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今日のテーマは【評定平均値】
学年末が迫る3学期には気になる数字ですね。
評定平均値は、
中学では「内申点」
大学では「GPA」
と言われるものと基本同じもの。
要は成績(評定)の平均値(や合計)となり、
学校推薦入試や指定校推薦、予約奨学金の申請や学校斡旋就職等で、選考の参考になることがある数字です。
今日は、
・評定平均値とは何か?
・評定平均値が必要な人、不要な人
・評定平均値を上げる方法
・評定平均値が低くて悩んでいる人へのアドバイス
で記事を構成します。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
評定平均値とは?
内申点やGPAとの違い
評定平均値とは、
年度末に出る1年間の5段階評定の平均値のこと。
以下は高校の調査書の見本ですが、〇で示したところに入る数字が評定平均値です。
中学では、9教科の5段階評価点の合計を「内申点」といい、満点は45点。
これが3学年分あるので、合計は135点になります。
内申点は、高校入試で一定割合で点数化されます。
この割合は、高校によって違いがあり、予め公表されています。
大学では「GPA」という数字で評価平均点を算出します。
大学の成績は原則4段階で、
A(優)=4
B(良)=3
C(可)=2
D(不可)=1
と計算して平均値を算出し、就活や奨学金申請等に参考とされる数字です。
高校の「評定平均値」は、1,2年の学年末と、3年次の各学期末に出る5段階評定の合計を科目数で割ったもの。
推薦入試や就職は3年生の2学期に選考が行われるので、1年+2年+3年1学期の平均値が調査書に記されます。
評定の最高は5,0ですが、最低点は1,0ではありません。評定1は単位不認定という意味ですから、3年生まで進級できている人は1,8~2,0くらいが最低点になると考えてください。
評定平均値の算出方法
評定平均値の算出は、
- 各科目ごとに「年度末」に「5段階評定」をつける
各科目ごとに1年間トータルの成績を5段階の評定にする。
3年生は毎学期末に行う。(2学期は1,2学期トータルの評定) - 教科ごとに平均点を算出する
国語、数学…と各教科ごとに評定平均値を算出する。
(推薦条件に科目ごとの評定条件を設定する場合もあるため) - 全科目の評定を平均して、小数点第2位で四捨五入する
仮に3.96と出たら、その人の評定は4.0になります。 - 評定平均が出たらA~Eランクの人数をカウントして調査書に記載する。
以下の表参照(記載は調査書の左下に)
評価と評定の違い
みなさんが学期末に受け取る「通知表」は10段階評価が一般的かと思います。
これ言うと結構ビックリされるんですが、
10段階は「評価」であって「評定」ではない
通知表は法律で発行を義務付けられた書類ではない
という事実はご存知ですか(^^;
ま、評定は学年末しか出ない成績ですから、特に1,2学期は通知表を出す義務がなくても、自分の立ち位置を確認するために、10段階の評価点を出すのが慣例になっています。
ここで「評価と評定ってどう違うの?」という疑問が出てくると思いますが、
評価=点数や過程を総合的に見て、個人の成果を評価するもの
評定=集団の中で、どのような立ち位置にいるかを数値化したもの
という違いがあります。
わかりやすく言うと、
同じ50点のテストでも、前回より上がったら「よく頑張ったね」と褒め、前回が70点なら「努力が足りなかったね」と言うのが”評価”
テストやその他評価点から成績が決まるのが”評定”
といえばわかっていただけますか?
