いつもご覧いただき、ありがとうございます。
夏休みも残り少なくなりましたね。
夏休みは授業がない分、自由時間が増えると思ったら…
部活生には、過酷な夏だったかもしれません。
特に運動部は、連日の酷暑の中で部活動に励んだ1か月だったはずです。
今日は、この時期に増加する「部活の悩み」について、
長く部活動を見てきた元教員が、考え方や対応法をお伝えしようと思います。
今日のお話は、この時期に多い退部希望者へのメッセージと、
学業と部活の両立は可能だ、という内容です。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
部活は何のために…??
部活は自主活動
部活は、授業や特別活動とは違い、学校の正式な教育課程ではありません。
「えっ!?」
と思われるかもしれませんが、事実です。
部活は自主活動という扱いで、やってもやらなくてもいいものです。
しかし多くの高校生は、何らかの部活に所属しているし、全員加入を義務付ける学校もありますね。
部活は自主活動ですが、授業とともに高校生活の大きな柱であることは現実です。
部活は何のためにするの?
部活は専門職
部活は、勉強と違い「一つの競技(ジャンル)」を狭く深く追求します。
陸上部でも、陸上全般をするわけでなく、短距離や投擲など、自分の適性に合った専門を追求します。
陸上部だって、みんながみんな俊足なわけではありません。
これは大人になってする”仕事”によく似ています。
魚屋は魚のプロであり、他業種をよく知らなくてもその道で生きていくように、専門職の姿勢を学ぶ場が「部活」です。
狭い世界で自分を高めることで、より強くを目指しますが、どんな狭い世界でも上には上がいるし、奥の深さを追求するために、いろんな「こだわり」を持って取り組もうとしますね。
私の過去記事もご覧ください。
「やればできる」を実体験する場
私が教員時代、生徒によく言ってた部活の意義は、
「やればできる」を実体験すること
でした。
部活は高い専門性が求められる場ですが、プロを養成する場ではありません。
社会に出て、何らかの仕事をした時に、部活で培ったエッセンスが役に立つ、と思うのです。
簡単にはできそうもないことを、厳しい練習をコツコツ積み上げていくことで力をつけたり、
高いレベルに自分を高めることで、自分に自信をつけることが目的です。
まさに「やればできる」を実体験できる場が部活動だと思います。
こんな力や自信(自己肯定感)をつけることが、これからの未来を生きていくための原動力になるはずだ、と信じて部活に取り組んで欲しい、と私はいつも生徒に伝えていました。
また、人にはそれぞれ「適性」がありますが、これを発見する場としても、部活動は有効な活動だと思います。
学業と部活は両立できる
部活への疑問
夏休みの後半や年度末は、部活を辞めたくなる生徒が増えてくる時期です。
高校1年生にとって、1学期が終わり、ようやく高校生活にも慣れてきたころ。
高校入試も終わって、ホッとしたのもつかの間。
初めての夏休みは、部活三昧!
酷暑の中、部活中心の生活は大変でしょう。
周りを見れば、旅行やバイトやフェスに行ったとか…
楽しそうな話ばかり…
その一方で、夏期講習に精を出している友達もいる…
もうすでに大学のことを考えてる人もいる…(;´∀`)
ヤバい!
自分は毎日部活ばっかだけど、本当にこれでいいのかな~??
…と、疑問に感じるのも、理解できないわけではありません。
退部したい理由は?
私は長く教員を勤めたので「部活を辞めたい」と言う生徒の相談を数多く受けてきました。
もちろん、最終的な転退休部の決断は、生徒自身が決めることですが、
基本的に私は「辞めたければ辞めればいい」というスタンスだったので、
「止められる」と期待?した生徒は拍子抜けした感じでした(;’∀’)。
ま、私的には「一度辞めたい」と思ったら、先生がいくら説得してもダメだとわかっていたので、
「イヤなら辞めれば?」のスタンスを貫きました。
たまに「辞めていい」と言われて、辞められなくなる生徒もいましたけど…、
退部を思い留まらすことができるのは、大人ではなく、同じ立場の友だちなんですね。
退部したい理由は「学業との両立ができないから」というのが多かったように思います。
しかしこれは取って付けたような理由だと思っていました。
本心は、練習がきつかったり、バイトがしたかったり、部内の人間関係…等が主な原因です。
人は、基本的に「無いものねだり」なんですね。
もちろん先生にはそんな本音は言いにくいので、学業を理由にするのだ、と思ってました。
勉強を理由に退部して、成績が伸びた生徒を見たことがなかったからです。
成績は部活生の方が上位
私は「部活を辞めたい」という子を止めることはありませんでしたが、
そんな生徒に必ず言っていたことは、
勉強を理由に部活を辞めても成績は絶対に伸びない。
僕はそんな生徒を見たことがないからね。
ま、実際にそんな生徒を見たことはないんですが、
こんな言い方されて「悔しい」と思ってくれたら…
という気持ちも含んで、こういう言い方をしていました。
私の経験上、大体どの学校でも、成績は部活生の方が上位でした。
部活は「やればできる」を実体験する場です。
部活生は「勉強もやればできる」と信じているので、
少ない勉強時間も有効に使って効率的集中的に取り組むので、成績が良いのだ、と思います。
また部活引退後~入試までの爆発力は、部活をやってきた生徒の「底力」を感じましたね。
それでも辞めたい人に
私が退部する生徒に期待したのは、
退部が後ろ向きな選択でなく、せめて前向きな選択となってほしい
ということでした。
- 部活を辞めて発生する「時間」をどう使うのか?
- 部活を辞めて引きこもるのではなく、新しい環境に飛び込んで、自分をどう伸ばすのか
こんなことをよく考えて欲しい。
そして一人抱えて考え込まず、信頼できる人の考えも聞いて参考にしてほしい。
ただ、最後の決断は自分でしなければいけません。
後になって辞めたことを後悔するかもしれませんが、いい勉強をさせてもらった、と割り切りましょう。
部活を辞めた生徒から、卒業式でよく手紙をもらいました。
「部活を辞めて本当に後悔したこと」、「先生の言ったとおり本当に成績が伸びなかったこと」、「先生や部員に迷惑をかけて申し訳なかった」…という内容です。そしてこの思いを今後のよき経験になるよう頑張っていきたい、と締める内容です。
部活を辞めるのも勇気と決断が要ることを、大人はよくわかっています。
部活を辞めて成績が伸びる子を、私は見たことがありませんが、
学業に励む以外でも、何か一生懸命になれるものに取り組んでください。
個人的には、それでいいと思います。
私の過去記事も参考にしてください。
次回は、中高生の自殺について。
8/26の午後7時に記事を公開する予定です。
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