした理由があります。
そのキーワードは「自己肯定感」です。
マズローの欲求段階説
上図はアメリカの心理学者アブラハム・マズロー(1908~1970)が提唱した「人の欲求を5段階のピラミッド」で図案化したもの。
マズローによると、
「人の欲求は低次の欲求(生理的欲求)から高次の欲求(自己実現欲求)まで5段階で構成され、低次の欲求が満たされないと、より高次を欲しない」と定義づけられています。
その5段階とは次のようなものです。
- 生理的欲求(寝たい、食べたい)
- 安全の欲求(安心、安全)
- 所属と愛の欲求(仲間が欲しい、愛情が欲しい)
- 承認欲求(他者から認められたい)
- 自己実現欲求(自己の可能性を実現したい)
新入生が今最も欲するのは、3.所属と愛の欲求です。
入学後しばらくしてこれが満たされると、次に欲するのは、4.承認欲求です。
承認欲求とは、周りから認められること。
「○○さんは成績がいい」とか「△△さんは美人」などと認められることです。
承認欲求はピラミッドでは「内的欲求」かつ「欠乏欲求」とありますが、これは他者からの評価を内的に欲している状態のこと。
つまり人は「内的欲求が周囲からの評価で満たされた時」が「自己肯定感が高い」状態だといえ、これが満たされて初めて自分の存在価値を肯定できるのです。
みなさんも周囲から認められると、自分を肯定する気持ちになるのは、理解できますよね。
さらに承認欲求には、他者との比較が不可欠です。
テストでクラス全員が100点を取ったら誰からも褒められませんが、自分だけが100点なら大いに価値があります。
この場合は当人の努力よりも、周囲より抜きん出たという「比較」で優越感を感じるのです。
スクールカーストは他者との比較でしか得られない自己肯定感
以上から、スクールカーストは「他者からの評価」と「他者との比較」によって生じる上下関係です。
自分に足りないものを求めるから「欠乏欲求」とも言われるんですね。
「人の上に人を作り、人の下に人を作る」ことで得られる関係。
SNSのフォロワー数やいいねが人より多いことで満足する心理にも似ています。
しかし、この理屈をみなさんは「おかしい?」とは思いませんか。
他者の評価や比較がないと、自己の承認欲求が満たされないんですよ、、、
はたして本当の自己肯定感とは、他人と比べて得るものなのでしょうか、、、?
いえいえ、決してそうではありません。
承認欲求とは、そんな低次なものばかりではないんですね。
より高次な承認欲求は、他者からの評価や比較より、常に「過去の自分をライバル」として満たすもの…なんです。
こういう人は常に「自己ベスト」を目指して「過去の自分を比較対象」としているんですね。
100点を取った感動が「前回テストよりよく頑張った」という満足感なら、これに該当します。
そして当然ですが、こんな姿勢で生きる人は周囲からの評価も高く、自然と承認欲求を満たす自己肯定感の高い人です。
こんな人がリーダーとして集団を引っ張るのと、スクールカースト1軍が幅を利かせている集団では、あまりにもその意味が違い過ぎる、ということを知らなければいけません。
承認欲求は人生に大きな影響を与える恐ろしい欲求
そして、もうひとつ知っておいた方がいいことは、
「承認欲求は人生に良くも悪くも大きな影響を与える」ことです。
例えば、尊敬する人に認められたい一心で、勉強や競技に打ち込むことがありますが、これは承認欲求がモチベーションになる好例ですね。
反対に、いいね!が欲しい一心で、回転ずしの醤油ペロペロしてしまうのは、承認欲求が仇となる悪例です。
このように、承認欲求は良くも悪くも人の行動をコントロールする恐ろしい欲求です。
どれだけ自分を認めて欲しくても、他人に迷惑をかけてまでこれを求めるのは自制しなければいけません。
真友とは
自己実現欲求が人の生き方を左右する
承認欲求を満たしたその上にあるのが、5.自己実現欲求です。
自己実現欲求は「成長欲求」ともいわれ、これは今の自分に+αの付加価値を求めるもの。
わかりやすく言うと「夢の実現」です。
ここでいう「夢」とは、簡単には実現できそうにないレベルを指します。
偏差値50の高校生が、60の大学合格を実現するようなものですが、
これは承認(他者の評価)では実現できませんよね。
自分自身に”その力”をつける以外に方法はありません。
このレベルの欲求を「自己実現欲求」といい、これが人の人生を大きく左右する最強のモチベーションになるのです。
真友とは自己実現欲求を追求する者同士の関係
高校3年間でぜひとも築き上げたい人間関係。
それはこの”自己実現欲求”を求める者同士の信頼関係です。
お互いが高い目標を持って自己研鑽する。
決して楽ではありませんが、
互いに刺激し合い、支え合う中で生まれる絆こそが理想的な友人関係です。
「悩み」は前に進もうとする人にしか起こりません。
前に進もうとする者同士が悩みを共有して信頼関係を深める、
そんな関係で付き合える真友を持てるといいですね。
以下は友だちについて書いた過去記事です。
併せてご覧いただけるとうれしいです。
まとめ_2種類の友だち
私は高校生の人間関係は大きく2種類に分けられると思っています。
これはマズローの欲求段階説で説明できます。
1つは、3.所属と愛の欲求を満たすために”群れる”関係。
一人では寂しいから群れる。
○横キッズは、家に居場所がない若者の集団ですが、こういった若者達がさらに自分を高め認められる居場所を見つけられるような世の中でありたいと願います。
2つめは、部活の仲間など、高い目標を持つ者同士が強い絆で結ばれる関係です。
これは、5.自己実現欲求を求める者同士が築ける関係です。
どちらの関係も、当事者にとって大切な友人であることは確かでも、立っているステージは大きく違います。
人は低次の欲求が満たされないと、より高次を求めない
と説いたマズローの真理がここにあります。
そして子どもの健やかな成長に「家庭の在り方」が大切だといわれるのは、
自己実現欲求以外の「欠乏欲求」は、まず家庭で満たしてやるのが基本だからです。
つまり家庭の役割は「子どもに欠乏する欲求を上手に満たしてやること」なのです。
そんな安心の環境に身を置くからこそ、将来の自己実現を真剣に考え、それを目指すための努力を惜しまない子に育つのです。
これは何でも「甘やかす」ことではありません。
その点に関しては次回(4/7)にお話しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
みなさんの高校生活がいい出会いとともに、より充実したものとなりますように…。
最初にも書いたように、私のブログ執筆も少し春休みをいただきます。
次の公開は4月7日(金)の夜を予定しています。
次年度からもよろしくお願いいたします。
ではでは、、、また次回、、、
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