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高1のみなさんは、入学して半年が過ぎました。
当初の緊張もほぐれ、通学や高校生活にも慣れてきたでしょう。
今日は高校1年生向けに「学習」のお話です。
タイトルにもあるように、高校の学習はこのあたりからが本格的になります。
…ということは、成績で差がつき始めるのも、この時期からが多いです。
学校によっては授業のスピードも早くなり、自宅学習が追い付かない生徒も出てきます。
このブログでは学習に関する記事もいくつかありますので、過去記事と関連付けて読んでいただけるとうれしいです。
高1クライシス(高1ギャップ)
高1クライシス(高1ギャップ)とは、高1になって中学とは違う環境下で起こる「不具合」を総称した語です。Crisisは「危機」という意味です。
通学が遠くなることによる疲労、新たな人間関係による躓き、また高校が学力レベルの近い生徒の集合体であることから、校内順位が大きく変動して自信を失う…など。
高校に入って多少の自信を失うことは誰にもありますが、これが高じると「不登校」になってしまうことも…。
今日は特に「学習面」に絞って、この時期以降に起こりやすくなる高1クライシスへの対応を考えます。
不登校については別に私の過去記事もご参照ください。
学習面での躓き…その原因は?
高1生の授業は、2学期から難しくなります。
高1前半は「中学の復習」的な内容を含んでいましたが、この時期以降は「新しい単元」に入る教科が多いからです。
ここで授業に「出遅れるか?」「ついて行けるか?」にはいくつかの要因があります。
授業で躓きやすいタイプは以下のような生徒です。
- これまでの授業を舐めていた
これまでの復習的内容を高校の授業と思い込み「意外に簡単」と舐めているタイプ。
中学の復習は、高校授業の土台を固めるために行っています。
ここが曖昧なまま新しい単元に入って一気に乗り遅れるのです。 - 高校の授業の進度について行けない
高校は同レベルの生徒が集まっているため、特に進学校では、中学とは比較にならないほど授業の進度が早いもの。中学と同じ感覚で家庭学習をしていると、一気に乗り遅れてズルズルと下位に…。 - 夏休みに気が緩みすぎ
昨年とは違う「の~~んびりした夏休み」を終え、その間に1学期の内容をすっかり忘れてしまうタイプ。こんな状態で新単元に突入し、一気に自信を失うケース。 - 部活や通学がしんどくて家庭学習を後回しにする
部活も秋季大会を前に本格的となり、疲れが取れない毎日。ついつい家庭学習を後回しにして借金が膨れ上がり、首が回らなくなる。 - 高校入試後の家庭学習がほぼゼロ
入試前は必死で頑張ったのに、志望校に合格後急に「安心」して何もやらなくなるタイプ。
気がついたら前を走るランナーの姿すら見えないことも…(;’∀’)
2学期以降の授業についていくには
生活リズムの確立
高校に入ってから長くなった通学時間や部活動、今までと変わらない食事や入浴時間を考えて、生活リズムをどう組み立てていくか?を考えましょう。
起床時間も中学より早くなりますが、これに慣れるよう、休みの日もなるべく同じ時間に起きること。
就寝時間は同じにできないと思いますが、遅くても○時までには布団に入る、と決めておきます。
睡眠時間はなるべく削らないようにしましょう。
とにかく通学や部活動、塾など必要な時間から”規則正しい”生活リズムを確立し、これを習慣化することを最優先してください。
スマホの使い方に約束を作る
スマホは、その使い方に「守れる約束」を作りましょう。
- 1日○分以内
- 家庭学習時は○○に置く(または集中モード利用)
- 寝室には持ち込まない
などの約束です。
私の子には「寝室に持ち込まない」という約束をさせて、夜はリビングにスマホを置くことを習慣化しました。「これが普通」と思うと、人はそれほどストレスを感じないものです。
すきま時間の使い方
まずすきま時間で使えるのは通学時間です。
特に電車やバスで通学する人は、ここを上手く活用したいですね。
行きは予習、帰りは復習
が基本です。
家庭学習でできなかった分を補うために使いたい時間ですね。
次に校内では「休み時間」をどう活かすか?を考えましょう。
休み時間にいつもいつも勉強することはできませんが、
特に予習を必要とする科目(英語や古典)の前は、その見直しに使う…などの工夫ができますね。
家庭学習
高校生は「家庭学習を習慣化」しないとまず授業について行けません。
学校によっては、課される宿題を消化するだけで目一杯かもしれませんが、それだけでも最低やってしまうことを習慣化しましょう。
高校生の家庭学習は、平日で「学年+1~2」時間。休日で「学年+3」時間以上を目標にしましょう。
高1なら、平日2~3時間、休日4時間以上となります。
高3の夏休みは1日10時間以上の家庭学習をする人もたくさんいますよ。
学力定着のメカニズムを知る
学力定着のメカニズムは、過去記事でも何度か解説しました。
このような法則を知ることで、それに対応した効率的な学習法を検討することが可能です。
エビングハウスの忘却曲線
これは心理学者のヘルマン・エビングハウス による中長期記憶の忘却度合を表す曲線のこと。
具体的には下のグラフのように、時間とともに減少する「節約率」をグラフ化したものです。
「節約率」というのは、同じ内容を記憶するのに、どれくらい時間を短縮できるか?
