人は「叱られるうちが花」_大人になると叱られなくなるのは何故?

危機管理
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今日のテーマは「叱られる」話です。
あなたは先生や先輩から叱られたこと、ありますか?
叱られるのは誰にとってもイヤなもんですが、
しかし、人は「叱られるうちが花」なんです。
「??…」と思われるかもしれませんが、本当です。
大人になると叱られなくなります。
叱られない方がいい、と思うかもしれませんが、
実際は逆なんですね。

今日は、なぜ「叱られる」方がいいのか?
ということをお話しします。
半信半疑だと思いますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

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「叱る」と「怒る」は違う

よく似た言葉ですが、全く意味が違います。

叱る=相手の非を改めさせたり反省を促すために指導する行為
怒る=自分の感情が抑えられずに怒りを爆発させる行為

です。

私の経験から生徒は、「先生に叱られた」より「先生に怒られた」という使い方が圧倒的に多かったので、これより先の生徒目線で書く部分は、「叱る」の意味で「怒る」と表記させてもらいますね。

生徒はいつもビクビク(;’∀’)

教員時代、職員室に生徒を呼ぶと、
「よかった~ 私怒られるのかなぁ?ってドキドキして来たんですよ」
ってよく言われました。
「いや、何も怒る理由はないよ。もしかして何か心当たりはあるの?」
「いえ、何もありませんけど…」

これは、職員室に呼ばれる=先生に怒られる
と思わせるくらい、我々はいつもネチネチ何か言ってるってことなんでしょうかね…(;’∀’)
それとも、生徒は常に先生に怒られることに過敏になっている、ということなんでしょうか?
もしかして、私のことを「怖い先生」だと思っていたんでしょうか…??
そんなつもりは全くなかったんですがね…(;´∀`)

大人になると自分に非があっても叱られなくなる

高校生には信じられないことですが、
人は年齢を重ねるごとに叱られなくなります。
もちろん、大人になってまで人に叱られるようなことはしない、ということもありますが、もっと違った形でペナルティを受けるのが大人の世界です。

叱っても無駄

私が車の運転をして思うのは、
交通マナーは大人の方が断然悪い
ということです。
傘さして自転車乗ってるし、横断歩道のない所で横断する…。
「危ねぇな~」って思うけど、
普段から多分誰にも注意されないんでしょうね(;´∀`)
下手に注意なんかしたら、逆ギレされそうで怖いし、、、
だから、「言っても無駄」「事故ってもその人のせい」
と見放されて、
誰も関わらなくなるのです。

交通マナーは、相対的に高校生を含む若い人たちの方が、断然いいと(個人的には今も)思ってますよ。
しかし学校にはよく苦情の電話がかかってきてましたけどね(;´∀`)なんでだろ?

面従腹背

私自身も年齢を重ねるごとに、ほとんど叱られなくなりました。
人から後ろ指を指されることがなくなったのか?
それとも、言っても無駄だと思われているのか?

…私にはわかりませんが、個人的には、
「これでいいのかな?」
不安に思っていました。
これはいつまでたっても自分に自信がないことの表れなんでしょうね(;´∀`)

しかし逆の立場で考えると、
私も、生徒を叱ることはあっても、同僚に注意をすることはほとんどありませんでした。
「言っても無駄」
という気持ちよりも、どちらかと言えば、
注意することで「人間関係」がギクシャクするのを避けていた、
というのが本音です。
どうしても後進を指導する必要がある時は、別室に呼んでこっそり注意していましたね。

そしてこれは上下関係のはっきりした一般社会ではなおさらかもしれません。
特に部下が上司に物申すことなど、よほどでない限り、あり得ないはずです。
どんなダメ上司も、陰では「ボロカス」に言われ、目の前だけイイ顔されるんでしょうね(-_-;)
もちろん大人ですから、SNSで誹謗中傷するなんてことは基本的にしません。
まさに面従腹背めんじゅうふくはい(人前では言うことを聞いているように見せかけ、心の中では反発していること)です(-_-;)

高校生にもこの心理はわかるはずです。
先生に怒られても、心の中で「あかんべー」してることは…実際ありますよね(;´∀`)

叱られた方がいい理由

大人になって怖いのがこれです。

  • 面従腹背の返事なのか?
  • 素直に従う、という返事なのか?
  • 「言っても無駄」と思われているから注意されないのか?
  • 「ちゃんとできている」から注意されないのか?

