【区別】と【差別】_平等に過ごせる社会のために区別すること

人間関係
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今日は「区別」と「差別」というテーマでお話をします。
この2つは似て非なるもので、その意味は全く違いますが、
時に混同して使われることがあります。
今日の結論から言うと、
区別=〇 差別=×
となるのですが、間違った理解をして人間関係を壊すことのないよう、
また正しい「平等」の概念を理解してもらうために、私の考えを書きます。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。

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区別と差別の違い

区別とは

例を挙げると、
性別で男女の更衣室やトイレ、競技けられている、のが「区別」です。
別ける理由が合理的であり、誰もが不快に感じないために必要なことを指します。

また電車に「普通車」と「グリーン車」があることや、
郵便に「普通」と「速達」があること…等
扱いが支払額で比例する違いも「区別」ですし、
選挙権や被選挙権を得る年齢、飲酒や喫煙が二十歳まで禁止されていることも、その理由に合理性があるため、これも「区別」と分類するのです。

つまり「区別」とは、「平等とするため」や「合理的な理由による」別け方のことで、
誰もが納得するために必要とする別け方、を指す言葉なのです。

差別とは

これも例を挙げると、
男女で「男は仕事、女は家庭」という観念がこれに当たります。
私の若い頃は特に疑問も感じなかったことですが、
時代の変革から、今では「男女とも仕事と家庭を担う」のが常識となりました。

しかし今も専業主婦や主夫には、第3号被保険者といって個別に年金保険料を払う必要がない、という制度や、扶養家族として健康保険料が免除される制度が残っています。
この制度は元々「男は仕事、女は家庭」観念をフォローする制度でしたが、今もこれを廃しない理由は、第3号被保険者は男女ともに該当する、という意味でフェアだ、という認識があるからです。
…ですが、今も社会には、男性が育休制度を取りにくい風潮や、主夫の社会的立場の弱さがあることも現実ですから、これがどこまでフェアなのか?と個人的には疑問も感じる制度です。

さらに肌の色による「人種差別」、人の「出自」「容姿」「障がい」への偏見も「差別」です。
「差別」とは、その人の能力や努力では変えられないことを理由に、特別な扱いをすることです。
「特別な扱い」とは、冷遇とともに優遇することも含めたアンフェアな行為全般を指します。

平等とは

日本大百科全書によると、平等とは、

個人間に、あるいは集団間に、なんらの差別もない状態をいう。たとえば、法の下の平等、両性の平等、国家間の平等などがその例。この平等観念は、自由の観念とともに近代民主主義思想の内容のうちでももっとも重要な考え方の一つである。

引用元:コトバンクより引用

…とあり、差別のない状態のこと。
ここでは、私たちの生活に身近な平等観について考えてみましょう。

男女平等

男女平等は、私たちが永久に考えるべき平等観の一大テーマだと思います。
私は男性ですから、何年生きても女性のわからない部分がありますし、女性の立場から見てもこれは同じでしょう。つまり「男女が平等の社会」と客観的に判断できる人は誰もいないのです。
ですから時代の求めるところに応じ、これからも少しずつ男女の平等観は変化していくでしょう。

男女差の最たるところは、女性が妊娠出産の役割を担っていることです。
社会的に女性の管理職率が少ない我が国は、女性の妊娠出産~育休期間に社会から距離を置くからです。女性の社会進出を図るために、男性の育休取得を推進する動きもありますが、授乳など男性には対応しにくい部分もあったり、社会の理解もまだ十分ではありません。また(他業種のことはよくわからないんですが)育休期間が、1年→3年に延長されたことを鑑みると、これを女性に丸投げして「男は仕事」なんて言ってたら、これからも女性の社会進出が伸びることはないでしょうし、男女間の溝は埋まらないままでしょう。

一方で、女性の社会進出と少子化が、セットにして語られることもありますね。
女性の社会進出が少子化に影響している、という内容ですが、
この点に関しては、今の高校生たちに深く考えて欲しい問題です。
・少子化の原因は何か?
・晩婚化の原因は何か?

・子どもにお金がかかりすぎる、という問題をどう解消するか?
・その解決法として考えられることは何か?
…等の議論を、授業や家庭で話し合う機会を持ってほしいと思います。

女性専用車

私は満員電車に乗ると、いつも不安に思うことがあります。
「ここでもし痴漢に間違えられたらたまらんよな~」って(;’∀’)

もちろん現実に痴漢の被害が多いから、女性専用車両があるのだ、と理解していますが、
男性である自分の立場では、
「じゃあなぜ男性専用車両は作ってくれないの?これって「差別」なん?」
と訴えたくなります。
もしそんな車両があったら、余計な不安感じずに済むから、私は絶対そっちに乗りますね。
間違えられたら、冤罪覆すのは至難の業で、なお失うものが多過ぎる現実もあるからです。
これは男性の私が勝手に思っている男女平等です。
異論はあると思いますが、、、ここだけでは自論を言わせてくださいね(^^;

LGBTQ

今は高校の人権学習でも学習するLGBTQ。

LGBTQとは、Lがレズビアン(Lesbian:女性の同性愛者)、Gがゲイ(Gay:男性の同性愛者)、Bがバイセクシュアル(Bisexual:両性愛者)、Tがトランスジェンダー(Transgender:こころの性とからだの性との不一致)、Qがクエスチョニング(性的指向や性自認がはっきりしていない、定まっていない、どちらかに決めたくないなど)の頭文字から作られた言葉であり、性的少数者の総称として用いられている言葉です。

