いつもご覧いただき、ありがとうございます。
さて、みなさんは「知足(足るを知る)」という言葉をご存知ですか?
出典は『老子』
中国春秋戦国時代の思想家である老子の著『老子』には、
「足るを知る」をはじめ、数々の名言が収められています。
「良薬は口に苦し」
「上善水の如し」
「大器晩成」
…なんて語はみなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
ところで、
「足るを知る」という語は、
「身分相応の満足を知る」という意味です。
さらに「知足(足るを知る)」には続きがあって、
「知足者富(足るを知る者は富む)」
と続きます。
これは、
「満足する者は幸せだ」という意味であり、
さらに、
「何事にも満足と感謝が大切だ」
と諭す教えでもあるのです。
また「知足(足るを知る)」は、
仏教の経典にも出てきます。
本記事に使ったトップ画像は、
京都・龍安寺にある「知足の蹲踞」で、
水戸光圀が作らせたものだそう。
蹲踞は、茶室に入る前に手を清めるためのものですが、
真ん中の手水の部分を、漢字の「口」部に見立て、
時計回りに読むと、
吾⤵時計回りに読む
知 唯
足
「吾唯だ足るを知る」
と読めるんですね。
よくできてると思いませんか?
さらにこれを模した「古銭」もあるんですよ。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
蹲踞の画像もこちらから引用させていただきました。
足るを知るの本当の意味とは?老子の「知足者富」の真意を探る!
知足の蹲踞(ちそくのつくばい) | まんきんたんブログ (ameblo.jp)
今日は現状に感謝と満足の気持ちを忘れないこと、
その気持ちがあればこそ、これからのあなたが成長できる!
という内容でブログを書きます。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
ないものねだり
欲しがるとキリがない?
あなたは小遣いをいくらもらっていますか?
高校生の平均は約5,000円というデータもありますが、
仮にあなたが3,000円だとすると、
「平均より低い。もっと欲しい」
となり、
5,000円だとすると、
「周りにはもっと貰ってる子もいるから、もう少し欲しい」
と思うはず。
さらに10,000円貰っても、
「バイトしてる子はもっと持ってる」
と、上を望めばキリがありません(;’∀’)
とにかく欲を出せばいくらでも出るし、
ないものをねだり続けたら、永久に満足できないのが人間です。
これは大人でも同じ。
貯金が何億円あっても、
「もっと欲しい」
「まだ安心できない」
と思う人が多いそうです。
欲しがれば、ホント天井がありませんね。
何と比べてるのか?
そんな欲しがる心理が尽きないのは、
他人と比べるからです。
小遣い以外にも、
部活や勉強をはじめ、生活のほとんどが周りとの「比較」によって優劣や満足が決められているようにも感じます。
他人よりいいものやブランドを身に付けたい
たくさんの「いいね」が欲しい
2軍よりも1軍…
もちろん他人と比べて「さらに上を」目指す気持ちを否定するつもりはありませんが、
上を目指す以前に忘れてはいけないことがあります。
それが、
「足るを知る」
の精神です。
足るを知る
「足るを知る者は富む」
「吾唯足知」
この言葉は、
「現状に満足し、感謝の気持ちを忘れないこと」
という意味です。
それには、
まず「自分は幸せだ」ということを理解する
ことが必要です。
↑に書いたように、人は「ないものねだり」な生き物です。
今通っている高校は、自分で選んだ高校ですよね。
たとえ、第2志望でも、滑り止めであっても、過去にあなたが受験することを選んだ学校なのです。
…ですが「行きたい学校じゃなかった」「校則が厳しい」「勉強が難しい」「部活がしんどい」「人間関係が…」など不満を挙げればいくらでも出てきます。
他校に行った友達を羨ましく感じることもあるでしょう。
しかし今「高校に通える」のも「雨風の当たらない住環境で暮らせること」も、「やりたい部活ができる」のも…、考えてみれば「幸せ」なことなんですね。
このことは、それらを失った時に初めてわかります。
「私は大丈夫」と思っても、いつ大地震が来て、その当たり前が失くなるか?
