【性被害】について真剣に考えてみませんか?_性暴力は”魂の殺人”

危機管理
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。

今日のテーマは【性被害】について。

ジャニーズの「性加害問題」が連日ワイドショーを賑わせている昨今です。
加害者存命中にもくすぶっていた問題が、今になり一気に噴出した点に、割り切れない思いもありますが、そのまま闇に葬られることなく表面化したことは評価に値すると思います。

また先日発表された米タイム誌が選ぶ「次世代の100人」に、元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが選ばれました。
彼女は自身が経験した性被害を実名で告発した行動力が高く評価された、とのことですが、高校生だって痴漢などの性被害に遭う確率が高く、ごくまれに加害者となるケースもあります。

さらに近く導入されるであろう「日本版DBS」(子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないことを確認する新たな仕組み)など、性被害を防止しようという社会の意識が高くなりました。

私は過去に生徒指導を担当し、その被害防止に頭を悩ませたこともありますが、その時の経験等から、性被害は特に「本人の心がけや対応」が重要だと思っています。

被害に遭わないために、どんな心がけや対応が必要か?
また、
もし遭ってしまったらどう対応するのか?

そして【性被害】と一言でいっても、その内容は多岐に渡ります。

痴漢や盗撮、さらにデートDVやパパ活での被害、教師等大人からの性被害のニュースも後を絶ちません。

今日はそんなテーマを軸に、私が教員時代に経験したこと等を、2021年に上梓した下記著作より加筆修正してここに掲載します。

本記事は、かなりセンシティブな内容を含むとともに、17,000字を超える長文ですから、読み進める途中で気分が悪くなったら、無理に読まなくても大丈夫です。

とにかく私がただただ思うのは、

「誰も被害者にも加害者にもなってはいけない」

ということと、

そのためには、

「知るべきことがある」

ということです。

無理せず読んでいただければうれしいです。

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貫雪の著作はこちらからご覧ください

性犯罪・性暴力に関する相談窓口にリンクします

リスクマネジメント・クライシスマネジメント

危機管理には2種類あって、1つは「リスクマネジメント」
これは未然防止を目的とするもので、学校内では「貴重品袋の活用」や「教室の施錠」などがこれにあたります。

もう1つは「クライシスマネジメント」
これは危機は発生するものという前提に立って、その初期対応や二次被害を防ぐことを目的とする危機管理の手法を指します。
学校内では「避難訓練」などがこれに当たりますね。

他にも「化粧や頭髪の指導」「スカートを短くするな」と指導するのは、リスクマネジメント教育の1つであり、「救命救急講習」は、クライシスマネジメント教育です。

また東日本大震災時、防災マニュアルが形骸化していたため、咄嗟の判断を誤り余計な犠牲を出したところもあったと聞きましたが、これが“平和ボケ”のリスクです。

自動車教習所や免許更新時に聞く「だろう運転*ではなく、かも知れない運転*を心がけましょう」というのも、これと同じ危機管理能力の大切さを説くもので、いくら車の安全性能が向上しても、それを操作する人の心が伴わないと、ヒューマンエラーが誘発され、事故を未然に防ぐことはできない、ということを示しているのです。

*だろう運転=「大丈夫だろう」と事故は起こらない前提の心理でする運転
*かもしれない運転=「飛び出してくるかもしれない」と事故の可能性を前提とする運転

痴漢・盗撮被害

もう10年以上前になるでしょうか。
ある日、警察の方が学校に「こんなデータがあります」と言って来校されました。

それは学校の最寄り駅に女性警官が立ち、朝登校する女子生徒の数と、その中で「スカートが短い」と判断される生徒数の割合を示す一覧表でした。
(10年前はスカートを折って短くする高校生が多かったため)

「先生の学校は他校と比べてもその割合が高いので、性被害に遭う確率が高いと懸念されます。だから学校として、もう少し厳しく指導してください」

という内容でした。

生徒が痴漢や盗撮といった性被害に遭うと、学校では同性の教員が話を聞き、警察と教育委員会にその被害を報告します。
警察は必要と認めたら、鉄道警察隊や女性警官が電車に同乗し、パトロールを強化して、事件の未然防止に努めます。
しかし警察の力だけでは限界があるので、学校としてもその指導を強化して欲しい、というわけです。

もちろんこんな依頼をされたらこちらも力を入れて指導に当たりますが、いくら危険性や予防策を訴えても、“流行”や“平和ボケ”が邪魔をして、当時なかなかこれが改善されることはありませんでした。

しかし実際に被害に遭った生徒は深く傷ついていることが多く、中には保健室やスクールカウンセラーのお世話になる生徒もいる一方で、
「減るもんじゃない」と開き直ったり、駅の売店で盗撮被害に遭った生徒も「ドラマのようでかっこよかった‼」と、その逮捕劇を語ってくれる生徒もいましたが…、どこまで本心で言っているのかはわかりませんでした。

