中学校と高校の違い_授業・進級・卒業・学校生活・部活・進路…

中学生向け
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。

今日は中学校と高校の違いを見てみましょう。
高校入試を控える中学生はもちろん、
高校生にも改めて知ってほしい内容です。

中学も高校も、通う期間は3年間。
教科ごとに専門の先生が授業をされ(教科担任制)、
中間や期末考査、部活動や体育祭・文化祭、修学旅行…なども
ほとんど同じなのに、
「何が違うんだろう?」
と、私自身もその頃は思っていたことです。

しかし「知らなかった」では済まされない内容も含みますので、
高校進学を控えた中学生には、この時期に読んでほしい内容をまとめました。

まず中高の違いを簡単な表にまとめ、
その下にもう少し詳しく各々の内容を書いていきます。
最後まで読んでいただけて、何かの参考になれば幸いです。

なお本記事は、2022年9月6日に公開のリライトとなります。

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(小中学校の学び直しも可能)


大学受験を目指す方を対象とした先生を選べる通信制高校サポート校

こんな違いがある

 中学校高等学校
カリキュラム義務教育であり、学習指導要領で決められた全国一律の内容
特区になると特別なカリキュラムも
課程・学科・類型により多様なカリキュラム
学校設定科目の設定も
授業公立は縦長の学力層に対応するため、平均的な層に合わせて進行
私立は学校のレベルに応じた授業内容
生徒の実情に応じ、学び直し~ハイレベルな授業まで様々な授業内容
進級・卒業認定全員が進級・卒業する各校の定める内規により、進級や卒業が認定される
転編入や高認験という制度もあり
教科書教科書は支給される
選定は所管の教育委員会
教科書は各自で購入
文科省の検定をパスした中から、各校ごとに選定される
教科によっては学校間格差に対応した難易度の違う教科書が用意されている
通学公立は概ね通学区域が決まっている
ほとんどが徒歩か自転車通学
学校選択可能な地域もある
公立はほとんどで全県一区制
公共交通機関か自転車を使う生徒が多い
校則どこも厳しめ
お菓子・スマホ持ち込み禁止
学校の実情により、ほとんどない所から、かなり細かく規定されている所まで様々
制服校内では(原則)名札着用体操服や実習着以外に名札は付けない
進路約99%が高校に進学する就職または進学
進学は4年制大学、短期大学、専門学校など多岐にわたる
部活ほとんどが運動部
文化部で活発なのは吹奏楽部くらい
中学校に比べ、部活数が多い
中学校よりレベルが高く、活発な文化部も多い

カリキュラム

カリキュラムというのは、「時間割」のこと。
週に何の授業が何時間行われるか、のことです。
「必履修科目+各校の実情」に応じて編成されます。
必履修科目とは、高校の課程で履修しないと卒業が認められない科目のこと。
学校によっては、学習指導要領にない新たな科目(学校設定科目)を設けている学校や、
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)などの指定を受けている学校にのみ開設されている科目も存在します。

学年が進むと「類型(下記参照)」や「選択科目」から同じ学校でも、違った時間割で授業を受けるのが一般的です。

単位や履修に関しては、私の過去記事(履修と修得)も参考にご覧ください。

課程

高校の課程というのは、全日制・単位制(定時制・通信制)のことです。
「全日制」は昼間に、原則6時間程度の授業を行う高校で、修業年数は3年です。
「定時制」は昼間または夜間に4時間程度の授業を行う高校で、一般的な修業年数は4年です。
「通信制」は自分の都合に合わせたカリキュラムを作成し、主に自宅で課題に取り組みます。定められた日に登校し(スクーリング)、授業を受けることもあります。

学科

普通科や総合学科、商業科、工業科…など、本人の適性や進路希望により、様々な学科があります。

類型

学科をさらに細分化したもの。文系・理系をはじめ、特進クラスとか体育コース、芸術コース…などが類型と呼ばれるものです。
学校ごとに多様な類型が設定されています。

授業

高校の授業は、学校の実情に応じて、小学校の学び直しからスタートする所もあります。
進学校と呼ばれる高校では、授業の進度が早く、1年半~2年程度で3年分の内容を終え、残りが受験のための演習に充てられる、という学校もあります。

教科と科目

「教科」というのは、国語とか数学…という大分類のこと。
「科目」は理科なら生物とか物理…といった「枝」にあたるもの。
高校のカリキュラムでは、受講する科目を「選択」できる場合もあります。
芸術教科は、音楽・美術(工芸)・書道から1科目選択するのが一般的です。

