いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今日のテーマは【進路】です。
高3生でもまだ進路が決められずに悩んでいる人は多いと思います。
気持ちばかり焦ってしまいますね。
今回の記事前半は、私の教員時代の経験や、私の子どもの進路選択に親としてどう関わったか?という体験談を。
記事後半では、そんな状態のとき、どんな心構えをするといいか?ということを書いてます。
今日は進路に迷う高3生に行った「私史上最も強引な後押し」を批判覚悟で公開し、そこから得たメッセージも最後に発信します。
最後まで読んでいただけると、うれしいです。
声優志望男子生徒のケース
保護者の反対
教員にとって教科指導の次に大切なのが、進路指導です。
私は学年主任を含めて延べ19年間担任を経験しましたが、進路指導には共通のマニュアルがないので、いつも難しかった、という記憶しかありません。
特に高3の2学期になっても進路が定まらない生徒には困りましたね。
その中でも印象的だったのは、声優志望の男子生徒でした。
彼は比較的早くから声優志望だったのですが、保護者が猛反対で、
なかなか前に進まないまま、高3の秋を迎えてしまったのです。
もうこれ以上結論を待つことはできない、と思い、
平日の遅い時間に三者懇談を設けました。
以下のような強引な三者懇は、過去にも後にもこれ1回キリですからね…(;’∀’)
私 「もう11月だけど、お家での話し合いはいかがですか?」 母 「この子の生活態度を見ていると、声優なんて絶対に無理!です。ここにきて今の生活を改めようとする気配も見られないから、私は絶対に反対です!」 私 「(生徒の名前=以下○○)って本気で声優になりたいんだよね?」 生徒「はい…」 私 「じゃあお母さんに納得してもらうために何ができるかな?」 生徒「遅刻を無くすことと、、、」 私 「無くすことと、何?」 生徒「声優になりたいという気持ちをわかってもらうこと、、、」 私 「自分の強い気持ちをお母さんには伝えてないの?」 生徒「いや、どうせ言っても反対されるから、、、」
そんなやりとりに出口が見えなくなり、夕日も沈みかけの薄暗い教室でしばらく沈黙が続きました。
私 「遅刻は無くせるの?」 生徒「はい、がんばります、、」 私 「じゃあ、あとは○○の本気をお母さんにわかってもらうことだよね?」 生徒「そうですね」 私 「よし、じゃあ今、僕が証人になるから、お母さんに○○の本気を見せてあげて。お母さんの不安を少しでも解消できるように」 生徒「え?! 何をするんですか?」 私 「だから、○○の『本気!』をお母さんに伝えるの」 生徒「えっ??」
お母さんの前で…
もう今日中にお母さんに「OK」を言わせなきゃ…!
と焦る私。
私 「本気で声優になりたいんでしょ?好きな声優はいるの?」 生徒「あ、はい。△△という声優のファンです」 私 「ファンならその声優の出てくるシーンくらいは覚えてるでしょ?」 生徒「あ~はい~、、、」 私 「そのシーンを今ここで再現してみて! お母さんの前で本気のアピールをしてみてよ」 生徒「え?! ここでやるんですか!?」 私 「当ったり前でしょ! あれだけ遅刻多かったら誰だって反対するわー! お母さんに認めてもらわなくちゃ、前に進まないでしょ? ほら、そこ(教壇)に立って!」 生徒「え?! ほ、本当にやるんですか、、、?」 私 「やる! 僕とお母さんの前で○○の本気を見せなさい! 先生だって心配なんだからー!」
何度か咳払いをした後、教壇上で○○君の「本気の?」演技が始まった(;’∀’)
どうも、とあるアニメのワンシーンを再現しているようだ…
ん? これは二人の会話のシーンを演じてるのか?
私 「ちょっと待って! 今やってるのは登場人物が二人だよね?」
生徒「あ、はい、(アニメの名前)のシーンです」
私 「登場人物が二人なら、声を変えてやってみて。声優はどんな声も出せなくちゃいけないんでしょ?」
生徒「えー?! 先生本気で言ってるんですか?」
私 「本気だよ。○○の本気見せてよ」
またまた咳払いを何度もして、さらに本気の演技が始まった(;’∀’)
お母さんは下を向き、
顔を真っ赤にして必死で笑い?をこらえている…
失礼ながら、私も必死で笑いをこらえていた…(;’∀’)
この状態が数分間続き、やっと演技が終わった、、、
私 「お母さん!息子さんの本気度は伝わりましたか!?」 母 「は、は、はい、、、」 私 「では専門学校の受験を認めていただけますか?」 母 「・・・は、はい、、」 私 「○○、よかったね、お母さんも認めてくれたよ。お母さんになんて言うの?」 生徒「あ、あ、ありがとうございました」
この三者懇は、私の教員生活で最も強引な懇談でした。
お母さんも「反対しても無駄」…とは思ってたはずで、少々強引な面談で進路を決めた経験です。
いいように言えば、お母さんに「OK」を言わせるタイミングを作った懇談、だと勝手に理解しています。あまり参考にはならない話ですけどね…(;’∀’)
私の息子のケース
今では社会人になった私の長男も、進路決定には時間を要しました。
理系への進学は決めていましたが、その中でどの分野に進むか?でずっと悩んでいたのです。
センター試験が迫る11月になってもまだ決まらなかったので、
私は親としてここでも強引な手法をとってしまいました(^^;
それは、学部入試ではなく理系の総合選抜を行っている某大学しか選択肢がないと考えた私は、
息子の目の前で、
「今の(息子の名前)の状態なら〇〇大がいいよ。1年考えて学部選べるでしょ?今まだ安いから、(受験日の)飛行機予約するね」「いい!?」と言って、スマホをポチりました(^^;
ま、親としては浪人もいい経験になるだろうから、別に落ちてもいいや、くらいの気持ちだったんですね(^^;
結果的にはそれで覚悟が決まった息子は無事現役で大学に合格し、1年間の教養課程を経て2回生から工学部に進みました。
虎穴に入らずんば…
ま、この2例とも、かなり強引な背中の押し方で、一歩間違えれば問題になりそうな事例ですが、結果的には進路の「覚悟」を決めるとどめを刺した出来事で、よかったと思っています。
うまくいくかどうかわからない、ギャンブルのような後押しでしたが、長い人生の中には、リスク覚悟で何かを決める選択をしなければならないことだってあるのです。
親や教員は、そんな人の人生を背負う存在でもあり、責任も大きい立場ですが、
石橋を叩いて渡る?
