【生きる力】記憶力/判断力/創造力_これらを育む効果的な学習法

学校生活
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今日は「生きる力」をテーマに記事を書きます。
学校や社会で必要とされる「学力」や「体力」「人間力」以前に、これらをつかさどる意味で大切な「目に見えない力」のことをを指します。
私はこれらの総合したものが「生きる力」だと思っていて、特に大切なもの、といつも考えています。

今日はそれぞれがどう大切で、どのようにつけるべきか、ということについてお話ししますね。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。

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過去を生きた記録_記憶力

私たちの脳内に蓄えられているのは、すべて「過去の記憶」。
「言葉」や「思想(考え方)」、五感や喜怒哀楽など全ての「感覚」も、過去の記憶がベースになっているのです。

過去の記憶や体験が今の自分を形成している

家庭環境

私の少年期、何か問題行動があると「親の顔が見てみたい」とか「どんな育ちをしたのか」「この親にしてこの子あり」…と、「子の問題」はイコール「親の責任」という風潮がありました。

今ではあまりこういう言い方をしなくなりましたが、私は長く教員をやってきて、
「それは一理ある」
と今も思っています。
何故なら、今の自分は「過去の記憶や体験」が作っているからです。

子どもの育ちに「家庭環境」の影響は大きく、
それまで当たり前だと思っている自身の「常識」は、
その多くが家庭で身につけたものです。

もちろん、年を重ねるごとに周りが見えてきて、
自分の置かれた環境に疑問に感じることもありますが、
人の土台は、まず家庭で作られ、これに修正を加えた「育ちの記憶」が、
今の自分を形作っているのです。
まず、人格の形成には「家庭環境」の影響がとても大きい、ということを知ってください。

学習

「学習の記憶」とは、学校の勉強ばかりを言うのではなく、家庭内外での学び全てを指します。
他人ひとのふり見て我がふり直せ」と言いますが、生活の中で「見るもの」「聞くもの」「触れるもの」「味わうもの」…など対人対物全ての体験が学習であり、個人の人格形成に寄与する「記憶」となるのです。

また本来の意味で言う「学習(勉強)」も人格形成には大きな要因です。
自分のまだ知らない知識を学習することで、新たな価値観や視野が広がり、
それが「生きる力」に直結することも珍しくありません。
さらに学習は、効果的な記憶術を学ぶ場でもあります。
仮に、英単語をただただ丸暗記しても、それが不効率なことは誰にもわかります。
では、どうすれば効果的に覚えられるかという「工夫」が「生きる力」そのものになるんですね。
ただの丸暗記ではない「効果的な学習法」については、記事の後半でも述べます。

トラウマ

トラウマも、人格形成に大きな影響を与えます。
特に、子ども時代の虐待やイジメは、加害者側が「軽い気持ち」や「冗談」であっても、
被害者からすると、今後の人格形成に大きな歪みを生じさせる程の深い傷となって残ります。
被害者はずっと自分を責め続け、自己肯定感が満たされないまま大人になります。
これは一人の人生に計り知れない大きなコンプレックスとなって、その人を支配し続けるのです。

逆に子ども時代から「いい思い出」をたくさん経験することで、
豊かな情操が身に付き、素直で真っ直ぐに、そして他人の気持ちが理解できる優しい人に育ちます。

つまり「今の自分」を形作っているのは、すべて過去の記憶だ、ということになるのです。
これは過去記事にも詳しく書きましたので、そちらも参照してください。

いまを生き抜く力_判断力

人生は「選択」の連続

人生は小さな「選択」の連続です。
朝、目覚ましが鳴って、「すぐに起きる?」or「あと5分寝る?」というのも選択だし、布団から出て、「ご飯を食べる?」or「着替える?」というのも選択です。そんな我々は、常に小さな選択を繰り返しながら生きている、ことになります。私たちの人生は、そんな選択の積み重ねでできているのです。

そして、その時毎に「どんな選択をすればよいか?」を判断する「判断力」が、将来をどう生きるか決定づける「生きる力」であることは、高校生なら理解できるはずだと思います。

判断に迷うときは?

