【偏差値】って何?_意外に知らない「偏差値が絶対ではない」理由

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今日は大学入試に欠かせない「偏差値」の話です。
偏差値とは平均点と50として、全体分布のどの位置にいるか?を示す数字、ということはご存じのはずです。

しかし大学入試の合格可能性偏差値を見ると、同じ大学学部でも、A模試では60、B模試では65と出たりします。なぜ、同じ入試を受けるのに数字が違うのでしょうか?

また、高校入試の偏差値がそのまま大学入試の偏差値ではありません。
これは案外知られていない事実です。
つまり、偏差値60の進学校に行っても、同じ60の大学に合格するのは大変なのです。

そう考えたら、偏差値って何??
ってわからなくなりますよね。

今日はそんな数字のマジックに隠された現実をお話しします。
11月の進研模試やマーク模試も終わった頃かな?
最後まで読んでいただけると、うれしいです。

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偏差値とは

偏差値を理解するには「平均点」「標準偏差」を知る必要があります。

平均点

平均点は、全受験者の点数合計÷受験人数で求められる数字です。
自分が平均点より上なら、偏差値は50を超え、平均点に満たない場合は50未満となります。

標準偏差

標準偏差とは、全受験者の点数がどれくらい散らばっているか?を示す値です。
詳しい計算方法は、文系の私には正直よくわかりません(;’∀’)
下の画像が標準偏差を求める公式です。

引用元:標準偏差とは?初学者向けに意味から求め方までわかりやすく解説より引用

標準偏差が仮に10だとすると、平均点の±10点の範囲に、およそ68%が、±20点の範囲には95%が集中している、という意味になるそうです。

だから、平均点が60点のテストで50点を取った場合でも、標準偏差が5と10の場合では、
「平均点から10点低い」という点差は同じでも、全体の立ち位置(順位)はかなり違う、ということを意味します。

偏差値の算出方法

偏差値は、以下の計算式で算出できます。

偏差値=10×(個人の成績 - 平均点)÷(その科目の標準偏差)+50

そして、偏差値の分布を可視化すると、下のようなグラフになります。
これは「正規分布」といって、グラフが富士山のような左右対称となった場合のもの。
受験者数を1,000人とし、偏差値60と70の順位を示したものです。
偏差値70って、かなり上位の成績だとわかるグラフです。

引用元:ここまでやるTOMEIKAI Vol.2 偏差値10アップを達成する勉強法とは?より引用

ただ現実には上記のような正規分布になることはまずありません。
難易度による平均点が極端だったり、母集団の数やレベルでも大きな差が生じます。

校内偏差値? 全国偏差値?

模試を受験して結果が返ると、点数とともに3つの偏差値が出てきます。
校内・県内・全国を各母集団とする偏差値です。

学校によっては「全国偏差値は高いのに、校内偏差値は低い」とか、逆の場合もあったりして、何を信用すればいいかわからない人もいるのではないでしょうか。

中学で受けた公立高校入試の模試は県内での偏差値や順位が出て、これを基に判定されます。
公立高校入試は、原則県内の中学生が受検するので、県内中学生を母集団として偏差値を出します。

しかし大学入試は「全国区」です。
全国の受験生と勝負するため、判定は「全国偏差値」で行われるのです。

そのため進学校では高偏差値生徒が母集団となるため、校内偏差値が低めに出て、教育困難校の場合は逆に出ます。
たま~に、教育困難校でも「英語だけは恐ろしく出来る」生徒などいたら、校内偏差値が100を超えることだってあるんですよ(;’∀’)
こんな生徒にとっては在籍校の授業は簡単すぎてつまらないでしょう。

高校が「偏差値で輪切り」にされていることに非難の声を聞くこともありますが、こう考えると、生徒個々に応じたレベルで授業が展開されるメリットの方が大きい、とも言えますね。

偏差値は母集団で変わる数字

模試による偏差値差

偏差値を最も身近に感じるのは”模試”を受験した時です。
業者模試も、進研模試(Benesse)や河合塾、東進、駿台、代ゼミ…など、大手予備校等が主催する各種があり、判定でボーダーとなるC判定(合格可能性50%)は、模試によって多少の差が出るのが通常です。
それは何故でしょうか?

