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今日のテーマは【アサーション】
アサーションって何?
聞いたこともないわ~
という人も多いと思いますが、
これは人同士の円滑なコミュニケーションに欠くことのできない大切なスキルです。
私が過去に勤務した高校では、学期に一度の人権学習でこれをテーマに演習を行っていましたし、大人になってからも、職場の人間関係をより良くするための研修でこの理論を導入する企業も多いと聞きます。
【アサーション】とは1950年代にアメリカで提唱されたコミュニケーションスキルで、
簡潔に言えば、
自分も相手も大切にしながら自己表現するコミュニケーション法
のこと。
当時のアメリカでは、精神を病む患者を単に抑圧するのではなく、よりよい自己表現をさせることが重要、との考えから考案されたものです。
そして1970年代には、人種差別や性差別への権利を主張するための方法論として世界中にアサーションが広まりました。
今では、理想的な対人関係構築のスキルとして、教育や医療、企業等で導入されるに至ります。
今日は学校や家庭、また社会でよりよいコミュニケーションをとるためのアサーションスキルを一緒に学びましょう。
人間関係は、ある日を境に突然良くなるものではありませんが、今日の内容を「自分への心がけ」にすれば、少しずつ関係は良化していくはずです。
また今日の記事は、以下のサイトを参考に執筆しましたので、ここにお礼を申し上げるとともに紹介しておきます。
![](https://ptmagasset.com/wp-content/uploads/2021/12/20211105prtmg_0167.jpg)
![](https://cocoro-to.jp/wp-content/uploads/2021/04/スライド3-1024x576.jpg)
![](https://surala.jp/school/s/wp-content/uploads/2023/01/aaron-burden-QJDzYT_K8Xg-unsplash_01-scaled.jpg)
![](https://career-salon.jp/wp-content/uploads/2023/03/career-salon-mv.jpg)
今日も最後まで読んでいただけるとうれしいです。
アサーションとは
アサーションとは簡単にいうと、
「適切な自己表現法」のことで、
これは相手を傷つけることなく、同時に自分の主張したいことを伝える技術をいいます。
そんなことホントにできるの?
と思われるかもしれませんが、以下の手順を意識すると大丈夫。
これまでコミュニケーションがうまく行かなかった原因も同時にわかるかもしれません。
まずは自己分析から
まず知って欲しいのは、人の自己主張には、次の3タイプがあるということ。
その3つとは、
攻撃型タイプ(アグレッシブ)
ドラえもんで例えるなら「ジャイアン」
自分の主張を押し付けて、マウントを取るタイプ
意見や態度をはっきり伝えられる反面、周囲との軋轢や不和を生む、という欠点も
非主張型タイプ(ノン・アサーティブ)
ドラえもんで例えるなら「のび太」
自分に自信がなく、自己主張が苦手(いわゆるコミュ障ってやつ)
周囲を不快にさせない一面で、断ることも苦手で、言い訳も多くストレスを溜めやすい
アサーティブタイプ
ドラえもんで例えるなら「しずかちゃん」
自他ともに尊重でき、適切な表現ができる
可能な限り互いの希望が叶うよう配慮できるタイプ
自分のアサーションタイプを診断する
自分のタイプを診断するために、以下のチェックシートで自己分析をしてみましょう。
最も点数の高い項目が、あなたのタイプとなります。
![](https://career-salon.jp/wp-content/uploads/2019/12/%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88.png)
自分のタイプが確認できたら、自身が見直すポイントを考え、以下の方法を実践してみましょう。
伝え方の方法とコツ
![](https://daijusan.com/wp-content/uploads/2023/07/25102267_s-300x200.jpg)
会話の目的を明確にする
世間話は別として、目的を持って話をする時は、
その「目的」を明確にした上で会話を始めることをお勧めします。
例えば何かを「決める」ための会話なら、
「お腹空いたね。何食べに行く?」
「えー、何でもいいよ」
「…」
…なんて言ってたら、いつまでも決まらずストレスになりますね。
そんな時は、予め「案」を準備しておくことで、話はスムーズになります。
「お腹空いたね。何食べに行く?」
「えー、何でもいいよ」
「じゃあカレーかラーメンなんかはどう?」
「そうね、私は麺類が好きだから、ラーメンがいいな~」
…てな具合です。
それ以外にも「何かを伝える場合」「関係性を構築する場合」…など会話の目的を明確にして、それに相応しい表現を目指すよう心がけることが大切です。
I(アイ)メッセージ
Iメッセージとは、自分を主語にして相手に伝える方法です。
例えば授業中うるさい時、
「うるさいから静かにして!」
(相手を責めるイメージ)
↓
「授業がうるさくて(私は)授業に集中できないから静かにしてほしいな」
(自分の感じ方を伝えて解決を促すイメージ)
…と、同じことを伝えるにも、伝わり方には差が出てきますね。
生徒以外の親や先生も、
みんな勉強している
勉強するのは当然だ
なぜ勉強しないの?