それとも
虎穴に入らずんば虎児を得ず?
どっちのスタンスで人生を考えるか?は、
その人それぞれの価値観でもあると思いますが、
個人的には「リスクのない挑戦はない」という思いが強いので、
進路に関しては攻めの姿勢を貫いて欲しいと願います。
進路決定は「取捨」の気持ちで
決められない理由を分析する
さて今日はここからが本題です。
進路が決められないケースは2つ。
- 1つはやりたいことが多過ぎて一つに絞れないケース
- もう1つは、自分が何をしたいのかわからないケースです
これはどちらに該当するかは自身で分析できますよね。
どちらの場合も、オープンキャンパスに行ったり、学校案内を穴が開くほど読んだり、連日学校のHPで更新情報がないか探したりします。
しかしやればやるほど、どこも魅力的だったり、決め手に欠けたりで、一つに決められないのです。
模試の判定が悪かったりすると、さらに気持ちが萎えてしまいますね。
結果、気持ちばかりが焦ってしまいます…。
こんな時は「決め方」を決めちゃいましょう!
- 次の模試結果で本命校と併願校を決めてしまう
- 浪人する覚悟で○○大を受験する、と決めちゃう
- 共通テスト自己採点結果でいくつかの選択肢を準備しておく(8割取れたらどうする?とか共通テスト利用入試の取捨…など)
ま、この時期にもなればさすがに「止まってられない」ので、
自分の中で「覚悟」を決めて、どんな形ででも前に進むことを優先しましょう。
自分で決めたことに集中すると、徐々にテンションも上がっていくはずです。
何かを得るということは、同時に何かを捨てることになります。
自分を鼓舞して前に進むためにも、そんな気持ちの持ち方が重要だと思いますね。
それでも迷う人へ
…とは言っても、そう割り切れないから迷っちゃう気持ちもわかります。
次にそんな自分を分析してほしいのが、
- 進路先に魅力(決め手)を感じないのか?
(他にもっといいところがあるのでは?という期待があるのか?) - 不合格を恐れているのか?
の2点です。
ぶっちゃけ言うと、この分析は考えても考えても堂々巡りで、考えて解決するものではありません。
だから分析が終わったら、
今のベストを尽くそう
と気持ちを切り替えてください。
「悩み」は時間が過ぎるか、人に聞いてもらうか、自分が行動しないと解決しません。
だから進路に関しては、
何かを得ようと思ったら、何かを捨てないとダメ!
リスクのない挑戦はない!
という覚悟を自分に言い聞かせて、実行に移すことが何より肝心です。
冒頭に書いた事例は、声優志望の生徒にしても、私の長男にしても、
「踏ん切り」をつけさせるために私が誘導しただけのことです。
例えば、結婚相手に100点満点を求めて、
「もっといい人が現れるんじゃないか?」
と期待ばかりしたり、
「プロポーズしてフラれるのが怖いから」
といつまでも言い出せずにいたら、
一生結婚なんてできないのに似ていると思います。
まだ迷っている高3生は、
早く気持ちの踏ん切りをつけて、前に進むことをお勧めします。
気持ちに踏ん切りをつけるのはあなた自身です。
やる理由を見つける
人は「やらなかった言い訳」と「やれない理由」を考える天才と言われます。
「お母さんがうるさくて勉強のやる気を無くした」
なんて言う高校生もいますが、母親のせいじゃないだろ!?って…(;’∀’)
進路に向けて一歩踏み出すには、
やる理由を見つける
ことです。
理由もなく前に進むのは誰でも困難です。
どんな理由でも前に進める理由付けをしてしまいましょう!
ただし「お母さんがやれと言うから」という他人基準の理由はダメですよ。
やる理由は、個人的なもので十分です。
私が入試に向けてエンジン全開になったきっかけは、
公立の受験に失敗した、というのもありますが、
一番の理由は、
当時好きだった同級生に認めてほしかったからです(^^;
すごく個人的な理由でしょ?(笑)
ま、どこかで書く機会があれば将来の記事に書くかもしれません(^-^;
公立落ちの話は私の過去記事にも少しだけ書いていますが、
好きな子のために受験を頑張ったことは、みきこちゃんにはまだ内緒にしてるんですね(^-^;
次回は、その気になる原動力=ハングリー精神のお話をする予定です。
2学期になると進路の話が多くなってきましたね~
受験生のみなさん、コロナに気をつけて今日も明日も…頑張りましょう!
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