最近はLGBTQの生徒に配慮し、女子=スカートという制服の固定概念が失われつつありますが、これは盗撮被害を防ぐためにも有効だと思います。
これからは大学生の就活のように、スカートでもパンツでも好きなスタイルを選べるようにすればいいと思います。
また(地域によって違うのかもしれませんが…)ひと昔前に比べ極端に短いスカートは見られなくなりましたし、制服や体操服も下着が透けない素材が使われるようになったこと、さらに盗撮防止のためスカートの中で重ね着をする生徒も増えた、と聞いたこともあります。

さらに電車内等での痴漢被害に有効だと話題なのは痴漢抑止バッジです。

画像引用元:【画像】痴漢許さぬ!女子高生らデザインをバッジで商品化

これは高校生の90%以上がその「効果」を認めている被害抑止の最強ツールです。
もちろん「私だけがつけるのは…」と、これに迷いが生じるかもしれませんが、周りにも呼びかけて、一人でも多くがこれに賛同し装着すれば、心理的なハードルも低くなるし、被害者も加害者もさらに減るはずだと思います。

家を留守にする際は、当然のように施錠するように、
まず性犯罪被害に遭わないためには、自己防衛のための危機管理意識と実践が必要なのです。
詳しくは下記サイトもご覧ください。

一般社団法人 痴漢抑止活動センター
缶バッジで痴漢を未然に防ぎ、子どもを性暴力から守る社会を実現!

デートDV

DVとは「ドメスティック・バイオレンス」の略で「夫婦やカップルなど親密な関係にある相手からの暴力」をいいます。
被害者の多くは女性ですが、時に反対のケースもあります。

そして暴力と言っても単に「殴る蹴る」という身体的なものに限定せず、特に高校生が被害者となるデートDVは「社会的DV」といって「スマホをチェックされ行動や交遊制限を強制する(という暴力)」が最も多い、という報告もあります。

周りから言わせれば「なんであんな奴と付き合うの?」とか「嫌なら別れるべき」「スマホ見せなきゃいい」とあしらわれることも多いデートDVですが、時間とともにこの「支配」が「愛情」だと正当化され、そう思い込ませることで別れようにも別れられない(抵抗できない)心理状態を作り出す点がその問題の深さです。

こうなると周囲も手を貸せなくなり離れていくので、被害者はますます孤立して、孤独感を強くするのです。そして無理に別れようとして対応を誤ると、加害者がストーカー化して、さらに長期的な被害を受ける可能性もあります。だからこそ、デートDVの解決には専門家の相談窓口で相談するのが最も有効だということを知り、勇気を出して扉を叩いてください。

また下記サイトや私の過去記事にもデートDVについて詳しい内容が書かれていますので、併せて参考にしてください。

交際相手からの「デートDV」の特徴、大人のDVとどこが違う?
配偶者や交際相手など、親密なパートナー関係の中で起きる暴力を「DV」と言いますが、一緒に暮らしていない交際中のカップルの間で起きるDVを「デートDV」と言います。女性の5人に1人に被害経験がある「デートDV」の特徴について解説します。

教師からの性被害

私は本稿を執筆するにあたり、最も強く訴えたかったことが、
以後に書く「教師による性被害の実状」でした。

今回なぜこのテーマにこだわったのかというと、

「私の親しくする元同僚が、過去に生徒へのわいせつ行為で重い処分を受け」
「その後も彼と長く交流を続けている」

からです。

ここでは彼を「A先生(仮名)」として、彼がこれまで私に語ってくれた内容や思い、彼のその後や気持ちの変化、さらに私(貫雪)自身の思いや被害者心理についての考察…等を記録として書き残します。

またこれはA先生(現在は服役を終え出所)の「願い(後述)」でもあり、同時にこれをブログ化する旨了解を得ていることを、まず皆様には申し上げておきます。

この記録は、教職を離れた私たち二人に共通の思いとして、学校現場でこのような悲劇が今後繰り返されないことを強く願い、全国の先生や生徒へのメッセージとして伝えようと思ったものです。

当然ですが、個人が特定(推測)できる情報はこれを一切省き、またそのために必要な脚色を加えて記述したところもあるので、一部曖昧な表現も含みますが、何卒ご了承ください。

不祥事を知ってしまう

201□年8月某日、猛暑日となった夏休み。自宅で寛ぐ私のスマホにA先生からの着信。

貫雪 「もしもし」

A先生「あ~樹乃先生…、ちょっと聞いて欲しいことがあって…」

貫雪 「なに? 先生も体調悪いんだって? 具合はどうなの? 復帰はいつごろ?」

…確かそんな会話で始まった電話でした。

A先生は絞り出すような声で、

  • 数日前から自宅待機を命じられていること。
  • その理由が、自校生徒へのわいせつ行為で、先日これが発覚し、保護者が教育委員会に訴えたこと。
  • 教育委員会に校長とA先生が呼ばれ事情聴取を受けたこと。
  • それと並行して被害生徒からも状況を聴取し、現在は処分が出るまで自宅待機をしていること