引用元:識学総研「LGBTQ」とは?知っておくべき基礎知識をわかりやすく解説!より引用

最近ではこれにIA+を追加して、LGBTQIA+とも呼ばれるようになりました。詳しくはこちらよりご確認ください。

このような性的少数者は昔から一定数存在しましたが、現代社会ではこのような人たちの人権を侵してはいけない、性の多様性を尊重しよう、という風潮が定着してきたように感じます。
中学や高校では男女ともスラックスかスカートの着用が選択できるようになったことも大きな進展です。
ただ「仏作って魂入れず」とならないよう、性的少数者を差別することのないよう、人権教育を並行して行っていくことも求められます。

実は、私が過去に勤務した高校には、ずっと昔から「女子のスカートかスラックス選択可能」という校則がありました。もう20年ほど前の話です。
当時生徒会担当の私は、校則改定を執行部と話していた時、この校則について生徒や先生方と議論したことがあります。

私 「こんな校則が昔からあるんだけど、どう思う?」
生徒「えー!知らなかった💦」
私 「これまで女子でスラックス着用した生徒はいますか?」
先生「いや、見たことがないな…」
私 「この校則残しとく?」
生徒・先生「要らないです」
私 「そうだね。じゃあ次の生徒総会で諮るね」
  …という流れで、生徒手帳から消したことがあります。

20年後の社会を、この時は誰も想像できていなかったんですね、、、
今とは「平等の概念」が違いました、、、

学歴社会

高校生にとって「学歴」は大きな関心事だと思います。
どの大学を卒業したか?で、就職や、時には結婚まで影響する可能性もあるよ、
…というセリフは、どこかで耳にしたことがある人も多いでしょう。
「学歴で人の人生を振り分けるのは「差別」だー!」
と叫びたいところですが、私個人的には学歴フィルターの存在は否定しません。

学歴の差や、それに伴う能力差があるとすれば、これは「差別」ではなく「区別」だと思っています。
学歴差や能力差は、その前後の人生でいくらでも逆転できる要素であるからです。
少なくとも中国や韓国は、我が国以上に学歴社会であることは有名ですね。
我が国はまだ逆転のチャンスが大きく、まだマシなんじゃないかな?って思います。
関連記事として過去記事もご覧ください。高偏差値の学校を目指す方がいい理由を記しています。

趣味嗜好

オタクは胸を張れ

もし誰かから、自分の趣味嗜好をさげすむような言い方をされたら、
決して落ち込まず、逆にガッツポーズをする場面です。
誰が何を好んで趣味嗜好とするかは全くの自由ですし、
差別的な扱いを受ける権利など、これっぽっちもありません!
自分と趣向が違うから、とこれをバカにするやからは、一生懸命なあなたに嫉妬しているだけです。
何かを必死に追いかける姿は美しいもの。
堂々とこれを追い求めてください。

特に「オタク」と呼ばれる人への視線は冷たいな~と感じることがあります。
生徒にもたくさんいましたが、趣味の話を始めると、みんな本当に楽しそうなんですね(笑)
よく”私にはよくわからない話”を延々と聞いてた思い出が懐かしいです(^^)

いじめ・ハラスメント

いじめやハラスメントは、最も差別的な人権侵害だと思います。
このどちらにも共通するのは、加害者と被害者の「意識のズレ」が大き過ぎることです。

特にいじめは昔から学校を取り巻く大きな問題でした。
いじめの構造や、対処法については、次回に書くつもりですが、
いじめに関する法律が施行され、社会の意識が高まっても、いまだ散発的に不幸な出来事が起こっている現状です。いじめは、事が大きくなって初めて「そんなつもりはなかった」「冗談だった」「遊びのつもりだった」「いじめられる方も悪い」…など、その重大さを軽視したまま事態が進行していく様を聞きますが、被害者にとってはこれが死ぬほどつらい経験であり、そのギャップに唖然とすることが度々です。

また体罰や性加害を含むハラスメントも、加害者側は「これくらい大丈夫だろう」と、案外軽い気持ちで行っていることが多いものです。

いずれも「自分がされたらどう感じるか?よく考えなさい」なんて指導をしても、加害者の意識が「これくらい…」というままでは全く心に響くことはなく、むしろ「なぜこんなことで怒られるのか?」という不信感と反感だけを買って終わることもあります。

「寝た子を起こすな」の意識を変える必要

高校で人権教育をすると、たまにある意見が、
「こんな”差別”を教えるから、偏見の目が生まれるのでは?」
「教えなければ、差別の芽も生えないのでは?」

というものです。

まだ若い頃の自分は、
「それも一理あるな…」
と思ったこともありますが、
経験を重ねるにつれ、「寝た子を起こすな」的な発想が、とても危険なことだと気が付きました。

こう感じたのは、部落問題を取り上げた時でした。
「こんなことを知らなければ、差別にはならない」
という声に、
「本当に知らないままずっと生きていける保証はあるのか?」
「逆に何かのきっかけで間違った知識を知ってしまい、意識ないままの”差別心”が芽生えることはないのか?」

と考えたら、私自身とても怖くなったんですね。
特に今はネット中心の情報過多時代ですから、差別的な情報を鵜呑みにしてしまって、
知らずに他人を傷つける危険性だってあるはずです。
そんなミスマッチを防ぐためにも、「寝た子を起こすな」的な発想は、とても危険なことだと思うようになりました。
これは学校や社会で正しい人権感覚をつけるためにも、絶対に避けてはならない問題だと思います。

無知は怖いのです。
だから我々は勉強を欠かしてはいけないのです。
人権感覚には常に敏感でありたいものですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は「いじめ」について記事を書く予定です。
ではでは、、、今日はこの辺で。

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