進級・卒業認定

高校は中学のように義務教育ではないので、
進級・卒業は”認定されないとできない”仕組みになっています。

生徒にとっては、これが一番気がかりな点でしょうね。

各校には、進級卒業の認定条件を定めた「内規」があり、
原則進級や卒業の認定は、この内規が基準になります。

しかし高校は「普通にやることやってたら、普通に進級卒業はできます」から、
必要以上に心配しなくても大丈夫です。

なお、単位制高校には「進級」という概念はありません。すべての高校では「年度内に必要な単位」を「履修・修得」することで、校長がこれを認定します。
「年度内に必要な単位」とは、各校の内規に定める進級・卒業規定を満たす単位数を指します。

「単位」とは週に行われる授業数のことで、週に2時間の授業があれば、その科目で2単位を履修し、修得すること。

「履修」とは、年間に決められた授業への出席数を満たすこと、で、
「修得」とは、履修した科目で、一定の成績を修め、単位認定をされること
、をいいます。

単位認定は、考査、提出物、授業態度…等で総合的に判断されます。

また不登校生徒や留年生徒、勤労学生の受け皿として、単位制高校である通信制や定時制への転編入制度もあります。
転編入では、前籍校で修得した単位を持っていくことができます。

つまり、前籍校+原籍校の単位を合算して卒業認定がされる、ということで、昔修得した単位が無駄にならないんですね。
だから、全日制を高1途中で休退学した場合は認定単位が0なので、少しでも修得できそうなら3月の単位認定を待って転編入するケースが多いのです。

ちなみに、

転入=別の学校に移るまで空白期間がない(同級生と同じタイミングでの卒業が可能)
編入=別の学校に移るまで空白期間がある

という違いがあります。

図版引用元:社会人の教科書より

なお、上級学校(大学、短大、専門学校)への進学は、高校卒業または年度末の卒業見込みでないと受験することができません。
しかし例外的に「高認験」という制度もあります。
以下のリンクからその制度を確認してください。

高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定):文部科学省
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)に関する重要なお知らせから、試験概要も掲載。受験案内や出願書類もこちらから。各種証明書の申し込み案内等

また私の過去記事も参考にご覧ください。

教科書

義務教育ではない高校の教科書は、毎年販売されるものを各自が購入します。
入学や進級の決まった3月、各校に本屋さんが売りに来ることが多いです。
教科書+副読本(ワークなど)が販売され、大体1~3万円ほど。
年度途中に教科書を失くしたりしたら、もう一度買い直しです(-_-;)

高校の教科書は各校の先生方が採択します。
見本誌に目を通し、生徒の実情に合ったものを選びます。
数学など、学校による学力差の大きな教科では、同じ出版社から難易度の違う数種類の教科書が用意されています。
多くの生徒は「自分の使う教科書以外」を知りませんので、校外模試や入試問題があまりにも難しくて面食らう生徒もいますが、これにはそんな事情もあるんですね。
教科書は、自分に合ったレベル内容が最もコンパクトに書かれていて、主要教科ではガイドも売っています。授業の予習復習はもちろん、入試も教科書を基準に出題されることが多いので、何度も繰り返して活用してください。
ちなみに教科書は、一般の人も指定の書店であれば購入可能ですよ。

通学

高校は中学時より通学区域が広いので、通学に時間がかかることが多く、
徒歩や自転車より、公共交通機関を利用する生徒が増えます。
JRは人身事故や天候でよく遅延するので、授業が予定通りに始まらないこともしばしばです(;’∀’)

遠くの学校に通う我が子を送り出す保護者は「途中で事故に遭わないように…」
と、毎日気が気ではありません。
↓にも書きましたが、そんな理由でスマホ持参を認める学校がほとんどです。
帰りが遅くなる時は、早めに親に連絡をすること。
忘れ物をしても取りに帰れないので、持ち物の準備を前日にしておきましょう。

通学時間も長くなり、トラブルに遭う可能性も増えるので、
時間に余裕をもって動いてほしいな、と思います。

通学途中に痴漢等の被害に遭った時は、警察か学校の先生に報告してください。
学校と警察は「連携制度」をとっていて、お互いに情報を共有するシステムをとっています。
電車内で痴漢被害に遭えば、しばらく鉄道警察隊が同乗してくれる…等の配慮もしてもらえます。

また逆に深夜徘徊等で「補導」されても警察から学校に連絡が入る制度になっていますよ(;’∀’)

校則

校則は、学校によってまちまち。
私の経験では、進学校ほど緩い傾向ですね。
ま、これは多くが実感するところだと思います。
一方、教育困難校では、超厳しいか、超緩いか、のどちらかです。
これは意外に思われるかもしれません。
一部の教育困難校では、校則云々言ってる場合じゃない所もあるんですね(;’∀’)

あとほとんどの高校は、スマホを学校に持参することを認めています。
これは通学に時間がかかるからです。
スマホは授業中こそ使えませんが、休み時間ならOKの学校もあれば、始業時~終業時まで教員が預かる、という学校もあります。