(相手を責める言い方)
↓
私は勉強した方がいいと思っている
私は勉強をしてよかったと思っている
私は勉強をサボって、今その大切さがわかる
(Iメッセージ)
教室が汚い!
なぜ掃除をサボるんだ!?
ちゃんと掃除をしなさい!
(相手を責める言い方)
↓
汚い教室を見るのは辛いし、みんなもイヤな思いをするから掃除をしっかりやって欲しい
(Iメッセージ+Weメッセージ)
など、身近なところでIメッセージで伝えられる場面はたくさんありますよ。
DESC(デスク)法
アサーションを体系的にまとめた方法論にDESC法があります。ここに上げた4つのポイントを意識して接すると、相手に不快な思いをさせることなく、自分の伝えたいことを伝えることができます。
ステップ1:D(describe 事実を伝える)
引用元:②アサーショントレーニングの方法とコツ【ドラえもんで理解するアサーション】
状況を受け止めて、自分は感情的にならないように気持ちを落ち着ける
ステップ2:E(explanation 自分の意見を伝える)
相手の立場や気持ちに共感し思いやる内容と、事態に対する自分の感情を率直に表現する
ステップ3:S(suggest 具体的な解決策を提案)
相手にとってもらいたい行動や、自分がとりたい行動を、1つか2つ具体的に伝える
ステップ4:C(choose 別の選択肢の提案)
ステップ3に対する相手の反応(肯定的または否定的)によって、自分がどういう行動を取ることを選ぶのか(さらに交渉するのか)、どういう気持ちになったのかを伝える。言葉のプレゼント。
すららが考える教育の未来より引用
これをどうコミュニケーションに活かすかは、以下ケーススタディで説明します。
非言語コミュニケーション
その他案外と大事なのは、表情や声の大きさなどの非言語コミュニケーションです。
視線
相手から目を逸らして話すと、話の内容よりその表情から「自信のなさ」や「誠実さ」に欠ける印象を与えます。目は口ほどにモノをいう、と言いますからね。ただ相手の目を凝視し過ぎるのは互いに緊張するので、鼻や口元を見て話しかけるよう努めましょう。
身振り・頷き
身振り手振りなどの表情は、より説得力あるメッセージを発信できます。口だけ動いて他は金縛りにならないように。
また聞き手が頷きながら聞いてあげると、話者が安心して話しやすくなります。
顔つき
何かを伝える時は、やや口角を上げ気味に話すと穏やかに伝わりやすいものです。
「笑顔」のメッセージが、何よりの安心感になるんですね。
声のトーン
大き過ぎず小さ過ぎず、あまり早口になってもいけません。落ち着きあるトーンで対応しましょう。
以下にアサーションタイプごとに具体例を紹介します。
各々の伝え方にどのような違いがあるかを確認し、
日頃の言動に「意識」することで、円滑なコミュニケーションができるようになるでしょう。
ケーススタディ
事例1 定期考査前カフェに誘われた時
事例1
定期考査1週間前になり、部活も休止になったある日、帰宅部の友だちが「部活の練習もないんだから、たまにはカフェで勉強しない?」と誘ってきました。あなたは日頃部活の練習が厳しくて十分な家庭学習ができていません。さすがに今日は家に帰って提出課題を済ませたい。そんな時、誘ってくれた友だちにどう対応しますか?
![攻撃型](https://daijusan.com/wp-content/uploads/2022/08/24036065_s-150x150.jpg)
今日は提出課題をやらなくちゃダメなの!だから今日は帰るね~ バイバーイ!