…とは言っても、毎日の生活で判断に迷うことは珍しくありません。特に高校生ならなおさらです。
今は夏休みですから、早起きの習慣も、ついつい楽な選択をして、いつまでも布団から出られない高校生も多いんじゃないかな?
しかし、何か判断に迷った時は、原則「困難な方」を選択した方がいいです。
何故なら、そういう心がけを持っていないと、人は必ず「楽な方へ」「楽な方へ」と流れるのが自然だからです。偉そうに言ってる私だって例外ではありません。

ただ困難な方を選択しろ、と言われても、簡単にはできません。
まずはできることからやってみる。困難な選択ができる「マイルール」を各自で立ててみましょう。

  • 家のゴミ出しは自分がやる
  • 2日に一度は自室の掃除をする
  • 夏休みの宿題は〇日までに済ませる
  • 就寝や起床時間、スマホを触らない時間を決める
    …などなど

自分でできるマイルールを設定して、できたらそれを周りに「宣言」して習慣化できるといいですね。
習慣化については私の過去記事にも書いていますので、そちらもご覧くださいね。

選択は自分ですること

もう一つ大切なことは、選択を他人任せにしないことです。
選択に迷った時、人に相談することはよくあることですが、
相談はアドバイスをもらうところまでで、
最終的に決断するのは「自分」でなければいけません。
選択を人任せにすると、いいことは何もありません。

まず、選択の責任を自分で負わなくなりますし、
判断力も身に付かず、自分の無力感だけが増大していきます。
「〇〇さんがこう言ったから…」
と他人のせいにして、無力な自分を安心させて終わり、なんです。
他人のせいにすれば、その人の気分を害し、その人との関係も悪くなりますし、
その人が責任を取ってくれるわけでもありません。
…と、結果的に何もいいことありませんよ。

高校生の大きな選択(決断)は、進路選択だと思います。
合否結果だけではない「最終的に納得できる選択」とするには、
最低限、自分の決断でなくてはいけないのです。

読書や映画鑑賞で、広い価値観を知る

しかし自分の過去の記憶だけで、その時々により良い選択を自分でする、
というのはとても困難なことです。自分の過去記憶ってなんだかんだ言っても狭いものに過ぎないからです。
だから信頼できる人を頼って相談したりもするのですが、個人的には、
「自分の視野を広げるための読書や映画鑑賞」をお勧めします。

読書も映画鑑賞も、共通するのは「他人の価値観」「他人の記憶」「他人の判断」「他人の創造力」を感じる機会なんですね。私的には「他人の脳内を覗き見る」って感覚があります。
このブログを読んでくれているみなさんは、私の脳内を見ていることになり、
記事の中には「こんな発想もあるんだ」とか「私はこう思わない」と感じることもあるでしょう。
これは、読書で得る感覚と同じですね。
私は長く教員をやってきたので、そんな私の経験や脳内を公開して、誰かの生き方に資することができたらいいな、と思って記事を書き続けています。
私はこれからも「記事を書く・・」という選択を続けたいと思うし、
また高校生のみなさんに「読んでみよう」と選択してもらえるようなブログに育てたいと思っています。

未来を創造する力_創造(想像)力

人生3つの坂

昔、小泉元総理が演説の中で言った一説が頭から離れないので、ここでご紹介します。

「人生には3つの坂がある。上り坂と、下り坂と…、”まさか”という坂だ」

「上手く言うもんだな~」と感心したので、よく覚えてるんですが、
いくら過去の記憶力や今の判断力が優れていても、
何が起こるかわからないのが人生です。
”まさか”の事態は、誰の人生にも訪れることがあるでしょう。

人生上り坂の時は、特に思わないことも、
下り坂や”まさか”の時に、その力を発揮するのが、
3つ目の生きる力「創造力」だと思います。
「創造力」は「想像力」という意味も含みます。
将来を想像し、未来を創造する力…
これが「創造力」です。

より良い人生を創造する力

私の経験

私の人生にもこれまで何度かの下り坂や”まさか”がありました。
寝られない日々を過ごし、精神科で薬を処方してもらったことも複数回あります。
特に大切な人との別れは突然訪れることが多いので、立ち直りには時間がかかりました。

2012年度末の人事異動で、私は別の教育困難校に転勤となりました。
その前年は、私が担任を外れ生徒指導主任を任された年だったので、
生徒との交流は授業と部活動が中心の1年でした。
この年は特にいい部員もたくさん揃っていたので、特に部活動の指導に力を入れた1年間で、成果もそれなりに挙げることができました。教員として超多忙な毎日でしたが、その分充実もしていた年度末、突然異動の内示を受けたのです。生徒は私のために何時間もお別れ会をしてくれました。

転勤後1年生の担任になりましたが、毎日が問題だらけで、その対応に疲弊する毎日。たまらず精神科を受診して薬を処方してもらいました。あれほど熱心だった部活動も、新転地の部員はたった1人だけ。
気持ち的に落ち込んで、前任校との比較ばかりしていたんですね。あの頃は、現実をなかなか受け入れられなかったです…。

しかしそんな私を変えてくれたのは”生徒”でした。たった1人だった部員は、それでも部活を辞めずに続けていましたが、その姿を見ながら、こんな想像をしたのがきっかけです。

これまでの部活は「大企業の総合力」で勝負してきたが、ここは「中小企業」
中小企業には大企業にはない強みもあるはず。
ここでは少数精鋭を目指し、この子をしっかりと育ててみよう。
総合力では敵わないけど、個人力でなら勝負できるのではないか??

