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今日のテーマは【ライバル】
日本語では「好敵手」といいます。
ライバルとは、
「敵」という意味ではなく、
同じステージで密かに競い合う仲間のことです。
例えばテスト返却で、自分より高得点の友だちに、
密かに「次こそは…」とリベンジを誓う
…そんな気持ちを抱く相手はすべてライバルです。
時には、自分も会ったことのない誰かに闘志を燃やすこともあるでしょう。
そして、そんなライバルの存在は、
必ずと言っていいほど、あなたを成長させてくれます。
今日はライバルの存在のありがたさや、その前提となること、
さらに私貫雪が印象的だった過去の名ライバル列伝もご紹介します。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
ライバルはいろんなところにいる
部活で
部活動で、部員同士がレギュラー争いをする経験は、ほとんどの人にあるはずです。
運動部に限らず、文化部でもコンクールメンバーへの選抜など、より高いレベルを目指す中で互いに切磋琢磨できれば、それは立派なライバルです。
そんなライバルがいるから、
「負けたくない!」
「がんばろう!」
と思えるわけです。
また試合に行くと、他校にはものすごい選手がいたりします。
「同じ学年なのに何だこりゃ!?」
って思うくらいの実力者がいます。
こんな生徒が勝ち上がって、ブロック大会に行けば、さらに上がいるし、
全国大会に行けば、もっと上がいます。
そんな人は、その世界では誰もが知る有名人ですが、
どの世界でもそれくらい層が厚いんですね。
そしてこの「層の厚さ」を思い知るからこそ、
自分ががんばれる原動力になったり、
自分の適性に限界を感じてスランプに陥ったりもします。
しかし、
私は過去に顧問をした部で、
部員が1人ということが何度かありました。
その時は、
「この子はよく辞めずに続けているな」
と感心したものです。
生徒も、
「仲間が欲しい」
といつも言ってました。
しかし後輩が入ってくると、
本当によく面倒を見るんですね。
後輩には、自分と同じ思いをしてほしくない、
と思ったのか?
先輩は自分1人だから、ちゃんと面倒を見なくちゃ、
と思ったのか?
そんな成長も見られますが、
相対的に大きく伸びるのは、
やはりライバルのいる環境だろうな、と個人的には感じます。
授業で
私の勤務した高校では、定期考査後に生徒一人一人に個人成績票を配布していました。
成績表には科目ごとの点数や偏差値、順位があって、入学時からの総合順位変動が折れ線グラフで載せてあります。
生徒はこれが配られると大騒ぎになり、こっそり見る子や、友だちと見せ合ってる子など様々でした。
2,3年生になると、選択や類型が出てくるので、偏差値平均で出す総合順位は当てになりませんが、それでも生徒たちは「上がった」「下がった」と大騒ぎでした。
ま、これはこれで何人かの生徒にはモチベーションアップのきっかけになっているのかな?
とは思っていましたが、
担任としては面談のいい資料になるので、助かってた思い出がありますね。
模試で
模試は返却後、偏差値や順位、判定が目に見える形で出るので、
自分の立ち位置を知るには絶好の機会です。
私の高校時代、模試は上位成績者の氏名が公開されていて、
「世の中には恐ろしく賢い人がいるんだな」
と感心し、何故か名前だけは憶えていたものです。
今は個人情報の観点から氏名が公表されることはありませんが、
同じ模試で100点をとった人が何人いる、という情報はわかりますね。
「こんな問題で100点とるって、どんな勉強してるんだろう?」
と思ったり、
同じ志望校で自分より上位判定を出している人は、少なからずあなたのライバルになり得る人です。
模試は自己採点や復習、解き直しが大切だといわれますが、
それだけに留まらず、心密かに「ライバル」を作り出し、あなたのモチベーションにしてがんばるのも、立派な活用法だと思います。
体育祭・文化祭で
体育祭や文化祭は高校時代のいい思い出になりますが、
なぜそんなにいい思い出になるのでしょう?
クラスやブロックで優勝目指して困難を乗り越え、高い壁を乗り越えた経験は、
お金では買えない貴重な体験です。
準備期間中は他クラスの練習や準備が気になりますが、それがやる気に直結します。
だから勉強のように「やらされてる感」がありません。
これは、よりいいものを作りたい、という気持ちに加え、
あのクラス(ブロック)には負けたくない、と思うライバル心から来るもので、
そう考えると、ライバルの存在が、自分たちを奮い立たせてくれる原動力になっている、
といえるのではないでしょうか。
恋敵
”こいがたき”と読んでくださいね。
恋愛にもライバルはいます。
何かのきっかけで好きな人ができたら、
その人に彼氏・彼女がいるか?が大きな関心事になりますね。
残念ながら彼氏・彼女がいた場合は、
諦めるか?