あと私の勤務校では、お菓子の持ち込みも認めていましたね。休み時間は食べてよかったです。

そして今はブラック校則が非難される時代です。
これも民主的に自分たちの力でお互い納得いくものに
作り変えていけるといいですね。

特に中学生のみなさんは、偏差値以外にも、部活、通学、行事や校則など、
生活面の特色を確認して志望校を選んでください。

以下は校則に関する私の過去記事です。

制服

制服は、

・その学校の生徒である証であり、
・服装に必要以上にお金をかけないこと

を目的に決められているものです。

制服がかわいいという理由で志望校を選ぶ生徒もいます。

不思議なもので、制服は誰が着ても似合うように出来ていて、
何十年もモデルチェンジしないのに、
時代遅れの印象を与えない点も秀逸だと思います。

中学にも制服はありますが、
高校との違いは「名札」を付けないことです。
今は小中学校でも個人情報の観点から、登下校時に名札を着用しませんが、
高校には名札の存在すらありません。
何故だと思いますか?

それは、
高校が義務教育ではないからです。

つまり高校生は名札のない制服を着て
「学校の看板を背負ってる」っていう感覚なんですね。

「電車内でマナーが悪い」
と苦情の電話が学校にかかってくるのも、
制服=学校
だからです。

もちろん逆の場合だってあります。

「お宅の学校の生徒が助けてくれた」
「生徒の名前がわからないから、せめて学校にお礼を言いたくて…」

という電話もかかってくるんですよ。
そんな時は、制服に誇りを感じてほしい、と願って
学年通信に全力で紹介していましたね( ´∀` )

これは社会人になっても同じです。
万引きをしている制服警察官…
なんてシャレになりませんからね…(-_-;)
制服はその学校(職場)の顔なんです。

しかし中学校は義務教育だから、
電車のマナーが悪くても
〇〇中学の××という生徒のマナーが悪い
制服=個人
という感覚になるんですね。
「義務教育だからそんな生徒もいるだろ」という感覚です。

あともう一つ感じるのは、
制服をモデルチェンジしていない学校は
地域の伝統校や進学校の特徴です。
周年記念等でモデルチェンジする学校もあるので、これは一般論ですが、
「保護者もこの制服を着てた」
というだけで、生徒は長い伝統を感じ、誇り高い気持ちになるのではないでしょうか。

ま、昨今は女子生徒のスラックス着用が増えてきましたね。
少し前には思いもしなかった流れですが、個人的にはいい傾向だと思っています。
LGBTQについては、過去記事でも述べているので、よろしければご覧ください。

進路

これは、中学校とは違いすぎて、
この紙面だけではとても書ける内容ではありません。
下の過去記事もご覧ください。

ここで言えるのは、
高校卒業後の進路は、
とにかく選択肢が幅広い」
ことです。

また、高校卒業後の進路は、
その後の人生にかなり大きな影響
を与えます。
進路1つが「あなたがどう生きるか」という
その人の人生を大きく左右する選択になるのです。

だからこそ真剣に考え、愚直な努力を惜しんではいけません。

部活

部活は、学習とともに高校生活の両輪を形成する活動です。
中学の続きで同じ競技もいいし、
自分探しのために違う世界に首を突っ込んでもいいでしょう。
ただ、吹奏楽や野球、サッカーなどは経験者が多く、高校から始めるには厳しいところもあります。
しかし高校には、中学にはない競技もあり「全員が初心者」の部もあります。

部活動は
生徒への強制加入問題とか、
先生の過重労働の問題とか、
負担も大きな一方で、
高い教育効果もある活動です。

高校生の部活動は、中には大人顔負けの高い能力を発揮する生徒もいますし、
これが卒業後の進路に直結することも珍しくありません。
中学との違いは、それくらいレベルが高くなるということです。

また高校は中学よりも文化部に加入する割合が多くなります。
これは、高校生になると、より自己の適性に合った活動を求める自然な結果です。

そして、このような経験を通して、
忍耐力・集中力・技術力を高め、
奥の深さやこだわりの姿勢、自分の適性、

人との関わり方や礼儀なども学べる場となります。

もちろんこれらは、部活以外の場面でも涵養できるので、
私は「部活なんてやりたい者だけがやればいい」
と思っています。
部活動はたとえ実績が残せなくても、経験は残せますし、
それが次の一歩に資する大切な財産になることは間違いない、と思うのです。

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最後に

このように、中学と高校では違うところがたくさんあります。
よりよい高校生活を送るためには、そんな高校の「現状」を受け入れて、
なぜそんな制度になっているのか?ということを理解しましょう。
高校は中学より「自由」な部分もありますが、
反面「個人の責任」が強く求められるところです。

今日は主に中学生に向けた内容としましたが、高校生でも知らないことがあったかな?
ぜひぜひ納得の進路選択と、充実の高校生活となりますように、、、

ではでは、、、また次回、、、

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