【高1,2年生向け】7月”進研模試”の「活用法」と「判定」をこう考える

進路
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。

今日は進研模試の話題です。
高1,2年生のみなさんの多くは、新学年初の模試を終えた時期だと思いますが、
実は毎回受けっぱなしで終わってしまう生徒が多いんですね(;´∀`)

ま、進研模試は学校から「受けなさい」的な半強制で受験させられる人も多いので、
終わってしまえば「やれやれ😌」ですぐに忘れちゃう生徒が多いのも無理はありません。

しかし進研模試は全国で400,000人以上の高校生が受ける日本で最大規模の外部模試です。
受験料も3,000円以上するし、貴重な休日を1日潰して受けるものですから、
できれば上手に活用したいですね。

進研模試以外にも外部模試はいくつかありますが、
今日は、

  • 受験者数が多い進研模試の特長と活用法
  • 「レベルが低い」といわれる進研模試の活用術
  • 判定の見方や考え方
  • 難関校を目指すメリット

…などについて、私なりの思いを記事にします。

私なりの思いを書くので、
違った捉え方もあることを最初に申し上げた上で、
お目通しいただければ、と思います。

最後まで読んでいただけるとうれしいです。

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進研模試の特長

高校生の約1/2が受験する

進研模試は、日本で最も多くの高校生が受験する模試です。
高校生の人数は、大体各学年100万人ほどですが、 
進研模試は40~45万人の高校生が参加するので、
ざっと2人に1人が受験する計算になります。

また大学入学者は毎年60万人ほどですから、
受験数が多い、ということは、
それだけ母数の多い正確なデータが集まる、ということです。

試験時間が長い

模試の試験時間は、1教科80~120分です。
それまで50分以上の試験を受けたことのない高1生には、
中学と高校の違いを実感する場面でもあり、
大学入試の厳しさを肌で感じる機会でもあるんですね。

進研模試はレベル低いの?

よく「進研模試はレベルが低い」と言われますが、
実際はどうでしょう?

模試は進研以外に大手予備校主催のものもありますが、
これらの多くは、受験層をかなり絞った作りになっていて、
ぶっちゃけ言うと、旧帝大早慶上理レベルをターゲットにしていることが多く、
地域トップ校の現役生や自校塾生に加え、浪人生や仮面浪人生を対象としています。

これに対し、40万人以上の高校生が受験する進研模試は、
地域の進学校から中堅校に加え、中堅校以下の希望者まで受験するので、
最も高校生で幅広い学力層の生徒がしのぎを削る場、だと言えます。

当然ですが、模試は大学入試の「練習試合」的要素が主です。
ほとんどの高校生は旧帝や早慶上理を目指すわけではないので、
誰もがそんなステージで模試を受験する必要がないんですね。

これを部活で例えるなら、一部の生徒で競うインターハイと、多くの生徒で競う地方大会では、自然と選手層が違うのに似ていると思います。
つまり、受験者層に合ったレベルで作問されている、ということであり、
レベルの高低で善し悪しが決まるわけではない、ということを理解してください。

以上から、進研模試は一部の受験生を除く多くの高校生向けに作られたものであり、そのことから、難関大~中堅大あたりの判定や、一般的な学力補充や弱点克服には最適なツールだといえるでしょう。

模試は自分のレベルや目的に合ったものを選んで受験するのは、そのためでもあります。

…とは言っても進研模試だって難しい

…とは言いますが、先日模試を受けた皆さんにそんな印象はないでしょう。
進研模試だって、かなり縦長*の学力層を対象に作問されているからです。
(縦長*とは、学力層の高低差が縦に長いことをいいます)
だから多くの生徒にとって3~4割得点できれば上出来のレベルです。

それでも全国偏差値は50を軽く超えることもあるし、
時には校内偏差値が100以上と出る場合だってあります(;’∀’)

このことから、進研模試といっても、現役の高1,2年生の多くには、相当レベルの高い問題が並んでいる、ということです。

受験勉強とは、こんなレベルの問題に歯が立つ自分を、
鍛えて作り上げる大仕事なんですね。

スタディサポート(スタサポ)

また、進研模試以外にもBenesseには「スタディサポート」という学力診断テストも用意されています。
スタサポはマーク式の良問が揃い、学校の学力に応じたレベル分けもあります。
また学習習慣等の分析も同時に行うので、学習法の改善や弱点克服には有効なツールでもあります。
詳しくは以下のサイトや動画を参照してください。

スタディーサポート 総合結果ダイジェスト|マナビジョン|Benesseの大学・短期大学・専門学校の受験、進学情報
スタディーサポートの総合結果を確認しよう
引用元:Benesseマナビジョン「スタディサポートとは」より引用
引用元:Benesseマナビジョン「スタディサポートとは」より引用

高校1年生のみなさんへ

高校生活最初の模試はなかなか大変だったと思いますが、今はホッとしているでしょう。
高1生は全員が「国数英」の主要3教科受験で、基礎力の定着を図る目的で行われます。