奪い取るか?
の二択になります(;’∀’)
逆にいない場合でも、
自分が選ばれるか?
ライバルに奪われるか?
という心配も出てきます(;’∀’)
いずれにしても、
どうすれば自分が選ばれる存在になるだろう?
と考えたら、答えは1つ。
魅力ある自分に変身すること
しかないんですが、
それでも意中の人が振り向いてくれなかったら、恋は成就しません。
さらに恋が成就しても、
どっちかが
「合わない」
と感じたら、破局してしまいます。
しかし、そんな場合でもライバル以上に自分に魅力がないと、
スタート地点にすら立てないのが現実です。
恋することで、さらに自分を磨いていきましょう!
ライバルの条件
フェア
ライバルは同じ土俵で競い合う好敵手のことですが、
ライバル、と呼ぶには絶対に必要な条件があります。
それは、
フェア
な関係であること、なんですね。
特に「入試」はそのためのルールが厳然とあって、それに従って寸分の狂いなく行われるものですから、完全にフェアなんですね。
部活もその多くは、フェアに行うためのルールがあり、誰が見ても勝ち負けがはっきりしています。
サッカーワールドカップで話題になった「三苫の1ミリ(正確には1.88mm)」は、そのルールが厳格に適用された結果です。
一方で採点競技は、時に物議を巻き起こします。
フィギュアスケートは採点のルールがあれほど厳格に決められていても、審判により多少の誤差が生じるし、
吹奏楽や美術・書道になると、審査員の好み??で決まってんじゃねーの!?
といいたくなるような審査もあると聞きます。
…ですが、そんな世界でも根底に「相応の実力」がないと、まず相手にすらしてもらえません。
「実力」にプラス少々の「運」も左右して勝敗が決まります。
しかし、
実力+運
という前提が同じなら、その中で競い合うのも、
ある意味「フェア」だといえるのではないでしょうか。
競い合う過程で勝負には関係ない”忖度”が入るようなジャッジは、明らかに不公平です。
そんなことが絶対にないよう、大人は常に配慮してフェアな機会提供をする責務があるんですね。
実力が伯仲・同じベクトル
ライバルの条件として、
「互いの実力が伯仲していること」
「同じ”ベクトル”を向いていること」
が挙げられます。
高校の野球部員が、少年野球やプロ野球をライバル視することはありませんし、
医学部を目指す受験生が、美容師を目指す高校生をライバル視することもありません。
そういった意味で、高校は「偏差値で輪切りされた同年齢同学力層の集団」であり、特に授業や行事では同じベクトルを向いているため、互いに競い合える環境ができている、という場なんですね。
名ライバル列伝
次は、私貫雪が勝手に選ぶ「名ライバル列伝」を簡単にご紹介します。
還暦に近いおっさんのチョイスです。
みなさんの知らない対決がたくさんあると思いますけどね…(^^;
巨人vs阪神
よしもとの漫才師ではありませんよ(^^;
”伝統の一戦”と呼ばれる巨人vs阪神戦は、今も昔もプロ野球の好カードです。
個人的には巨人が好きではないので、
「阪神がんばれ!」
と思っちゃいますが、
昔からこの一戦には特別感が漂うのも事実です。
しかしこれまで両者の対決は、
巨人が約1000勝に対して、阪神は約800勝ほどだそうです。
勝率でいえば、実は巨人軍が圧倒しているんですね(-_-;)、、、
ルパン三世vs銭形警部
個人的に最も愛着あるライバルですが、
みなさんは知っているかな??