…等を話してくれました。

A先生とはこれまで複数校で同僚として教育に携わるとともに、趣味の釣りや旅行、そして大好きなお酒を飲みながら仕事からプライベートまで何でも話せる唯一無二の存在でもありました。

周辺からは「最近体調を崩している」と聞いていたし、LINEを送っても既読にならなかったので「かなり悪いのかな?」と心配し、せめて夏休み中は連絡を控えておこうと思った矢先のカミングアウトでした。

私はこれを聞いて最初は状況を正確に理解することができず、頭が真っ白になりました。

「貫雪先生にはこれまで本当にお世話になったから…」

というA先生は、本当に苦しい胸の内を、私だけに明かしてくれたのです。

「わかった。これからも話くらいは聞くよ」

「少し楽になったよ」

と交わして電話を切りましたが、しばらくは現実を受け入れられず、自分にできることは何だろう?とただぼんやり考えるだけの毎日でした。

事件の概要

A先生はある運動部の顧問を長く務め、その世界では有名な先生でした。
専門部の強化部長や審判部長などの要職も歴任されていたように記憶しています。
A先生自身も学生時代から選手として、全国大会に出たこともあると伺ったことがあります。
私の部活運営のノウハウも、彼の助言によるところが大きく、
私自身が部活指導を本気になって頑張れたのも、彼のおかげだと感謝しています。

被害生徒をBさん(仮名)とし、不祥事の概要をここに記します。

BさんはA先生が顧問を務める部活の生徒でした。
入部後早くからめきめき頭角を現した彼女は、周囲からも一目置かれる存在であり、A先生も「大切に育てたい」と思いを強くする生徒だったはずです。
入部後1年ほど経った頃から、彼女は将来の進路に悩み始め、

得意教科を活かせる方面への進学か?
部活動での実績を武器に推薦を狙うか?
に迷う日が続きました。

これを得意教科担当でかつ顧問だったA先生に相談するのは自然な流れです。
最初はLINEでの相談でしたが、しばらくするとこれだけに止まらず、部活後の校内でお互いプライベートな話もする関係になったそうです。

Bさんのご両親はとても忙しく、大好きだった姉も既に自宅を離れていたため、一人で食事をすることも増えた、とのこと。

またA先生は、家庭を顧みないタイプで奥さんとの折り合いも悪かったため、そんな二人がこのような(プライベートな話をする)関係になった…ところまでは私にもまぁ理解ができます。

しかしその後、休みの日にも校外で二人密会するようになり、ある日ついにA先生は一線を越えてしまった…というのが私の知る概要です。

そしてこれが何度か繰り返されたある日、Bさんはこれを両親に相談して事件が発覚したのです。

A先生の主張とその後

A先生は電話口で静かに

「私に好意を示す言動が何度もあったから、Bさんはこれに同意していると信じた」

と言います。

もちろんこの言葉に嘘はないと思います。
A先生がもし「(Bさんが)嫌がっていることを知りながら」行為に及べば、
その後の自分やBさんがどうなるかくらいは、容易に想像できる人だと思うからです。

つまりA先生は、彼女の“好意的な言動”と“全く拒否されなかった”ことを「同意」と信じ、妻子ある身にも拘わらず一線を越えたのだと思いました。

私はこの言い分を聞き、「それでも何で!?」とA先生を問い詰めたことがあります。

A先生は、

(競技の)才能があり、自分の悩みも受け止めてくれるBさんが“特別な存在”だった。会った後はお礼のLINEも来たので、彼女もこれを否定していないと思った」

と話し、さらに、

「だからバレないとも思った」
「自分の権力で服従させた認識は全くない」
「しかし被害者やそのご家族に深い心傷と悲しみ、怒りを与えたことに、今は大変申し訳なく、深く反省している」

…とも加えました。

私は「こんな危険な橋を自身の教員人生を賭けてまで渡るものじゃない」とさえ思いましたが、

「恋は盲目」

とも言います。他人の感情を全て理解しコントロールすることは不可能だとも感じ、私はやり切れない無力感を覚えました。

A先生はその後「懲戒免職」となり、およそ1,500万円以上あった退職金は消え、教員免許も剥奪されました。

処分の翌日には名前こそ伏せられましたが、新聞やニュースで報道され、多額のローンが残る自宅も売却を余儀なくされた上、奥さんとも離婚が成立。さらに娘さんは体調を壊してしまい、いまも療養が続いているそうです。

また教員免許状が失効したことを公告する官報と、懲戒免職のニュースが何者かによって紐付けされ、これがネットに上がったことで、病気療養のための休職(=被害生徒の心情に配慮しての措置)と知らされていた私以外の同僚も、その真実を知ることとなってしまいました。