…なんて誰にもわからない。
また毎日の「当たり前」は、本当は当たり前ではなく、あなたのがんばりとともに、必ず誰かがどこかで支えているから成り立っている、ということにも気付いてほしい。
だからこそ、今のあなたの現状を「幸せ」だと知り、これを支える人や社会に「感謝」することを忘れてはいけません。
その気持ちが根底になければ、あなたはどこまでも「ないものねだり」ばかりの「いつまでも満たされない毎日」を送ることになるでしょう。
私の過去記事にも同じようなことを書いたものがあります。
併せてご覧いただけるとうれしいです。
「モノの奴隷」になっていないか
例えば今あなたが持つスマホ。
買った時は新品で、設定やデータ移行、ケースやフイルムをつけて、しばらくはうれしかったはずです。
しかし時が経つと、本体も傷だらけになり、さらに性能のいいものが出てきたりもするので、また新しいのが欲しくなります。
服だって、買った時は「自分の欲しかった服」だったはずが、次第にこれが当たり前となり、そのうち飽きてきて、また違うのが欲しくなります。
これは人の心理として普通なんですが、角度を変えて考えると、人は「モノの奴隷」になっている、という見方もできるんですね。
買う→慣れる↙
↖飽きる
の無限ループに陥ってしまうのが「モノの奴隷」になった証拠。
「必要なもの」は買う必要がありますが「欲しいもの」をこのサイクルで買い続けると、他人と比べ見栄を張るばかりの生活に陥ってしまうことを自覚し、自制できるようにしたいものです。
モノの奴隷に陥ってしまうと、あなたの心はどんどん「貧しく」なっていきます。
「足るを知る」とは、こんな「貪る」心理を戒める教えでもあるんですね。
経験に「時間」と「お金」をかける
人にとって一番の財産は、
人との繋がり
と
経験
です。
高校時代に育まれる人間関係が財産になる、ということは、
このブログでも何度も言い続けていますから省略し、
今日はみなさんの「経験」が財産になることをお話しましょう。
「経験」は他人と比べにくく、色褪せない「自分だけ」のもの
「経験」の価値は、保護者向けの過去記事に書いたことはありますが、高校生向けに書くのは初めての内容です。
ここでいう「経験」とは、学校に限らず、生活のあらゆる面で経験すること全てを指します。
例えば「旅行」に行った経験は、他人と比べて優劣がつきにくいもの。
あなたが国内で友だちが海外であっても、旅先でケガをしたら行先なんて関係ないし、
服やスマホのように、時間が経って飽きるものでもありません。
いい思い出は、いい思い出のまま、あなたの心に残り続けますね。
学校生活でも、部活や行事等で思い切りがんばった思い出は、いつまでも色褪せず忘れないものです。
結局、高校卒業後に何が残るか?と考えれば、
テストで何点取ったとか、
部活でベスト〇〇になった
体育祭で優勝した
という結果ばかりではなく、
毎日目をこすりながら勉強したこと
部活での本当に厳しい練習
体育祭の準備
…などの途中経過も含めた「経験」にこそ価値があるし忘れられない思い出になるんですね。
だからこそ逆に、
テストで悪い点だった
試合では1回戦負け
体育祭本番で大失敗
であっても必死で取り組んだその「経験」は、いずれは甘酸っぱい思い出に変わっていくものです。
高校生に経験してほしいこと
老婆心ながら、貫雪が高校生に経験して(お金をかけて)欲しいことを書いておきます。
- 学校の勉強
これは純粋に「今しかできないこと」だからです。本来勉強は「苦しいもの」ではなく「楽しいもの」です。今のうちに勉強の楽しさを知れば、これからも学び続ける大人になれるはずです。
現実は社会人になってからも学ぶことは多いからね。 - 部活
これも今しかできないことですね。自分のやりたいことを徹底的に取り組む経験をして欲しい。何かを必死で追いかけ自分を高めた経験は、社会人になってからの生きる姿勢に直結するはずです。 - 恋愛
若い今のうちにいい恋をたくさんしてください。恋は常に成就するものではありませんが、自己の生き方を見つめたり、他人の気持ちを察する魅力的な人間になるためのいい機会です。 - 真友
