【校則】は何のためにあるの?_校則を変えるのは可能?

学校生活
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今日のテーマは「校則」
校則は生徒には「うっとーしい」ものですよね。

私も高校生の時、毎月の頭髪検査がとてもイヤでした。
指摘されるのがイヤだったので、検査の前日にはカットに行ってなんとかスルーしてたんですが、
それでも一度だけ検査に引っかかったことがあります。
私の学校は「男子:髪は耳・眉にかからないこと」という校則があって、
「貫雪、もう1ミリ切って来い」
と言われ、唖然となりました(;’∀’)
「え!?…1ミリ??…」

翌日の再検査にそのままで行って「合格」しました(^^;
「なんやねん!?これ…」

ま、それも今ではいい思い出ですが、
そんな私も教員時代には生徒指導主任もやらせていただきました。
ここは生徒に一番嫌われるポジションです(-_-;)

頭髪ばかりではなく、いろんな問題行動で生徒と関わりました。
そんな経験から今日は校則やルールについて、私個人の経験談や考え方を述べます。

今回はかなりの長文になりますが、最後まで読んでいただけるとうれしいです。

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貫雪の著作はこちらからご覧ください

校則って

校則は学校生活のルール。
世間には様々な「ルール(決まり・約束)」がありますが、
日本国憲法や刑法、民放という法律から、条令や省令など、
それに反すれば、直ちに罰則を受けるものから、
社則や校則、家庭内や個人間での約束、マナーや作法…まで、
たくさんの決まり事、定めごとが存在します。

校則は、学校によってまちまちです。
一般的には進学校ほど規制が緩く、教育困難校と呼ばれる学校ほど厳しいことが多いもの。
大抵は入学時に生徒心得や生徒手帳に記載してある説明を延々聞かされます。
先生からすれば「聞いていない」「知らない」と言い訳させないためです。
内容は、服装や髪型、生活態度まで細かく規定されています。
そして「校則」がよく話題に上がるのは、その内容があまりにもブラックな場合があるからです。

ブラック校則

ブラック校則の存在が社会で問題視されています。

一例をあげると、
下着の色までを校則で規定し、さらに異性の教員がこれをチェックすることもある、という行き過ぎた校則が今も堂々と存在することに、元教員の私ですら驚きを隠せません。

よくこれを改定せずに放置しておいたな~(;’∀’)、とか
よく誰も反対の声を上げずにチェックが行われていたな~
と呆れてしまいます…。
某県の中学校には「ポニーテール禁止」という校則もあるそうです。
禁止の理由は「うなじを見た男子生徒が興奮するから」…だって(;’∀’)

東京都では今年度から都教委の指導で
ブラックな校則や指導方法を廃止する通知がされました。
このニュースは、自由権に抵触する校則改定の第一歩だと感じましたが、
教育委員会がこれを先導しなければならない現状に、学校の疲弊を感じました。

これは学校側(教員側)に改定の意思や問題意識がない…わけではないと思います。
良識ある大人であれば、これが大事なことと理解しているはずです。

ではなぜここで行き詰まるのか?
というと、皮肉なようですが、学校現場があまりにも「ブラック」だからです。

先生方はブラックな職場環境の中で、ブラック校則を改定することもできない
というのが皮肉な現状なのではないでしょうか。

さらに付け加えて言うと、特に公立校の教員は、数年に一度の異動があるので、
膨大な時間と労力を要する「校則改定」に前向きではない先生も多いと思います。
先生自身が「自分もどうせ近いうちに転勤するんだから、ただでさえブラックな上の更なる面倒は避けたい」
…というのが隠れた本音です。
つまり「面倒くさい」し、「現状維持が一番楽ちん」という本心もあるんですね(;’∀’)

もう一つ言っておくと、「校則改定なんて、教師主導で行うものではない。必要なら生徒から声を上げるべきだ」と考える先生もいらっしゃいます。これには私も同感です。

しかしこういう気持ちにさせるのも、学校現場があまりにもブラックで余裕がない、という一因もあるからなんですね(-_-;)

地毛証明

私が勤務した高校で特に厳しい校則は「髪色」でした。
高校生=黒髪
でなければいけないんですね、、、
…とはいっても、
すべての高校生が黒髪ではなく、生まれつき色素が薄い生徒もいて、
そんな生徒には「地毛証明書」を提出させていました。

「地毛証明」とは、保護者が「この子は生まれつき黒髪ではない」と書く一筆に加え、
幼少時の写真を添付して学校に提出する書類です。
これがあると、教師は何も言いませんし、それをいいことに地毛を染める生徒も出てきて、
別のトラブルになることもありました。