そしてこれをきっかけに、被害者を絞り出すことも容易になったのでは?という恐怖も感じました。

この一連の流れは、その都度A先生からかかってくる電話でそれを知り、私は彼の泣き言をずっと聞き、励ましていたのです。

2020年、教員の不祥事が「官報に不掲載」というニュースを耳にしましたが、その目的はこういった「二次被害」を防ぐためだったのでは?という思いも持っています。

もしそうだとすれば、これは法律が時代に追いついていない一例なのかもしれません。

そしてA先生はその後警察に逮捕され起訴。

裁判でも「教師と生徒という関係で、その立場を悪用した」と断罪され、実刑判決を受け服役。
(現在は刑期を終え出所されています)

実刑となったのは、保護者の失望と処罰感情が相当に強く「示談」が成立しなかったためです。

私もその後病状が悪化し退職を余儀なくされましたが、A先生とは電話に代わり、月に一度ほど手紙のやりとりをする関係がずっと続きました。

その中で

「この事件の教訓を今後の再発防止に資するための啓蒙活動としたい」

と申し出したのは、A先生からでした。

ある日の手紙には、

「(前略)…このような事件が現在も後を絶たず、さらに大きな社会問題となっていることを、最近入所した受刑者から聞いた。これだけ教員の綱紀粛正が叫ばれる現在においても、なお私のような不幸が繰り返されるのか? これを聞いて、単に形だけの研修で“わいせつ行為が免職”だと脅すだけでは、この実態がこれからも大きく変わらないのでは?という思いを強くして私は今この手紙を書いている。どうか1日も早く、こんな私をよく知る君には、加害者である私の代弁者として、そのリアルな実状を社会に届け、再発防止を訴える役目を担って欲しい。さらに被害者の心情にも配慮した(貫雪)先生自身の思いも同時に発信して欲しい。誠に勝手なお願いだとわかっているが、よろしく頼む…(後略)」

原文のまま(カッコ内は貫雪)

こんな私も元教員ですから、A先生の強い思いと贖罪の意は十分伝わりました。

これを機に私も学校で起きる性被害(スクールセクハラ)根絶のため、この事実と彼のその願いを発信しようと決意したのです。

そしてこれを語るには加害者の言い分だけでなく、被害者の心理も深く考察する必要があると思いました。
なぜなら、性被害には今もなお「多くの誤解や偏見、思い込みがあること」「その後に起こる二次被害が甚大」だという現実を知ったからです。

これはA先生にはもちろんのこと、今教壇に立っている全ての先生や、全ての生徒たちに伝えたいと思う内容です。

被害者心理を理解することの重要性

“いじめ”や“体罰”と同様、またはそれ以上に“性加害”は大きな「人権侵害」だと思います。

特に「教師と生徒」「上司と部下」といった上下関係で発生する性被害は、被害者が拒否・抵抗しにくい状況でもあり、さらにこれが水面下で進行するため、被害が表出しにくく長期化する傾向があります。

私たち教員は、定期的に不祥事根絶のための研修を受けています。
その中で特に強く言われるのが「飲酒運転」と「児童生徒へのわいせつ行為」についてです。

私の元職場では職員会議後に20分間程度、管理職が資料を配りそれを読み上げる形でした。
ただでさえ多忙な教育現場には、その時間すらもったいない、という空気がありますし、多くの教員は「またか…」といった表情でそれを聞いています。

資料には新聞記事のコピーで過去の不祥事を紹介し、その裏面には事案毎の懲戒基準一覧表が刷られています。
時には給与と退職金を合計し「これだけの額(億単位)を捨てることになる」といった表を見たこともありました。
私もこれを見て「大変だな」と他人事のように聞いていた覚えがあります。

しかしこれらは全て「自分がこれだけ損をする」という教師基準での脅し文句であって、これにより「被害者の心理や今後の人生がどうなるか?」という考察にまで及んでいるものはありませんでした。

これも“体罰”や“校則”と同様、罰を以て服従させるといった方向のみならず、その

「被害や影響の大きさ」
「被害者の複雑な心理」

という本当に理解し憂慮すべき点(=なぜいけないのか)を「納得」させ、これを抑止力とする研修が求められます。

私がA先生の事件を聞いて考えたのは、まさにこの視点でした。なぜこの視点を持ったかというと、今回の事件には、次のような私にも理解しづらい一面があったからです。

  • 被害生徒(Bさん)が被害を受けた後に「お礼のLINEを送っている」点
  • BさんがA先生の呼び出しを断らずに応じていた点
  • BさんがA先生に対し恋愛感情があるようなアピールをしていた点

この3点は、A先生が電話の中で「同意」を信じた根拠として挙げたものですし、私もこれを聞き「同意の有無」をすぐに否定できませんでした。

しかしBさんはこれを繰り返した後、保護者に相談し事件が発覚したことを考えると「彼女には“同意”があったのだろうか?」という疑問も芽生えるのです。

もちろん時間とともにBさんの気持ちが変化していった可能性も考えられますが、Bさんの表面的な言動だけを切り取れば「恋愛感情があった」と誤解されても違和感はない…とも感じたのです。

この点に私は拭いきれないモヤモヤを感じ、

もしかしたらもっと深いところに隠れた深層心理と、表面的な言動との“ギャップ”があるのでは?