上下関係や損得勘定のない人間関係は、学生時代だからこそ構築できるものです。学生時代の真友は一生の友。あなたにとってかけがえのない財産になるでしょう。 - 習い事
自分を高めるために習い事をするのも有効です。若い今の方が飲み込みも早く、学校外の人間関係も作れる機会。興味ある教室などの門を叩いてみませんか? - 資格取得
資格はいくら持ってても荷物にはなりません。時には資格があなたの身を救う時もあるかもしれません。習い事同様、若い今の方が身に付きやすく、取得すれば一生の財産になります。 - 読書や映画鑑賞
読書や映画鑑賞は、自分の知らない世界や他人の考えに触れる機会です。さらに人の創造力や表現力にも接することで自己の生き方を深く考えるきっかけにもなります。 - 旅行
これまで行ったことのないところへの旅行も貴重な体験になります。旅行先の人や自然、文化に触れることで幅広い視野を培いましょう。 - 語学
旅行にも関連しますが、母国語以外の読み書き、コミュニケーションができるのは大きな「武器」になります。「井の中の蛙」にならないためにも、語学は必須のスキルですね。
他人と比べるのではなく、過去の自分と勝負する
今日のテーマは「足るを知る」
現状に満足と感謝することが大切だ、と説く内容ですが、
学校や社会では、
「現状に満足せず、さらに上を目指しなさい」
とも言われますね。
一見、矛盾するように感じるこの両論を、私たちはどう理解すればよいでしょうか。
これについて私はこう考えています。
現状に満足し感謝するとともに、
ライバルは他人ではなく「過去の自分」だと意識し、上を目指す努力を怠らない人を目指してほしい。
また他人と比べるのは、
なるべく「同じ条件でできること」に絞りたいもの。
テストや部活は、決められたルールのもと同条件に競い合うことで公平平等なもの。
人より上を目指すのは、なるべくフェアな土俵上で行われることに絞り、見栄や虚勢で他人と比べることは極力避けた方がいい。
まとめ_素直さと感謝の気持ちを忘れない人に
今日は「足るを知る」をテーマに、まず「現状に満足し感謝する」ことを根底に、今後の発展が見込まれる、というお話をしました。
これは単なる「ないものねだり」から欲しがるばかりではなく、まず現状に感謝し、その上に更なる成長を期待する、という点に違いがあります。
一例を挙げると、
自分を「太ってる」と思い込み、無理なダイエットに励む高校生が、摂食障害になってしまうような結果を求めない、ということです。
これはいくら体重が減っても他人の目が気になり、他人と比べて満足できないから、心身が壊れるまで無理なダイエットを続けてしまう心理で、欲しがったらキリがない典型なのかもしれません。
高校生のあなたは、ダイエット以前にご両親からもらった健康な体があり、多くは食べ物や着るものに困らない生活をしているはず。
さらに私たち大人から見れば羨ましくなるほどの気力や体力、しわやシミのない美しい素肌、艶のある髪、美しい瞳、そして柔軟な思考と頭脳を持っています。
それが今は当たり前かもしれませんが、その当たり前に「感謝」の気持ちがなければ、人はいつまでもどこまでも「不満」ばかりを抱えて満足できない生き物であることを理解しましょう。
特に今の若さは、これからもあるもんじゃありませんからね。
「足るを知る」という語は、人の尽きない欲求にどう向き合うか?を説く老子の名言です。
その一方で誰にもある強い「承認欲求」が迷いを生みますが、これもその根底に「素直な感謝の気持ち」があればこそ、単なる見栄に終わらない真の成長に直結する、と説く内容でもあるのです。
不満や不安の尽きない毎日かも知れませんが、文句ばっかり言ってないで自分を高めていけるといいですね。
これが、
「知足者富(足るを知る者は富む)」
ということです。
ではでは、、、また次回、、、
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