個人的には「地毛証明」ってバカバカしいわー!といつも思っていて、
こんなもの、画像加工でいくらでも誤魔化せるし、これが免罪符となって、
余計なトラブルが起こるくらいなら、地毛証明なんてない方がマシだと思っていました。

私の退職前は、地毛証明に代わる「カラースケール」を使っていましたね。
これは黒髪から茶髪まで、トーンごとに10通りほどの髪色見本が付いたもので、入学時に地毛を申告した生徒に「この子の地毛は〇番」と色の登録をさせていました。
よくまぁこんなものを考え出すもんですね(;´∀`)

引用元:製品概要 毛質・毛色・日本人の髪色標準色より

校則は何のために

しかし私は校則不要派ではありません。
特に高校には校則とは別に「学習規定」とか「卒業規定」があります。
義務教育ではない高校には、単位や卒業を認定するのに、一定のハードルが必要です。
そこが曖昧だと、集団は大混乱になるからです。

結論を言えば、校則は「個人」や「集団」を守るために必要です。
交通法規が「安全な社会」を維持するために必要なのと同じです。
髪色の規定は、生徒の進路保障のためにあるようなもの、だといえるでしょう。
就職のための「求人」が多い方が、生徒の選択肢は広がるし、
指定校推薦もたくさんの推薦依頼をとりたいのです。
そのためには、まず「見た目が大事」なんですね。
これが今の現実です。

だから先生方は、目くじらを立てるように、その指導に熱心です。(ていうか、熱心に見えます)
「君たちの進路保障のため」
という大義名分の元に…です。
もちろん実際面接に行く時に、多くの生徒は学校で「正しい」といわれる身だしなみで行くことがほとんどです。生徒たちもそのあたりはよくわかっているし、けれども先生にはグダグダ言われたくないんですね、、、
そして教師vs生徒の不毛な争いもなるべく避けたいものです。

そのためにできることは何でしょうか?

私は「話し合い」と「(校則を)生徒に考えさせる」しかないと思います。
そう考える理由と、その上で私が生徒と話し合って校則を改定した経緯を、以下に述べます。
上に書いた教育委員会の通知なんて本来はナンセンスです。「通知」と言ったって、一種の「強制」ですからね。

私の失敗

私がまだ新米教師だった採用2年目の秋。
担任が病気で休暇を取られたクラスの臨時担任として、
2年生のクラスを任されました。

クラスは直前に迫った文化祭に向けて、
クラス演劇を成功させるため、皆が一丸となって準備をしていた時期に
私は臨時担任になりました。

生徒たちの熱意はすごく伝わってきたし、
私も初めての担任業務だったので、
必死でクラスの取り組みを応援しました。

そして見事、学年で2位に入賞したのです。

…と、ここまではよかった( ´∀` )

問題はこの後起こりました。
生徒たちが「打ち上げ」の話をしているのです。
文化祭後の打ち上げは禁止されていたにも拘わらず…です。

ここを私は制止しなければならない立場だったにも拘わらず、
「生徒がこれだけ頑張ったんだから…」
という気持ちから、
「みんな本当によく頑張ったんだから、打ち上げはやってもいい」
「ただし条件がある」
「酒やタバコは絶対にやるな」
「帰りたい生徒を無理に引き留めるな」
「常識的な時間には終わりなさい」

これを聞いたクラスの生徒のほとんどは、
学校近くのお好み焼き屋(保護者経営)を会場に、
文化祭の打ち上げを行いました。

夜の8時ごろに打ち上げは終わり、
店から出たところを偶然通りがかった生徒会の先生に見つかり、
2年〇組の生徒が、文化祭後に禁止されている打ち上げを行った。
と、校内で問題になりました。

もちろん、他の多くのクラスも打ち上げをしていたそうですが、
運悪く見つかったのは、私のクラスだけだったのです。

糾弾

私はこの時、これを生徒の責任だけにしてはいけない
と思い、職員会議で正直に経緯を説明しました。

多くの先生はため息をつき、
中には、「せっかくの文化祭を台無しにした!」
と強く糾弾もされました。

そして私とクラスの生徒全員で、
学校中のごみ箱を洗う
と約束してしまったのです。

これをクラスに持ち帰り、経緯とともに生徒に伝えました。
生徒たちは、他のクラスも(打ち上げを)しているのに、
自分たちだけがこんな目に遭うことに不満を露わにしました。