という疑問を持ちました。

 ネットで検索すると、多くのホームページにこのことが述べられていました。いくつかのサイトを閲覧した中で、私が最も衝撃を受けたサイトから、その記事をここに引用します。

【高まっている被害者心理理解の必要性】

私自身が読んで非常に勉強になった、「性犯罪の被害者心理への理解を広げるための全国調査事業報告書」をご紹介させていただきます。

これは、NPO法人日本フェミニストカウンセリング学会の調査グループが調査を行い、性犯罪被害者のケアにあたっているカウンセラー30名から得た回答を分析したものです。

この調査は、性犯罪被害者の心理状態やその後遺症について、裁判関係者を始め一般の人達の理解を深める必要性から行われたものです。最近、性犯罪事件では、「被害者の行動として到底納得できるものではない」等の理由から、被害者の供述の信用性が否定された結果、無罪判決が多く出されています。従って、裁判所に被害者心理を理解してもらう必要性は、ますます高まっていると言えます。

例えば、加害者が、勤め先の上司や大学・大学院の指導教授、中学高校の教師等、被害者に対して優越的な立場にあれば、被害者は拒否したり逃げたりすることが難しく、被害が継続し易くなります。ですが、裁判所では、「被害の継続に鑑みれば、被害者の同意があった可能性が排除できない」等と判断されてしまいます。ですが、拒否できないことと同意は、根本的に違います。

被害者から見れば、加害者の意に反すれば、首になったり研究室を追い出されたり、不利な評価を受けて昇進・昇給や研究職のポストの獲得が困難になったりすることは容易に想像がつきます。そのため被害者は、会社や学校等に対して声を上げることはせず、加害者が自分の気持ちに気付くようそれとなく意思表示をしたり、あえて加害者に近付き、加害者の言動のコントロールを試みたり、加害者と円満な関係を保ちつつ、話合で決着をつけようとしたりします。ですが、加害者は、それらの被害者の行為を逆手に取り、さらに加害行為を継続しますので、悪循環に陥ってしまいます。

【多様で個別具体的な被害者の心情がわかる】

この報告を読んで、私が特に理解されにくいと感じた被害者の行動は、被害を受けた後にお礼メールを送ったり、加害者からの呼出に応じて自ら加害者のもとを訪ねたり、加害者と恋愛関係にあるかのようなアピールをしたりといったものです。ですが、お礼メールには、加害者との関係の悪化を防止し、「尊敬」しているとアピールして、性的な関係になりたくないことを伝える側面があります。

また、呼出に応じるのには、加害行為を認めさせて謝罪をさせ、加害行為によって打砕かれた自らの尊厳を回復させる、あるいは、加害者が何をするか分からないため、接触の機会を増やして加害者の行動を監視する、加害者と会う時間や場所等を多少でも自分に有利なものにするという側面があります。

加害者が既婚者の場合や、上司や教育関係者等、被害者との性的な関係が不適切な場合には、恋愛関係のアピールにより、加害者の妻が怒ってきたり、会社や学校から指導を受けたりして、強制的に加害者と離れられることが期待できます。

被害者の行動は、表面上は非常に多様で、意図や目的を理解しにくく、場合によっては、「不自然]「不注意」等と言われかねないものですが、被害者の心理を正確に理解できれば、このような誤解は少なくなるでしょう。

厚生労働省も、平成23年12月に「心理的負荷による精神障害の認定基準について」という通達において、セクハラの被害者が、加害者に迎合するメールを送ったり、加害者の誘いに応じたりしても、これらはセクハラ被害を単純に否定する理由にはならないこと等を明示しています。

社会の意識を変えることは、一朝一タにはできませんが、この調査は、多様で個別具体的な、被害者の生の心情を明らかにしてくれます。

引用元:女性共同法律事務所(大阪)ニュースレターより引用 *太字は貫雪

これを目にした私は「A先生の再現か?」と思うくらいリアルな描写に驚きました。

しかしこの記事が書かれたのはA先生事件のずっと前ですから、これを題材に書かれたものではありません。

そしてこのニュースレターの目的は「裁判関係者を始め一般の人達の理解を深める必要性」だと書かれています。

これが意味することは「性犯罪被害者の行動や心理にはまだまだ誤解や偏見が多く、このことで被害者はさらに苦しみ続ける、という現実にメスを入れ、世に知らしめんとする」記事でもあります。

そして、本当に意義ある研修は、

自身が被る処分の重さに加え、被害者のこういった複雑な心情を知ることで、性犯罪が“魂の殺人”とも称される罪の重さと影響力を理解し、これを“納得”して自己の抑止力と再発防止の意を強くするために行われるもの

との思いを強くしたのです。

二次被害の怖さ

ですから、性犯罪は被害者がその場で受けた苦痛だけではありません。

A先生が突然学校から消えたことで、部活動の運営や授業、校務分掌で大きなしわ寄せが生じてしまいました。
せめてもの救いは、事件の発覚が授業のない夏休みだったことくらいです。