これは模試を受験する母集団の「数」や「層」に差があるからです。

受験生の多いBenesseの模試は、幅広い学力層を対象にするため、難易度が低めと言われますし、その次に続くのが河合塾あたりでしょう。
受験生の多いこれらの模試は母数が多いので、特に中堅校の判定がより正確だといわれます。
一方でハイレベルな生徒はこれを嫌ってあえて受験しないこともあるので、難関校の判定には資料不足の場合もあって、判定を鵜呑みにできない危険性も含んでいることを理解しましょう。

東進や代ゼミは、難関大学別の模試も実施しています。
旧帝大や早慶レベルを目指す受験生ばかりが受験し、問題傾向や難易度も大学別の傾向に沿った出題ですから、このレベルを目指す受験生には外せない模試です。
そして難関校の判定は、この大学別模試が最も現実的で信頼できると思います。

高校入試と大学入試の偏差値差

業者模試と同様、高校入試と大学入試の偏差値もイコールではありません。

昨年度の高校進学率は98.9%と、中3生のほぼ全員が高校に進学します。
だから高校入試の偏差値は、中3生のほぼ全員を母数とする数字ですから、その母数分布は縦長(標準偏差が大きい)です。
中学校の授業は、この縦長の生徒達が集団に混在する中で行われるため、できる子にはもの足りなく、できない子には非常に難しい内容に映るのです。

ですから偏差値60の高校に合格しても、大学入試の60とイコールではありません。
大学入試は、高校生の中でも限られた層が母集団となるからです。
特に難関大学別模試は、ほぼ同じ学力層が集中して受験します(標準偏差が小さい)から、その中で60の偏差値を叩きだすのはさらに困難だといえるのです。

信頼できる偏差値って

しかし大学入試の偏差値は、判定に活かせる反面、大学のレベルを表す数字としては信用に欠ける一面もあります。

これは大学入試が、一般入試以外に学校推薦や総合型選抜など、多様な選抜方法があるからです。
私が大学を受験した40年前は、一般入試ばかりの時代。
センター試験の前身「共通一次試験」は、5教科7科目1000点満点で、私立大学は参加していませんでした。
今のように教科を選んで受けられるシステムはなかったのです。

だから、受験生のほぼ全員が「同条件」だったので、大学は一定の学力層以上が集まるところでした。

しかし今は全く違います。
多様な選抜方法で入ってくるので、多様な学生層が集まります。
一般入試なら明らかに不合格レベルの学生もたくさん在籍しています。

だから大学名だけでその人の学力レベルを測ることはできなくなりました。
学歴フィルターは、今も厳然と存在しますが、今は大学名だけでなく、入試方式までフィルターにかける企業もあると聞きます。
特にAOや指定校、スポーツ推薦で入学した学生は、学力に疑問符が付くことも珍しくありません。

さらに大学入試より同条件で入試が行われる出身高校まで参考にされることがあります。
就職の際必要となる「履歴書」の学歴欄は、義務教育終了時から記載するのも、そんな目的があるからなのかもしれません。

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まとめ

以上のように、偏差値は「信用に足る」一面と、場合によっては「鵜呑みにはできない」一面もあることを知り、適切に活用したいものです。

受験勉強に際しては、模試の偏差値や判定、順位ばかりに一喜一憂せず、過去問を時間通りに取り組んで、合格最低点との比較から自分なりに手応えを掴んだり、今後の学習計画を立てることも大切です。

今月は模試を受験する人も多いと思いますので、データを上手く活用できるよう正しい理解に資すれば、本記事を執筆した甲斐もあります。

推薦入試真っ只中の今月、確かな手応えを掴んでくれることを祈念して止みません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、、、また次回、、、

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