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今日のテーマは【先生】
学校で生徒のお世話をしてくれる人が「先生」で、みなさんにとって最も身近な大人です。
そして授業や部活、学校生活でお世話になる先生にもいろんな人がいます。
その中には、授業がわかりやすい先生や、相談しやすい先生、逆にちょっと怖そうな先生やできれば関わりたくない先生もいます。
私自身の感想でいうと、若い頃は歳も近いせいか、たくさんの生徒から相談を受けたり逆に授業のアドバイスをもらったりしましたが、年齢を経るに従い「怖そう」と言われることが増えました(;’∀’)
これは年齢とともに生徒指導主任や学年主任を務めたことによる「光背効果」もあることを理解していたので、ある意味仕方ないとも思っていましたが、しかし一方で寂しく感じていたのも事実です。
また長い教員生活の中では、生徒の生き方を左右する分岐点に寄り添って感謝されたこともあれば、逆に生徒から徹底的に嫌われた経験もあります。
教員を退職した今では、そのどれもが懐かしい思い出ですが、今日は「どんな人がいい先生」なのか?という点に、私なりの考えを述べようと思います。
もちろん、先生の善し悪しに決まった法則はありません。Aさんが大好きな先生がBさんには大嫌いなことだってあります。
しかし今日は、そんな個人的な好き嫌いよりも、その仕事ぶりからどんな先生がいい先生なのか?という点に絞って論を進めます。
さらに生徒と先生が感じる「いい先生の違い」も考察しましょう。
いい先生との出会いは人生の「財産」です。
あなたの学校の先生をイメージしながら読んでいただけるとうれしいです。
先生はまず「授業」で勝負する
先生の仕事は多岐に渡ります。
朝早くから鍵を開け、欠席連絡を処理し、朝の連絡をまとめるところから始まり、
授業準備や授業、提出物チェックや採点、問題行動や体調不良の生徒が出たらその都度対応し、
その合間に書類作成があって、掃除、会議、部活動、保護者対応…などもあります。
このようにたくさんの仕事をこなす先生の一番の勝負は「授業」です。
特に中・高の先生は、自分の教える教科に「免許」が必要だし、採用も教科ごとに行われます。
掃除や部活はすべての先生がやりますが、国語の先生が数学を教えることはできないように、先生がプロたる所以は何といっても「教科指導」なんですね。
授業の上手い先生には次の特徴があります。
抽象的なことを平易な言葉で伝える
高校の授業になるとレベルも高いので、ついつい抽象的な表現や難解な言葉を使いがちになりますが、授業の上手い先生はこれをとても「平易な言葉」で伝えられます。
書道のK先生が、美文字の書き方を教えるのに、
「横線はやや右上がりに書きましょう」
と言っても上手く伝わらない、と仰っていました。
「やや右上がり」
が抽象的でわかりにくい、というのです。
「ではどう教えるんですか?」
と聞いたら、
「時計の14分を指す角度で書きましょう」
と伝えると生徒の理解が早まった、と仰っていました。
実際には、
このような時計版に14分の線を引かせてみると、その感覚がよく伝わる。
そうやってお手本と比べると、
そのとおりになっていることがわかる。
という説明に「わかりやすいな!」と納得したことがありました。
教える教科を愛している
勉強は「苦しいもの」ではなく「おもしろいもの」
そのおもしろさを伝えられる先生の授業は、受けてて楽しいものです。
またおもしろい授業は、同時に学問の「深さ」も伝えてくれます。
ま、ちょっと考えたらわかるんですが、
勉強がただ辛いだけなら、誰がこれを「仕事」にしようと思うでしょうか。
先生は、その教科が好きでおもしろいからこそ、これを教える「教師」という職を目指したはずです。
これも生徒に人気があった先生の話ですが、
花粉症に悩む生物のT先生、
花粉のせいで止まらないくしゃみを、
「このぉー 抗原抗体反応!」
と言って生徒を笑わせていました(^^;
この先生の授業は生徒に人気があって、その理由を聞くと、
「わかりやすいし、本当に生物オタク(笑)」
という返答。
教科書よりも実物主義を貫く先生で、実習や実験が多かったのも先生の授業でした。
こんな先生の授業を受けた生徒は幸せだと思いました。
生徒を引き込むカリスマ性がある
これも私が見たカリスマ先生の授業。
国語のI先生は、授業開始5分前になると、職員室で表情がガラリと変わる先生でした。
普段はニコニコ世間話をしても、授業直前になるとキリリとした顔つきに変わり、その表情のまま授業に入り、50分間休む間もなく全力の授業をされる先生です。
生徒も先生の真剣さにつられて必死で授業について行くんですね。
息つく暇もないんです…(;’∀’)
…ですが、授業は絶大な支持を受けていました。
わかりやすいのはもちろん、その真剣さに手を抜けない雰囲気になるんですね。
しかし授業が終わるとまたいつもの穏やかに接する先生に戻られるので、
私は密かに「女優」というあだ名をつけていました(^^;
今はもう退職されましたが、
「私は授業で手を抜いたことが一度もない」
とも仰っていて、同じ教員としていつも尊敬の目で見ていた先生でもあります。
担任ならこんな先生
あと一番身近な先生といえば、担任の先生ですね。
担任業務は授業以外のクラス運営、さらに生活面や悩み相談、進路指導、生活指導、特別活動…など多岐に渡ります。
ま、実態を言うと、担任も千差万別。
ひどい担任になると、朝は出欠と事務連絡だけして放課後までほったらかし(-_-;)
面談だってすぐに切り上げて終わっちゃうし、掃除も適当。
行事だって「生徒の自主性」を盾に教室に見にも行かない(-_-;)
そんな担任に当たったら食中毒レベルに不幸ですね(-_-;)
逆にいい担任は、生徒をよく見ています。
そして程よい距離感を保っている先生です。
「程よい距離感」とは、任せるところは生徒に任せて、フォローすべきところは、しっかりフォローしてくれることです。
例えば「先生、前回のテスト悪かったけどどうしたらいいですか?」と聞いてみましょう。
そこですぐに、
「面談で(教科)が苦手だと言ってたね。前回のテストではどんな対策をしたの?」
…など、生徒の言動をよく覚えている担任はいい担任だと思います。
あと大事なのは、生徒への対応が的確で堂々としていること。
厳しく接したり、時には寄り添うように接してくれるなど、生徒の心情や状況によって適切な指導ができる担任なら「あたり」だと思って間違いはありません。
このことは以下でもう少し詳しく書きますね。
厳しさの中にある優しさ
すぐに答えをくれる先生はダメ
生徒に「どんな先生がいいの?」って聞くと、
大抵は「優しい先生」という答えが圧倒的に多いです。
「優しい先生」以外には、
「生徒に寄り添ってくれる先生」 「授業がおもしろい(わかりやすい)先生」 「えこ贔屓しない先生」 「かっこいい(かわいい)先生」
…という意見が多いかな。
では「優しい先生」ってどんな先生なんでしょう?