また学校関係者には(被害者心情への配慮から)「病気による休職」と聞かされていたこともあり、被害者は「これが自分に関わること」など口が裂けても言えない状況でその後も学校生活を送ることになりますから、その辛苦は筆舌に尽くしがたいものだったと想像されます。

もし部活内で「先生にお見舞いの手紙を書こう」等の話になれば、そういったことへの対応にも苦しむはずです。

ネットニュースのコメント欄に多い「実名を出せ」という怒りの声に反論すれば「これは加害者擁護のためではなく、被害者の特定を避けるための措置=ネットに上がった記事をきっかけに興味本位の噂や怪情報で、被害者が二重三重の二次被害を被る可能性を排除するため」という配慮があることを理解する必要があります。

さらに被害生徒の心に残るのは「被害行為により汚された負の感情」に加え「警察等に詳細を供述する辱め」さらに「自分の弱さ」や「家族への懺悔と悔悟」また「慕っていた先生やその家族の人生をも崩壊させた」こと。

加えてBさんの「受験対策」や「進路決定」にも大きな影響を与えることにもなったはずであり、そんな何重もの十字架にも苛まれ、自尊心に大きな傷を負ってしまうこと…
こういった「二次被害」に苦しむ将来を憂慮し、大ごととなることを恐れ二の足を踏むから、被害の発覚は「氷山の一角」だと言われるのではないでしょうか。

そんな思いが、彼女自身をも責める自責の念トラウマを一生抱え、癒えない傷を心に背負いながら生きていかなければならないのです。

また保護者の気持ちを察すれば、愛娘が相談してくるまでこれに気付かず、その間も人知れず苦しみ続けた我が子の心痛を見逃してきた、と保護者自身もずっと自分を責め続けることにもなるはずです。

同様に“いじめ”や“体罰”も、この「二次被害」で長く苦しむ人は、相当数に上ることでしょう。

いじめ、体罰、性被害は「被害者の気持ちを想像しない」ところで起きる重大な「人権侵害」という点で共通しますが、特に“性被害”には、先に挙げた周囲の誤解や偏見による二次被害があまりにも大きく、被害者に深い傷跡を残す結果となる”魂の殺人”となることを、さらに多くの人が理解する必要があります。

そして表出する被害が「氷山の一角」とも言われるように、被害に遭っても泣き寝入りでこれを言い出せないことに苦しむ被害者も、多いだろうと思われるのです。

学校の先生方へ

私は本書を執筆するにあたり
スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか (池谷孝司著_幻冬舎文庫)
という本も読みました。

ここには先に述べた被害者心理とともに、学校組織や教員および教員間心理の特質や問題点、さらに加害者の心理や被害に至る権力構造を、実在の加害者と被害者の両者に取材し執筆されたもので、画期的な一冊だと思い、何度も読み返しました。

そして一人でも多くの先生方に本書を読んでもらい、今後こういった被害者も加害者も出さない安全で安心できる学校を創り上げて欲しいと願うばかりです。

私が教員になった若い頃は「卒業生と結婚した先生」が周りにたくさんおられました。私もそんな先生の一人から「貫雪先生、結婚相手は卒業生がいいよ」と言われたこともあります。

「どうしてですか?」と聞く私に
「これだけ多くの生徒と接したら、本当にいい子がいるから…」という理由でした。

若い頃は、生徒から告白されたこともあったので、卒業生と結婚するのは珍しいことではない、という感覚もありました(ちなみに私は卒業生と結婚していません)。

しかし時代は大きく変わりました。昔はどこでも吸えたタバコが厳しくなったように、社会的弱者の人権がより尊重され、権力の乱用や隠蔽が許されない時代になりました。

これはネットの影響も大きいし、それだけ社会が成熟した証でもあります。

そしてネット社会と防犯カメラの普及で常に発信や監視が可能な現代は、より一層社会規範の遵守が求められる時代でもあるのです。

A先生は裁判前に弁護士から言われた言葉を私に教えてくれました。

「弁護士やカウンセラーは、どんなに頼られても、仮にお互い好意があったとしても、クライアント(相談者)とそれ以上の関係になってはいけない。教師と生徒も全く同じ関係が求められるし、それが最低限の“信用”となる仕事なのです」

と…。

今の先生方に私(貫雪)が願うのは、教師として自律しその職責を全うする、ということに尽きます。

特に生徒への性加害は100%教師のあり方が問題ですし、体罰よりも確実に懲戒免職に処せられる現実が、“信用失墜行為”としてその責任の重さを示しているのです。

さらに近年社会的に教員への風当たりが強く、学校現場では生徒や保護者に必要以上に気遣いをする場面も見られます。

モンスターペアレンツの対応に、私もメンタルがボロボロになったこともありました。
だから「自身が権力者」だという自覚がない先生も多いと思いますが、生徒から見る目はまた違った視点なのです。

自分が生徒からどう見られているか?
自分の存在や言動がどんな影響力を与えているか?
また児童生徒へのわいせつ行為が被害生徒にどれほど深く重い心傷を与えるか?