![非主張型<br>](https://daijusan.com/wp-content/uploads/2022/12/23447551_s-150x150.jpg)
え、カフェって久しぶりだね、、、い、いいよ、、、行こっ
![みきこ<br>](https://daijusan.com/wp-content/uploads/2022/09/23844482_s-150x150.jpg)
そうだね、部活も休みだからカフェで勉強もいいよね。(D)
でも今日はまだできていない提出課題を先に済ませたいの。(E)
だから悪いんだけど、今日は家に帰るね。(S)
誘ってくれてありがとう。
もしよかったらテストの初日が終わってから改めて行かな~い?(C)
IメッセージとDESC法を使ってうまく断るのが、みきこちゃんのアサーティブコミュニケーションです。
アサーティブは、相手の気持ちを考慮しつつ、自分の意思を伝えるため、かなり細やかな配慮が必要となります。
事例2 体育祭準備に協力的でないAさん
事例2
体育祭準備、自分から立候補してダンスメンバーになったAさん。しかし準備期間が始まってもなかなか練習に参加せず、先日は無断で帰ってしまいました。責任者であるあなたは、Aさんにどう対応しますか?
![攻撃型](https://daijusan.com/wp-content/uploads/2022/08/24036065_s-150x150.jpg)
自分で立候補したのだから、最後まで責任を持ってやるべきだ
無断で帰るなんて最低だ!メンバーから外れてもらう!
![非主張型<br>](https://daijusan.com/wp-content/uploads/2022/12/23447551_s-150x150.jpg)
何か用事があるんじゃないの?
それとも私がちゃんと教えられてなくて怒ってるのかなぁ?
どうしたらいいんだろう??オロオロ、、、
![みきこ<br>](https://daijusan.com/wp-content/uploads/2022/09/23844482_s-150x150.jpg)
なかなか計画通りに準備が進まなくて、怒ってたのかな?(D)
責任者の私の要領も悪くててごめんね。
でも黙って帰るのはよくないよ。みんなが不安になるからね(E)
今日は残ったメンバーでミーティングをして、一度少人数制でグループ練習をやってみようって決めたんだ。(S)
明日からしばらくは小グループで練習するから、必ず参加してね。
もし練習の進行や方法に疑問や提案があったら何でも言ってね。(C)
ここではIメッセージとともにWeメッセージも取り入れ、これをDESC法で伝える事例です。
まとめ_アサーションは「対等な関係」が大前提のコミュニケーションスキル
アサーションのことが少しは理解できましたか。
私も最初アサーションを知った時は「まわりくどいな」と感じましたが、
よく考えると、我々の日常には、伝わってるつもりでも、相手にはうまく伝わっていないことがよくあるんですね。
だから正しく伝えるためには、丁寧に言葉を選ぶことが大切なんです。
発信者側と受信者側ではまるで受け止め方が違う、なんてことはよくある話ですし、SNSのやりとりなんかで揉めるパターンには、この「言葉足らず」も多いはずです。
さらにアサーションは、相手を気遣うとともに自分の主張を伝えるテクニックですから、会話する両者は対等でないと成立しないコミュニケーションだといえるでしょう。
記事中に上げた”攻撃型”や”非主導型”は、コミュニケーションの時点で上下関係ができているので、対等とはいえません。
しかし学校や社会には、先生と生徒、先輩と後輩、上司と部下、という歴然とした上下関係が存在します。
「そんなこと言ったら学校や社会ではアサーションなんて無理だよ~」
と思われるかもしれませんが、
これは「立場による上下関係」であって「人としての上下関係」ではありません。
アサーションは、年齢や立場の違いはあれど、
人として対等であることが大前提なのです。
そこを勘違いしてはいけません。
例えば、部活内で単に「先輩だから」と威張り散らし「後輩だから」と委縮するのではなく、
人として対等であっても、
先輩の方が実力や人間性で後輩からリスペクトされ目標とされる存在、
という上下関係が理想的、だと思うんですね。
そうした関係性の上で、
みなさんも対等でアサーティブなコミュニケーションを目指しましょう!
これが今日私が伝えたかった一番の主旨です。
アサーションスキルは一朝一夕で体得できるものではなく、日頃の心がけと意識で少しずつ身についていくものです。
人の悩みのほとんどは、人間関係かお金に起因するものといわれますが、みなさんも若い今のうちからアサーションスキルの体得を心がけ、円滑な人間関係を築いていきましょう!
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは今日はこの辺で、、、
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