天下の大泥棒アルセーヌ・ルパンの3代目が主人公で、
相棒に次元大介や石川五右エ門という銃と剣の達人がいます。
そしてルパン逮捕に人生をかける銭形平次の末裔、銭形警部が彼のライバルです。
ルパン三世はアニメ化から50年経つ名作ですが、たくさんのシリーズの中で私が最も好きなのは、
1979年に公開された宮崎駿初監督作品の『カリオストロの城』ですね。
すでに10回以上は見て結末もよく知っているのに、今だに感動してしまいます(^^;
カリオストロの城で、銭形とルパンは、単に追う者と追われる者というだけでなく、時に協力して偽札作りの実態を暴こうとしたり、クラリスを助け出そうとする場面もあり、警察官と泥棒という関係なのに、その枠を超え、互いをリスペクトしてるようにも感じられます。
この映画を知らない、という方は、ぜひ一度ご覧になってくださいね。
今の高校生でも十分楽しめる内容だと思いますよ。
予告編を上げておきますね。
桑田vs清原
桑田真澄と清原和博。
この両者は高校野球で一時期、飛ぶ鳥を落とす勢いだったPL学園高校野球部に在籍した投手と野手です。
二人は1983年入学の同学年ですが、
1年次から、
桑田はエース・清原は4番
を任され、チームの大黒柱として活躍します。
1,2年次の夏春と、3年次の夏の、5度甲子園に出場し、
優勝2回、準優勝2回、ベスト4が1回
という前人未到の域にチームを導きました。
二人は、その頭文字をとって「KKコンビ」とも称されました。
二人が”ライバル”といわれる所以は、両者の輝かしい成績ばかりではなく、
高校野球引退後のドラフトにまつわる騒動があったからです。
今でこそドラフトには志望届が必要ですが、そのきっかけを作ったのも、
このKKドラフト事件だったのです。
以下、Wikipediaからの引用で、事件の詳細を記しておきます。
大学生だった私も、かなりの衝撃を受けた事件でした。
PL学園高等学校の桑田真澄と清原和博は、1年生時からエースと4番としてそれぞれ活躍し、5回の全国大会出場のうち優勝が2回・準優勝が2回・ベスト4が1回という記録を残した。二人はKKコンビと呼ばれ、プロ野球ファンのみならず、世間の注目を大いに集めた。
清原はプロ入りを志望し、読売ジャイアンツへの入団と、尊敬する王貞治監督の下でのプレーを熱望していた。清原と12球団担当者はドラフト前に面談し、ヤクルトスワローズ、横浜大洋ホエールズ、阪急ブレーブスが早々に撤退した。清原は巨人以外では中日ドラゴンズ、阪神タイガースなどセ・リーグを希望し、阪神藤江清志編成部長には「交渉権を得たら来てくれるか?」と問われて「はい、お世話になります」と答えている。一方、巨人伊藤菊雄スカウト次長は清原と両親に「野手では1番の評価」と伝えていたが、「1位は投手か野手か、まだ決めていない」と確約はしなかった。
桑田は大学への進学を表明し、ドラフト会議4日後の11月24日に早稲田大学教育学部の入学特別選抜試験を控えていた(ドラフト会議当日までに早稲田大学への進学が決まっていたわけではない)。このため、プロ志望の清原は指名の競合が予想された一方、進学志望を表明している桑田への指名は回避されると思われた。
1985年のドラフト会議(11月20日開催)当日に桑田には3球団から1位指名の連絡が入った。しかし、ドラフト会議でその3球団は桑田ではなく清原を指名した。一方で巨人は清原ではなく、桑田を1位で単独指名して交渉権を獲得した。当時、西武の球団管理部長であり、自身で清原のくじを引き当てた根本陸夫によると、桑田がドラフト1位で指名されなければ外れ1位又は2位で西武が指名する予定だった。根本がこの話をドラフト直前にリークしたため、巨人は桑田を単独1位指名してこれを阻止した。巨人の桑田1位指名は王貞治監督もドラフト会場に着くまで知らされていなかった。清原には南海、日本ハム、中日、近鉄、西武、阪神の6球団が1位指名で競合し、抽選の結果西武ライオンズが交渉権を獲得した。巨人からの指名を希望していた清原は会見で涙を流した。
その後、11月26日に清原と両親は根本陸夫管理部長に面会し、12月12日に清原の西武入団が発表された。桑田も早稲田大学の入学試験を辞退し巨人に入団した。桑田は早稲田受験中止後の記者会見で「自分の初志を貫徹したということです。巨人1位だったら入ると考えていたし、それ以外だったら早稲田と決めていました」と答えた。ドラフト後に様々なメディアで巨人と桑田に密約があったのではないかと報道されたが、今なお真相は藪の中である。
清原は、1987年の日本シリーズで西武が巨人を破った際、シリーズ制覇目前となった試合終了間際に一塁手として守備位置で涙を流したことが語り草となっている。その後、清原はFA権を行使し、1997年のシーズンから巨人に移籍し、2005年に自由契約となってオリックスへ移籍するまで再び桑田とチームメイトとなった。
引用元:Wikipedia「KKドラフト事件」
今でもこの二人はよくテレビで見ますね。
プロ野球を引退しても、その影響力は大きく、
二人の息子も芸能界や高校野球の世界で活躍しています。
そして個人的には、
どちらか一人の”一匹狼”的なスターだったら、
これほどまでの実力も人気も影響力もなかったのではないか?