ということを、常に生徒の立場に立って考えられる思いやりと自制心ある先生であって欲しいと強く願います。

もし被害に遭ってしまったら

報道によると「2021年度にわいせつ行為やセクハラをして処分された公立小中高校などの教職員が215人いた」とのこと。このうち「児童生徒に対するわいせつ行為での処分は半数近い93人に上った」とあります。

しかしこの数字は「氷山の一角」ともいわれます。

実際は被害に遭っても、それを誰にも言えず一人抱え込むことも少なくないからです。

2020年「25年以上前の性被害を告訴し調査が開始された」という記事を見ましたが「それでも告発する勇気があるのはすごい」というコメントが、水面下で泣き寝入りする被害者の傷の深さや数の多さを物語っていると思いました。

また「25年も経って何で今ごろ!?」というコメントもありましたが、性犯罪はこれほど長く被害者を苦しませる重罪だ、との認識が社会にはまだ浸透していないことを意味する無理解な発言とも思いました。

なおこの先生は2021年1月懲戒免職処分となったことを付記しておきます。

話は逸れますが、実は私自身も過去に性被害に遭ったことがあります。
15年くらい前の話ですが、同僚だった年配の先生(同姓)から、飲み会の度に太ももの上に手を置かれ、辺りを触られ、卑猥な言葉を何度も投げかけられました。

相手は大先輩だったので、最初は「止めてくださいよ~」程度でしたが、収まらないのでこれが「止めろ」となり、一度だけ酔った勢いで「○ね!」と怒鳴ったことも…。
この時はタクシー内でこうなったので「降りてくれ!」と運転手から怒られてしまいました。

飲み会では入室時が勝負で、絶対に横に座らないようにもしたし、これを同僚も知っていたので、わざと話のネタにして牽制していたら、そのうちハラスメントは無くなりました。

つまりこっちが本気で嫌がっている、というアピールを先輩後輩気にせず訴え続けたことが功を奏しました。

もちろん生徒の立場でこれをするのは、さらに抵抗も大きく難しいことはよくわかります。

しかしこれはやらねばなりません!

何故かというと、加害者側は「自分の立場や権力を利用している」という意識が薄く、A先生のように本当に「同意」がある、と思い込んで行為に及ぶこともあり、加害者が自分の加害行為そのものを認識していない、と考えられることもあるからです。

被害者と加害者の意識に大きなギャップがあれば、我慢と沈黙だけではこれが長期化することは目に見えています。

だから勇気を出してLINEや日記等の“記録”を残し、はっきりと自分の気持ちを伝えてください。

もしその後も加害行為が続けば、さらにより重い罪となる可能性もあります。

もちろん面と向かっては伝えにくいと思いますから、可能であればメールやLINEで伝えることを最初のステップとしてはお勧めします。

しかしただ「いや」と伝えるだけでは、うまく伝わらない場合や、逆恨みされる等の危険性もあって難しいところですが、
一方で毅然とした態度が求められる場面でもあります。

そのために盛りこむ内容の一例として、

・先生の行為が、私にとっては「耐えがたく」「拒絶しにくい」ものであること

・しかし先生として(信用/尊敬/頼りに)していること

・だから今後はこのような行為を絶対にしないで欲しいし、また今後どうしても二人で対面する必要が生じたら、これを録音録画した状態でしか会わないこと

・証拠はあるので、まず行為に対して“謝罪の意”があるならそれを示し、どのような責任がとれるかを明示して欲しい

・以上の改善が見られないと判断した時は、それなりの措置に出るということ

…こんな内容を盛りこんで送れば、送信履歴にも残るし、先生をただ一方的に非難しているわけでもなく、以後99%の被害は防げるはずです。

先生から「これは脅しか!?」「証拠を見せろ」と逆ギレされたり「無視」されたら、これを「証拠」に迷わず親や警察、関連団体に相談しましょう。

また先生から「真摯な謝罪と反省」があり、それを受け入れられるなら、これを「証拠」にしばらく様子を見る、という手も考えられますし、責任のとり方を切り出すのは、先生がこれにどう反応するかで、その本意を見極めるという目的もあります(伝え方を誤ると強要罪にもなるので注意してください)。

責任のとり方は「慰謝料」や「自首」「速やかな辞職」だけではありません。

「早期の依願退職を約束する」「次年度の強い人事異動希望を出すことを約束する」…という方法も考えられます。
とにかく被害者自身のトラウマと二次被害が最小となる責任のとり方が求められます。

そしてこれにより成績や調査書、さらに学校生活で不利になることは絶対にありませんので、安心してください。

 A先生は「仕事」「地位」「名誉」「財産」「家族」「自宅」「人間関係」さらに逮捕~実刑判決~収監による「時間」、そして周囲の「信用」…彼は命以外の全てを失い、出所後は「前科」と「被害賠償」「前妻への慰謝料」をも背負う立場となります。もちろん加害者だから当然の報いだ、との声を私は否定しません。