↑この判断、自分では難しいんですよね。
この区別がわからないから不安になります。

逆にこれ、きちんと叱られたり褒められたりすると、はっきりするんですね。

そしてさらに言うと、面従腹背の返事や、悪い意味で何も言われない人は、
いずれ誰からも相手にされなくなっていくんですね。
これはもちろん「いじめ」ではないので、
必要最低限の「あいさつ」と「業務連絡」だけは行います。
しかし、それ以外は一切相手にされなくなる、というのが大人の世界です。
こわい…こわい…(;’∀’)

こう知れば「人間叱られるうちが花」という意味は分かっていただけますか?

効果的な叱り方

初任時代の貫雪

教員の仕事で一番難しいのは、
「生徒を効果的に叱ること」
と言われます。
私が初任の年に、当時の教頭から、
「君は生徒を本気で叱れるか?」
と聞かれ、一瞬返答に困りました。
「いや、本気では怒れないです…」
と答えると、
「怒るんじゃなくて、本気で叱れるか?って聞いてるんだけど」
「??」
…と、頭を傾げる私に、怒ると叱るの違いを説明した教頭は、
「あなたはまだ生徒を本気で叱れないでしょ。でも、叱る時は本気で叱らなくてはダメですよ」
と言われ、納得はしましたが、その後もしばらく生徒を本気で叱ることはできませんでした。

若い頃は血気盛んでもあるので、生徒を「怒る」ことはよくありました。
今では絶対に許されない「体罰」を加えたこともあります。
そして、荒っぽい怒り方をすれば、生徒は言うことを聞きます。
…が、こういう怒り方をして、実は「自分を守ってたんだ」と思います。
指導に従わない生徒に手を焼く女性の先生から、
「男の先生は(生徒を)力で抑えられるからいいわね~」
と言われたこともありましたが、
しかし今思えば、これぞ面従腹背だったんですね。
心の中では絶対「〇ね!」と恨まれていたはずです(-_-;)

私が生徒を本気で叱れるようになったのは、
結婚して子どもを授かってからだったように思います。

効果的な叱り方

叱り方の前提は「相手のためを思う」ことです。
自分の怒りをぶつけるために行うものではありません。
生徒はこの差にすごく敏感で、
「この先生は誰のことを思って怒っているのか?」
ということを直感的に感じ取ります。
いくら口先で「あなたのことを思って…」的なことを言っても、
それが本当かウソかは見抜かれていますね。

私が生徒を叱るときに心掛けていたこと

  • 生徒の目と口元を見て話す
  • 落ち着いた声でゆっくり目に
  • 生徒の言い分を聞く
  • 生徒の言い分を一度受け入れる
  • 例え話や他人の立場に立った話をする
  • なぜその行為が悪いのか?という理由を話す
  • 反省の色が見えたらその時点で許す
  • 許した後は原則蒸し返さない
  • 同じ過ちを繰り返した時は厳しく指導する

これらの心がけは、自分が子どもを持ったことで、
「自分の子ならどうする…?」の思いが強くなったことや、
他の先生の指導を間近で見て、参考にしたことも多いです。

生徒を効果的に叱るのは、本当に難しいです。
さらに、いくら叱り方が上手な先生でも、生徒と人間関係が築けていないと、
入る指導も入らないことだってあります。
生徒だって、
「あの先生に言われたら言うことをきくけど、他の先生ではそう思わない」
とか、はっきり言いますからね…。

上手に生徒を叱れるようになったら、初めて一人前の先生だと言えるでしょう。

まとめ_人は叱られるうちが花

誰でも「叱られる」のはイヤなことですが、
自分のためを思って、叱ってもらえるのは、
ある意味とても幸せなこと
なんだと思ってください。
人を叱るのは、実はとても難しく、とても気を遣う行為で、すごく疲れることなんです。
それでも、あなたのことを思って、心から叱ってくれる人は、あなたにとってすごく大切な人です。

大人になると、本当に叱られなくなりますからね。
ある人は「すべて自分が正しい」と過信するし、
ある人は「これでいいのか?」と自分に自信が持てません
そういう意味で大人には「自立(自律)」と「責任」が求められるのです。
高校生は、大人一歩手前の年代です。
今叱られることがあれば、その環境に感謝し、
いずれは自立心と責任を兼ね、さらに次代の若者を牽引できる立派な大人に成長してくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は「カルト宗教には気をつけて!」というテーマでお話をします。
ではでは、また次回、、、

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