…という発想をして、違ったスタイルで部の指導方針を創造していった経験があります。
その後は気持ちも楽になり、病院に行くこともなくなりました。

創造的な学習法を

記事の初めにも記した「効果的な記憶術」
これも創造的な学習法で、効果は倍増します。
最後に、創造的な学習法の一部をご紹介します。

英単語

例えば、英単語では「in~」で始まるものは「中に~」という意味となり、「ex~」で始まるものは「外に~」という意味になることを知っていれば、
「import」は「in中にport運ぶ」で「輸入」の意。(スペルがim~になっているのは発音によるもの)
「export」は「ex外にport運ぶ」で「輸出」の意、と関連付けて覚えることができるように、
覚え方には理屈や法則があることを知って、より効率的な学習をすることが、限られた時間を有効に使う「生きる力」になるのです。

歴史

日本史や世界史は、単に出来事や年号を暗記する「点学習」ではなく、
時代の流れの中で、その時代背景や事象前後とどう関連付けられるか?
という「線学習」を心がけましょう。
例えば、
我が国に仏教が伝来し、それがどう信仰され、どんな影響が生じたか?
ということを、単に「点」の集合として断片的に記憶するのではなく、
時の「流れ」として全体イメージを覚えるようにするのです。
私がやってた学習法は、頭の中で「物語」を作っていました。
聖武天皇が仏教に帰依した、という断片的な事実だけでなく、
なぜ仏教に帰依したのか?信仰をどう広め、そのために何を行ったか?
ということまでを「物語化」してましたね(^^;
そういうことをしてみると、歴史上の偉人も「人間臭くて」面白いな~と思い、歴史の勉強が好きになりましたね。

数学

数学は「創造力の塊」のような科目です。
問題が提起され、その解決への道筋は「創造力」や「発想力」を総動員しないと解決できないんですね。
数学の先生はよく「正解だけど、解き方が美しくない」って言います。
より無駄のない道筋を見つけ、美しく解答に至ることに拘るんですね。
数学ではこれを「別解」と言います。
問題演習をしたときに、解答の正否だけを見るのではなく、
「別解」も知るといいですよ。
多角的な発想から問題解決ができる、という「創造力を培う練習」にもなります。

さらに数学では「自分で作問」するのもいい勉強法です。
友達同士で作問し、お互いに解き合うのです。
作問するには「中身がわかっていること」は最低条件だし、
創造力鍛えられるし、「ここで引っ掛けてやろう」なんていう作問者の意図もわかりますね(^^♪
また解答も、別解を含め何通りか作成してみましょう。
高校生の作問経験は、以上のようにホントいいことだらけですよ!

芸術

これは言わずとも知れた創造力を育む教科ですね。
高校では、音楽・美術(工芸)・書道から1科目を選択しますが、
個人的には3年間で、全科目を履修してもいいと思うくらい大切な教科だと思います。

国語

国語は過去記事にも書いたように、学習の基礎(土台)となる大切な教科です。

今回は学習の基礎としての国語とは別に、
「文学作品」が先人の創作各品である、という点と、
私たちも「表現者」として言葉を駆使しながら日々を生きている、
という点に着目してください。
また別の過去記事にも書いたとおり、
言葉は人を救うことも殺すこともできるものなので、
正しい言葉を適切に使わなければなりません。
そして、確かな表現力を身につけるには、
先にも書いた「読書」で表現力や語彙力を身につけること、
さらに文章を書く機会を多く持つことで鍛えられます。

まとめ

今日はずいぶん長い記事になってしまいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今日のテーマは「生きる力」
これを、過去・現在・未来、に分けて、
それぞれ、

過去=記憶力
現在=判断力
未来=創造(想像)力

が大切だ、と説きました。

高校生のみなさんが今やっていることに「無駄」なことは1つもありません。
みなさんのより良い将来のために、今を精一杯生きてほしいと願います。

次回は「人は叱られるうちが花」というテーマでお話をする予定です。
ではでは、また次回、、、

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