模試返却までにすること

模試が終わって、なるべく早いうちにする方がいいのは、
解き直し自己採点
です。

また進研模試デジタルサービスにアクセスすると、
模試の復習動画を視聴することもできるので、積極的に利用してみましょう。

解き直しでは、
もう一度同じ問題を解いてみて、
「解けた原因」と「解けなかった原因」を自己分析しましょう。

解き直しをしながら自己採点することで、弱点を把握することが大切です。

自己採点を兼ねた解き直しが終わると、
解答冊子と自身の解答を比較し、
疑問点を洗い出します。

解答冊子を見ても理解できないところは、
学校か塾の先生に質問、または動画で確認して、理解を確実にしておきましょう。

模試返却後にすること

模試が返却されたら、偏差値や順位が気になるところですね。
「校内」「県内」「全国」それぞれに出る数字ですが、最も気にしてほしいのは
「全国偏差値」です。大学入試は全国の受験生と合否を争うものだからです。

次に自己採点との比較です。
今回は記述式の模試ですから、部分点を含む採点基準を知ることで、
出題の意図や目的を理解することも大切です。

さらに、設問ごとの解答率を確認し、苦手分野の克服に努めましょう。

進研模試デジタルサービスにアクセスし、復習問題にチャレンジすることもできます。
アクセスキーは模試の判定資料に掲載されています。

また偏差値については、私の過去記事も併せて参照していただけるとうれしいです。

高校2年生のみなさんへ

高2生の模試は「教科が増えること」「志望校の判定が出ること」ですね。
中でも気になるのは判定結果でしょう。
模試の判定をどう考えるか?については、↓に書きましたので、
そちらをご覧ください。

模試返却までにすること

これは高1生と同じで、
解き直し自己採点です。

「テストはレントゲン」
と私は生徒によく言っていましたが、
模試で解けなかった問題やケアレスミスを発見し、
改善に努めるための復習をしておきましょう。

解答解説でもわからないところは、
早め早めに先生に質問しておきましょう。

模試返却後にすること

これも高1生と同じですが、
高2になるとさらにやって欲しいことがあります。

それは「進路研究」です。

志望校の判定結果を踏まえて、
夏休みのオープンキャンパスの計画を立てることや、
判定が「科目不足」で出ないこともよくあるので、
次回模試でそうならないよう、入試問題を含めた進路研究を始めましょう。

さらにまだ自分の知らない学校に、よりふさわしい穴場がある可能性もあります。
とにかく高2段階では、今後の伸びしろに期待して高望みするくらいがちょうど良く、
高めの目標を掲げて、早めの受験勉強に取りかかるよう自分自身を鼓舞してください。

私自身も志望校を決めたのが「高2の6月」でした。
周りから「無理だ」と言われましたが、1年半の頑張りで無事志望校に合格することができました。

高校生の3年間は意外に早く過ぎていきます。
まだ2年だから…
ではなく、
もう2年だから…
という意識で、ちょうどよい準備ができるはずです。

判定をこう見る(高2生向け)

判定から、目指せる大学を知る

模試が返却されてまず気になるのが志望校の合否判定です。
判定は、A~Eの5段階で行われ、

A 合格可能性80%
B 合格可能性60~80%
C 合格可能性40~60%
D 合格可能性20~40%
E 合格可能性20%以下

という判定が出ます。

A判定ならうれしくて、E判定でがっくり肩を落とすんですが、
だからといって、

この判定から「A判定の学校を第1志望」にするのは短絡的です。

もちろん、判定に関係なく鉄板の第1志望校なら、その意思を貫けばいいんですが、
判定だけで第1志望に祭り上げるのはやめておけ、と言いたいです。

これはよーく考えたらわかることですが、
A判定は「今の力で十分合格できる可能性があります」
という意味です。

これを言い換えれば、
「これから受験勉強しなくても大丈夫ですよ」
と言っているようなものです。

入試本番までの残り時間にまだまだ「伸びる可能性」があるのに、
今のA判定で満足するのは「もったいない」と思いませんか?

目指すべき大学は

こう考えると、特に強い希望でもない場合の
A判定は、
「志望校を再考しなさい」
というメッセージ、
つまり「あなたはもっと上を目指せます」
と言われているのだ、と理解してほしいです。

模試の判定から第1志望にするのは、
高2の今なら

C~E判定あたりの大学です。

C判定なら、今の学力でも約50%の合格率なんだから、
これを70~80%に引き上げる勉強を計画すればいい。

またE判定だからといって落ち込む前に、
自分はEのどのあたりに位置するのか?
を確認してみましょう。

E判定は、志望者のほぼ6~8割ほどに付く判定ですが、
もうすぐD判定のギリE判定あたりなら、十分逆転可能な立ち位置です。
逆に、D判定がはるか「雲の上」にあるなら、合格はかなり難しいとも思われます。

入試はデータ戦

入試はデータの塊です。
よく「難化」「易化いかという言葉が使われます。
これは依然と比べた倍率や問題の難易度を言語化したもので、
受験生にとっては「易化」したから合格しやすい、というものではないです。 
結局、実力がなければ「落ちる」んですね…

Benesseや大手予備校は、入試に関する膨大なデータを持っています。

どの時期のどんな模試でどんな点を採った生徒が、どんな大学を受験して、どんな結果だったか?