そして過去記事にも書いたように「優しい」と「甘い」は違います。
私の感覚でいうと、
「すぐに答えをくれる先生」
は、生徒には人気でも、、、
教員から見ると、
「なんだかな~」
って思っちゃいますね。
これは行事や進路指導でよく垣間見ますが、
先生が答えを用意してやると、
生徒にとっては、最短で問題解決に至るんですけど、
そこに至る「過程」をすっ飛ばして「全く力にならない」と思っちゃうんですね(-_-;)
生徒が何か壁にぶつかった時、本当に生徒を思う先生なら、
すぐに答えを用意するのではなく、
答えに至るヒントや道筋を教えてやるのが愛情なんじゃないかな?
と、個人的には考えます。
また壁すら感じていない生徒には、
あえて(乗り越えられそうな)壁を作ってやる指導ができるのも、いい先生の条件だと思います。
これは授業や部活など、あらゆる場面で対応できることですが、生徒の「力」と「適性」を見極めて、適度な負荷がかかるような「壁」を作れる先生に出会いたいものです。
こんな先生に指導を受けた子は、ぐんぐん伸びるし、自分で考えて行動できるように育ちます。
時に厳しかったり、冷たかったりする先生も、生徒の成長を考えての姿勢なら、それは「愛情」です。
そして、これが本当の愛情からの態度か?を見極める方法があります。
それは、
事後評価
です。
事後評価とは、生徒に用意した壁を「どう乗り越えたか」を総括してくれる先生は、本当に生徒をよく見ていると思います。
○○な点が良かったよ ✖✖はこうした方がよかったよ よく努力したね 成長したね
…などの声かけをしてくれる先生は、ついて行って間違いはありません。
生徒を叱ら(叱れ)ない先生はダメ
必要な時に生徒を𠮟ら(叱れ)ない先生も困ったもんです。
明らか校則に違反しているのに、
「見て見ぬふり」
の先生にはカチン!ときますね(-_-;)
私の勤務校では、ピアスは預かり指導だったんですが、
「はいピアス」
と手を出しても、
「○○先生は何も言わなかったよ」
とか、
「△△先生は”外しなさい”としか言わなかったよ」
…と言って、その場を逃れようとする生徒もいて、困るんですね(-_-;)
誰だって生徒から嫌われることを好みませんが、
ピアス=預かり指導
なら、その指導に差が出てはいけないと思いますし、そこ(校則)に疑義を感じるなら、民主的に指導法の改善を図るべきです。
現状のままで指導に差が出ると、真面目に指導する先生ばかりが「悪者」になってしまうです。
また一見、厳しいことを言わない先生は生徒に好かれそうですが、実は生徒から「舐められて」います。
「○○先生は注意しないから大丈夫」
「あの先生は怖くない」
となって、だんだん収拾がつかなくなります。
これが「学級崩壊」の遠因にもなるし、
収拾つかなくなった時に生徒を怒っても、
「なんで怒られるの?」
「いままで許してくれたのに?」
…と、指導が逆効果になることがほとんどです。
そうなるとどんな指導も入らなくなり、無法状態に陥りますから、
結果的に「叱らない先生」はダメなのです。
つまり「優しさ」と「甘さ」は別物だということです。
高校生のみなさんも、こういった点はよ~く理解して学校生活を送って欲しいと願います。
まとめ_生徒は先生によって変わる
授業も部活動もクラスも、
担当する先生の影響って、実はとても大きいものがあるんですね。
○○先生が授業の担当だから(教科)が好きになった
△△先生が顧問になってから(部活)が急に強くなった
▲▲先生のクラスは行事の団結力がスゴイ
…などはどこの学校でも普通にあることではないでしょうか?
自分(先生)が一生懸命やったことに、生徒の素直な評価が下される先生の仕事は、責任重大であるとともに、とてもやりがいある仕事です。
特に高校生は、大人の入口に位置する大切な時期。
自分の人生を真剣に考え悩み抜く多感な時期に出会う先生の影響は本当に大きいんですね。
そして素晴らしい先生の影響で、あなたの人生が好転する素敵な「出会い」に恵まれる高校生活であることをお祈りしております。
それでは今日はこの辺で、、、
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