と思っちゃうんですね。
互いに互いを意識し、
全力で駆け抜けた高校時代だったからこその実績や、
その後の騒動だったのではないかと思います。
星飛雄馬vs花形満
野球ネタばかりが続いて申し訳ありませんが、
この二人は「巨人の星」というアニメに出てくる投手と野手なんですね。
今の時代にはない
ガチンコ!土根性漫画
ですが、
高校生のみなさんが見たら、逆に新鮮に映るかもしれません(笑)
ルパン同様アニメですから、
小学生時代の花形が車を乗り回していたり、
大人になってから、星飛雄馬の姉と結婚する(つまり二人は義兄弟になる)
…なんてずいぶん無茶な場面設定もされています(;´∀`)
眉毛も太っ!(笑)
しかし、
巨人vs阪神
投手vs野手
の構図は先述の路線なんですね(^^;
私の好み?(笑)
下の動画には、花形が「打倒星飛雄馬」を掲げ、
鉄のバットで鉄球を打つ猛特訓のシーンです。
現実には考えられませんね(;´∀`)
早稲田vs慶應
最後はみなさんも知る早稲田vs慶應のライバル対決についてです。
私学の両雄と称されるこの2校は、
互いに長い歴史と伝統を持つ我が国最難関の学校です。
洗練・実学の慶應、
バンカラ・多様性重視の早稲田、
という昔からのイメージもありますが、
入試や立地、学費やサークル、就職など細かな点でわかりやすく解説された以下の記事をご覧いただくと、両校の特色や違いがよくわかると思います。
また運動部を中心に、早稲田vs慶應戦は大いに盛り上がりますね。
早慶戦ばかりを取り扱ったサイトもあるくらいですから、その盛り上がりがわかるはずです。
両校は卒業生も多く、永遠のライバル関係を維持しながら、お互いさらなる高みを目指していくことでしょう。
最後に_究極のライバルは「過去の自分」
こんなことを言う自分も実は、
(心の中で)多くのライバルを作り、
競い合ってきた過去があります。
習い事に行ったら、クラスで仲の良い親友がいて密かに闘志を燃やしたり、
会ったこともない模試の上位成績者を目標にしたり…
これは仕事をしてからも変わることはありません。
私は部活大好き先生だったので、
そこでは特に燃えましたね~(^^;
私が勝手にライバル視してた他校の先生と、顧問会議で大論争をしたこともありました(^^;
原因は全国大会選抜の方法について意見が食い違ったからです。
そして結果的にはそのどれもが自分を成長させる原動力になったことは確かです。
しかし私は、
本当のライバルは「過去の自分」だ
と思うようにしています。
他人に勝つ以前に、自分に負けない
そんな人生を送りたいと思っています。
それは、
自分には自分にしかわからない内面が、あまりにも多いからです。
私も人間ですから、
少しでも楽をしたい
とか、
少しでも贅沢をしたい
などと内心では思っちゃうんですね。
これは過去記事にも書きましたが、
自分の内面を顧みると、
五欲・三毒といったドロドロした感情を消すことはできないのです。
そしてそんな弱い自分だからこそ、
心の中に密かにライバルを作り、
少しでも自分を奮い立たせ、承認欲求を満たす材料にしてきたのだと思います。
加えて「過去の自分」には負けないよう、
常に自分自身を顧みる姿勢を忘れてはいけませんが、
またその一方で、ライバルを蹴散らすことばかりに注力せず、
互いに成長できる存在として「応援」する姿勢も忘れてはならないと思います。
これを読む高校生のみなさん、
人生で最も伸び盛りな今、
素晴らしいライバルに恵まれ、
互いに切磋琢磨できる環境に感謝し、
自分磨きを惜しまないでくださいね。
一般入試が最盛期を迎えます。
春はすぐ近くまでやってきているはず。
受験生は自分の力を出し切りましょう。
みなさんがより良い高校生活が送れますようお祈り申し上げます。
ではでは、、、また次回、、、
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