しかし誤解を恐れずに申せば、被害者心情の保護や二次被害防止を最優先とするためにできる解決法には、厳罰や制裁以外のステップが無いのか?とも思ったりするのです。

本記事を目にした読者の中に、もしこんな被害に悩んでいる人がいたら、これを機により心理的負担の少ない解決策を模索するきっかけとしていただけると幸いです。

私はただ、

A先生のような加害者も、Bさんのような被害者も今後出してはいけない

と強く願うばかりなのです。

A先生からの手紙

この原稿は(服役中だった)A先生にも目を通してもらいました。そして先生からその返信が来たので、最後にこれを紹介しておきます。

「(前略)…貫雪先生、原稿ありがとう。私はこれを拝読し、しばらく涙と嗚咽が止まらなかった。特に被害生徒の心情を多角的な視点から考察し、これを詳細に描写したところに、私は改めて自分の犯した罪の大きさを噛みしめて、胸が締めつけられる思いだった。私の服役はまだ続くが、この反省の気持ちを忘れず刑期を全うして、出所後は正しく社会生活を送り、賠償に努める覚悟を改めて強くした。(中略)…これは私の勝手な思いだが、被害生徒の今後の人生がより実りあるものとなることを強く願うとともに、このメッセージが一人でも多くの先生や生徒の許に届き、事件の再発防止に寄与することを獄中から祈っている。そして貫雪先生自身もリハビリに勤しみ、今後も明るく健康的な生活を送ってくれるよう祈念していることを最後に申し添えて、私からの感謝としたい。本当に本当にありがとう。そしてこれからもよろしく頼む。…(後略)」  ○月○日 ××刑務所内 (A先生実名) 

その後

A先生はその後しばらくして刑務所を出所。
現在は学校から遠く離れた地方に移り住み、細々と暮らしながら賠償を続けておられます。

お互い教職から離れたので、出会う機会はめっきり少なくなりましたが、先日久しぶりに再会し、夜遅くまで飲みながら互いの近況などを話し合いました。

私のブログも「時々目にしてる」と言ってくれたついでに、ジャニーズの性加害問題もあって、
「君のブログに記事を載せられないか?」
と依頼されました。

Bさんのその後がどうなったか?
お互い知る立場ではありませんが、私の聞いた限りでは、無事高校を卒業し専門学校?に進学したらしい、とのこと。

これを知ったA先生は改めて、
「Bさんには本当に悪いことをした」
と、悔悟の念を滲ませ、
「彼女には本当に幸せになってもらいたい」
とも語っておられたのが印象的でした。

そこで先ほどの会話になったのですが、我々は学校で直接生徒に語りかけることができない立場ゆえ、拙著とともにこのような形でも発信し、被害撲滅に向け啓発を深めよう、と決意をした次第です。

おわりに

長文の記事をここまで読み進めてくれたみなさん、
途中気分が悪くなったかもしれませんが、いろいろと考えることがあったのではないでしょうか。

私的にかなりの衝撃だったこの体験を、本ブログでこれまでオープンにしなかったのは、自分自身にも多少の抵抗があったからです。
だから今回の公開も最初かなり迷いました。

しかしジャニーズをはじめ、性加害(被害)問題に関心が集まる昨今です。
推しにはかなりショッキングなニュースのはずですし、高校生は痴漢などの性被害に遭う可能性も高いのと、A先生の強い希望もあり、本ブログでの公開に至りました。

とにかく公開の目的は、

被害者も加害者も出さないこと

であり、

そのためには、

「知るべきことがある」

ということなんですね。

しかし「性」に関する悩みは他人に相談しにくく、一人抱え込むことが多いものですが、
人間一番のリスクは、

無知

なのです。

「そんなつもりはなかった」のに、いつの間にか「加害者」になっていることがあります。
いじめなどはその典型かもしれません。
そしてこれは何をしたら加害者になり得るか?を知らないこと(無知)で起こる悲劇です。

逆に被害に遭ってもどうすればいいかわからず、一人悩みを抱えるのも「無知」が原因です。

とにかく「イヤだ」と感じたら、はっきりと「拒否」してください。
自分の意思をしっかり勇気を出して伝えてください。
それ以後の関係を気にするより、今の自分を守ることを最優先にしなければいけません。

あなたが本当に愛する人以外、絶対に見せたり触れさせてはいけない部分があることを知ってください。

これが性被害を未然に防ぐリスクマネジメントなのです。

それでも被害に遭ったら、先ほど書いた対処法の他に、相談窓口がたくさんあることも知ってください。
友だちや親、先生…など、あなたの悩みを理解し、話を聞いてくれる人はたくさんいるはずです。
絶対に自分一人で抱え込んではいけません。

さらに下記のような相談窓口が日本中にたくさんあることを知ってください。

性犯罪・性暴力に関する相談窓口にリンクします

これが不幸にも性被害に遭ってしまった際のクライシスマネジメントなのです。

そしてこのような不幸が二度と繰り返されないことを願うばかりです。

かなりの長文になりましたが、
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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