厳密にはこのような違いがありますが、実際には10段階評価をそのまま5段階にスライドするパターンが一般的です。
10段階の10,9,8なら5段階の5、7,6なら4、…というような基準を設けている学校がほとんどだと思ってください。
よくある勘違いは、
「10段階を半分にしたのが評定平均値」
と誤解されていますが、必ずしもそうではありません。
学校にもよりますが、10段階÷2+(0.3~0.5)くらいが一般的な評定平均値になるはずです。
また学校により、5段階評定をつける割合に若干の差があることはあまり知られていません。
これは高校間格差が厳然とあるにもかかわらず、同じ評定(持ち点)で入試に臨むのは「ある意味不公平」との考え方もあるからです。
評価と評定については過去記事にも書きましたので、併せてご覧いただくとうれしいです。
本記事には触れませんでしたが、絶対評価と相対評価の違いも書いています。
評定平均が必要な人、不要な人
評定平均値は、高校入試の内申点のように全員に必要なものではありません。
評定平均値が必要となる人は、
学校推薦型選抜入試
指定校推薦入試
学校斡旋就職
日本学生支援機構(JASSO)予約奨学金申請
くらいです。
特に推薦入試では、これを点数化する所もあるので、0.1でも評定の高い人が有利になるし、人数制限付き推薦(国公立や指定校)では、校内選考がありますから、評定平均値は大きなウエイトとなります。
また出願に評定の基準を設ける大学もあります。
指定校推薦や国公立の推薦入試にはB以上とかA以上といった出願条件もあります。
私の経験では、0.01差で校内選考が決着したこともあるので、推薦を狙う人は貪欲に評定をアップするようがんばってください。
総合型選抜(AO)での評定は、進学先によります。
AO入学者は基礎学力に不安があると言われます。
だから評定を重視するところもあれば、大学によってはAOでも共通テストを課して基礎学力の有無を測る所もあります。
その一方で、評定が不要な人もいます。
評定が不要な人は、一般入試で受験する人です。
一般入試は、当日の入試得点で合否が決まります。
調査書は出願時に提出しますが、高卒見込みを確認する資料となるだけです。
評定が低い人は、入試当日に高得点が取れるような受験勉強に特化して入試対策をすれば大丈夫です。
なおJASSO奨学金予約申請については、私の過去記事をご参照ください。
評定平均値を上げる方法
評定平均値を上げるには、学年ごとに対策が変わります。
まず高2生のみなさんは、既に高1年時の評定と2年2学期までの成績が確定しているわけですから、できることといえば「学年末考査と3年1学期に全力投球」するしかありません。
また出欠や提出物、授業態度も密かに評価されていますから、そんなことで減点されないよう気をつけろ、としか言えないですね。
先生がどんな基準で成績をつけているか?は、年度当初に配布されるシラバス(年間授業計画)に書いてありますから、それを引っ張り出して、評価の観点をまず確認することをお勧めします。
高1生は、これからいくらでも評定を上げることが可能です。
学年末考査に全力投球するのはもちろん、シラバスの確認や、特に春休みから高2の教科書に目を通して早めの予習に取りかかったり、春期講習に行くのもいいでしょう。
とにかく人と同じことをやっていてはダメだということです。
部活等のスケジュールと上手く調整して、時間を上手に使うことも同時に考えて、上手く先取り学習ができるよう工夫をしてください。
ちなみに中学生に向けてもアドバイスしておくと、
評定を上げることのみに拘るのなら、志望校選びで背伸びをしないことです。
実力ギリギリの高校にギリギリで入って、ついて行くだけで大変なところより、少しランクを下げて余裕を持って合格した方が、校内でも上位に入りやすいし、上位にいればそれなりの評定も得られるでしょう。
そしてその高校に来ている指定校推薦の一番いい所を狙うのも手です。
特に学習塾は少しでも偏差値の高い学校に入れて実績を作りたいので、そういう選択を良しと考えません。
もちろん高偏差値校には、それなりの環境が用意されていて伸びる生徒は伸びますが、一方で潰れる生徒が多いのも現実です。
このあたりでミスマッチが生じないよう、志望校選びには自分の適性も考えて慎重に行う必要があると言えますね。
評定平均値が低い人へのアドバイス
最後に評定平均値が低い人へのアドバイスです。
特に高2生は今から評定を上げるのは大変です。
進路が現実的になってくると、周りもがんばりますから、その中で一歩抜きん出るのは大変なんですね。
ですから、そんな高2生は評定を上げることよりも、評定が関係ない方式のAOや、一般入試を狙って早めの受験対策を始めることをお勧めします。
大学入学後は、一般入試組が最も基礎学力があるし、高い志で志願してくるAO組が最も伸びる、ともいわれます。
だから今評定が低くても、その後の生活に大きく影響することはないといえます。
評定が低ければ低いで、別の何かで挽回することで十分カバーできますから、必要以上に心配せず、落ち着いて今後できる対策を考えてみましょう。
まとめ
以上のように、評定平均値は使って有利になる人だけが使える数字で、中学の内申点とは若干の違いがあります。
みなさんもご存じのとおり、推薦と総合型選抜(AO)の違いは、
推薦=基本的に過去の実績を評価
AO=基本的に将来の展望を評価
という違いがあるので、過去の実績を数値化した評定平均値は、主に学校推薦型入試に使われることが多いのです。
…ですが、人はそれぞれに強み弱みがあるもので、コツコツ真面目に取り組んで評定の高い人もいれば、直前の追い込みでグイっと伸びるタイプもいます。
そういった観点から、自分はどんなタイプだからどう対策しよう?と自己の適性を見極め、最適の進路計画を立てることも作戦のひとつだと思います。
これは同じ山を登るにもいくつかのルートがあり、その最適解を探りながら登山するのと同じことです。
ぜひあなたの進路選択は、狭い考えに囚われず、自分に合った最適のルートを選べるように情報収集と自己分析に努めてください。
評定平均値は、あなたを断片的に評価した数字に過ぎません。
評定の高い人はこれを大いに利用して、
低い人は、他の方法を考えましょう。
必ずあなたに合った選択肢はあるはずですから、とにかく諦めずに頑張ってください。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、、、また次回、、、
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