というデータや、

共通テストの自己採点で何点だった生徒がどの大学を受験し、結果がどうだったか?

というデータまで持っています。

上の画像は共通テスト自己採点結果から合否分布表です。
高校の先生が出願指導できるのは、こんなデータが提供されているからです。
これがないと、先生だって出願指導や進路指導はできないのです。

私も教員時代は大変お世話になった資料です(^^;

入試は、まさにデータ戦なのです。

難関校を目指すメリット

東大を頂点とする大学のランキングは、
依然として存在する学歴フィルターをはじめ、人を格付ける一要素として今も利用されます。
しかし一方で、学歴で人を判断するのはナンセンスだとも言われます。

私は「可能であれば難関校を目指すべき」というスタンスです。
自分の子どもたちにも可能であればそれを目指すよう言い聞かせて育てました。

高校も大学も職場選びでも一緒なんですが、
進学や就職は「どんな人達の中に所属するか」という選択でもあるわけです。
私が「難関校を目指すべき」だと思う理由は、

「難関校はそれなりに努力を重ねた人たちの集合体だから」

なんですね。

努力を重ねて夢を実現した人の集団には、努力することが当然の感覚

としてあります。
だからお互いに切磋琢磨できる環境が、自然と形成されるんですね。
同じ勉強や仕事をするなら、そんな環境が理想だとは思いませんか?

GTZ

GTZって何ですか?(BenesseマナビジョンLabより)

評価評価の位置づけ
S1最難関大レベル
S2難関大レベル
S3
A1難関大可能レベル
A2国公立大・中堅私立大レベル
A3
B1国公立大・中堅私立大可能レベル
B2
B3
C14年制大可能レベル
C2
C3実力養成レベル
D1基礎力養成レベル
D2
D3基礎・基本養成レベル
引用元:マナビジョンLab「GTZってなんですか?」より引用

GTZとは、Benesseが定める学力ゾーンのこと。
上表のようにS1~D3まで15段階あります。

偏差値は受験母体の質量により変動するのに対し、GTZは受験者の「学力層」を示したもの、という違いがあります。

志望校判定(A~E)よりも細分化された学力ゾーンを知ることで、自分の立ち位置をより正確に知ることができるとともに次の目標設定がしやすくなる、というメリットがあります。
進研模試やスタディサポート(スタサポ)を受けると、判定として出てきます。

目指したいランク

高校生として、
可能であればC3以上の学力を有して進学(就職)しないと、
その先で授業や仕事についていけない、とも言われます。
これは基礎学力の大切さを表しています。

また大学生として、学問に前向きなのは、
最低でもB3、欲を言えばA3以上の大学
を目指してほしいところです。

模試の判定は、A~E以外にもGTZや設問別正答率など、見るべきところがたくさんあります。

「次のGTZは〇〇を目指そう」とか、
「設問別の弱点分野を克服するような復習を進めよう」

…など、具体的な目標を立てるのに、模試の結果は最適の情報です。

判定見て一喜一憂だけで終わるのは、
あまりにももったいない!(;´∀`)

データを有効に活用できるよう、がんばってくださいね。

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まとめ

私自身も過去に高校時代があり、何度も模試を受けましたが、
その活用や復習、判定の見方などを教えてもらった記憶はありません。
だから受けたら受けっぱなしだったし、判定見て落ち込むだけの模試だったような気がします。
一度だけ、どうしてもA判定が欲しくて、行きたくもない大学を志望校に入れ、そこがB判定だったのに、より落ち込んだ思い出すらあります(^^;

しかし教員となって生徒に進路指導をする立場になり思ったのは、これだけの「情報」を自分の学習や進路選択に活かさない手はない、ということでした。
高校時代、採点済みの答案と判定資料のみ返されて、何も活用できなかった自分が恥ずかしくて情けなく感じたものです。

進研模試は高校生の2人に1人が受ける日本最大の模試ですが、ここで得られる貴重な情報を今後に活かしている高校生がどれほどいるか?は私にはわかりません。
でも今の高校生は何かと忙しく、とてもそこまで手の回る生徒は少ないのではないでしょうか。

もちろんそんな高校生に、ここに挙げたすべてを実行しなさい、とは言いません。
せっかく受けたのなら、復習だけでも、進路研究だけでも、弱点克服だけでもいいので、できる範囲での活用をしてほしいと思って、今日の記事を執筆しました。

また間もなく始まる夏休みに向けて、学習目標の設定に活用するのもいいでしょう。
高1,2年生は、まだ受験には本気にならない学年ですが、早くから準備を始めた者が有利になるのは確かです。
そして周りが本気を出さない今だからこそ、大きく差を広げるチャンスでもあります。

連日の酷暑、ただでさえ忙しい毎日の中で、少しでも有効な活用ができることをお祈り申し上げます。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、、、また次回、、、

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