という割合のことで、下のグラフでは「1日後の節約率」はおよそ1/3(34%)になっていますが、
これは最初30分で覚えた内容を、1日後に再度記憶した場合、20分かかるということを表しています。
1/3の時間(30分の1/3=10分)が節約できた、という意味になります。
これは主に「効果的な復習法」を検討するのに有益な法則になります。
下のグラフとともに、私の過去記事も参照してください。
学習曲線
学習曲線は、上のグラフのように時間と学習成果の相関を可視化したもの。
青線のようにコンスタントに伸びるわけでなく、プラトー(高原状態)と呼ばれる”伸び悩み”の時期があることに着目してください。この時期は人にもよりますが、3~6ヶ月続く、とも言われます。
定期考査や入試に向けて学習計画を立てる際にも参考になるデータです。
詳しくは私の過去記事もご覧ください。
ラーニングピラミッド
これは学習の定着率を示したもの。
どんな学習法が有効か?を示したもので、受動的な方法より能動的な学習法の方が高い定着率になることを示したものです。
これは気持ちの問題にも直結します。
イヤイヤやるのと、自分から進んでやるのでは、同じ時間を使ってもその成果は大きく違います。
気持ちの問題については、以下の過去記事もご覧ください。
ぶっちゃけ言うと…
高2の方が本当に心配
以下の記事にもあるように、2学期はとても大切な期間です。
…ですが、現実最も危機的なのは高2の2学期なんですね(;´∀`)
高1の2学期は、高校生活最初の躓きとなる人が多いので、
先が見通せず、必要以上に落ち込んだりします。
高2の2学期の方が危機的なのに、
高1の方が大きく落ち込むのはなぜだと思いますか??
これ、ぶっちゃけ言うとですね、、、
高2生は「一度進級しているから」なんです。
高2生は
「なんだかんだ心配しても2年生に上がれたし、そんなに心配する必要ないじゃん」
…と、ある意味開き直れるんですね。
「だから3年生に上がるのも、なんとかなるだろう」
っていう意識もあります。
だから私は、高2の2学期の方が危機的だ、と思っているのです。
要は気持ちの問題、大抵はなんとかなる
以上から、高1クライシスは、まだ進級を経験していない高1生が、必要以上に不安を抱え、それが自信の喪失となる現象です。
加えて卒業まで2年以上もある現実に、「最後まで泳ぎ切れるか?」という心配も重なります。
しかし高2~高3と学年が上がるにつれて「意外に大丈夫だ」という手応えと、それ以外の「心配事」も出てくるのが一般的なので、高1クライシスは一時的な「はしか」みたいなものだと考えられます。
つまり、これは気持ちの問題です。
大抵は何とかなります。
だから、ぶっちゃけ言うと
「心配しなくて大丈夫です」
自分のできるところから少しずつ、前に進んでいきましょうね。
高1クライシスについては、以下外部リンクの記事や動画も参考にしてください。
ではでは、、、また次回、、、
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