さらに、私が生徒に相談もせず、
学校中のごみ箱を洗う、なんて勝手な約束をしてきたことに、
「自分たちは先生の条件を守ってやったのに、何故全員がごみ箱を洗わなくてはいけないのか!?」
という不満も出て、私は居場所がなくなる思いでした。

結局、ごみ箱洗いは全員で行いましたが、それ以降、私を見る目は「白い」ものに変わりました。
本当に後味の悪い、苦い経験をしたのです。

ルールは全員で守るもの

私は以上の経験から、ルールとして決められたものを、
個人の勝手な判断で破ってはいけない

と思うようになりました。

たとえ「理不尽だ」と感じるルールでも、
各々が勝手な判断で破ってはいけないのです。
これは「車が来ていなければ赤信号でも進んでいい」
と言っているようなものです。
これを社会全体で行ったら、ルールは無実化し、
グチャグチャになってしまいます。

だからルールとしてある以上、それを守らなければならないし、
ルールを変える方がよい場合は、
民主的な方法で、全体のコンセンサスの元に変えるべきなのです。

先生側の見方

校則で最も問題になるのは、先にも書いたように、生徒の髪色です。

先生方は目くじらを立てて、少しでも色落ちしたような髪色でも
「直しなさい!」
と、まあ徹底的に指導してきます。

私は「すべての先生が、この指導を本当に”大事”だと思っているんだろうか??」
と疑問に思ってきました。

だから時々「そんなに髪色って大事だと思う?」
と何人かの先生に聞いてみたことがあります。

そこで返ってくる返事はほとんどが、
「そんなに大事とは思っていない。もっと大事なことがある」
という答えです。

では「なぜそんな徹底的に指導するのか?」
とさらにいじわるに聞くと、ほぼ全ての先生が、
「守らなくてもいい」とか「そんなに大事ではない」
と生徒に言ってしまったら、集団が成り立たないから…

という答えです。

これは、先に書いた「私の失敗」から学んだことと同じでした。
私の価値観だけで「打ち上げをしてもいい」と言って、結果
クラスの雰囲気が悪くなった…その再現になる、と思ったのです。
そういう集団を作らないこと
の方が、髪色よりももっと大事なことだと思うのです。

しかし、いくら民主的なプロセスを経て、
仮に髪色自由、と校則を撤廃するのには
私自身は抵抗があります。

なんだかんだ言っても、まず、人は最も見た目で判断される、という現実
メラビアンの法則があり、まだ高校生の染毛や脱色に抵抗の残る現代社会では、
その指導に一定の必要性を感じています。
今でもやはり就活や入試に、現実その髪色では行けないんですね…

さて、これを読まれた特に中高生のみなさんは、
どんな感想や思いを持たれるでしょう?

結局私は「自由」と「勝手」は似て非なるもの
ということが言いたいのです。

自由と勝手の違い

日本国憲法にも保障されている「自由権」
大きく分けて「精神的自由」「人身の自由」「経済的自由」の三本柱から成り、
これをさらに細かく分類して「職業選択の自由」とか「言論の自由」…など、多くの自由権が保障されているのが現代社会です。
今ここに「自由権」を詳しく述べることはしませんので、
関心のある方は、以下のリンクをご参照ください。
コトバンク「自由権」

「自由」や「勝手」と聞くと「何をしてもよい」と理解する人もいますが、
ここには大きな違いがあります。

例えば、タイガースファンでもジャイアンツファンでも、これに制限を受けないのは、
思想信条の自由が保障されているからです。
しかし、言論の自由や表現の自由を盾に、ネット上で誹謗中傷を行うことは許されません。

この違いは「人や社会に迷惑をかけているか、いないか」の違いであり、
ネット上での誹謗中傷は「自由な」表現ではなく「勝手な」表現です。
誹謗中傷は、最悪人を死に追いやることもあるし、そこに至らなくても
多くの人を不快にする犯罪行為です。

だから、高校生に限らず、社会生活を営むすべての人は、
憲法に保障された「自由権」を正しく理解し、自身の言動に責任を持たねばならないのです。

生徒に考えさせることは可能か

私の持論をここで申せば、
校則は「生徒に考えさせるべき」
だと思っています。

ルールや決まりはなぜ必要か?
ということから考えさせて、
(もちろん助言は必要だろうけど…)
そのためにはどんなルールが必要で、
どんなルールを改定すべきか?
を考えさせるべきです。

また、校則の指導にも先生がどれだけ関わるべきか?というところまで、
生徒に意見を求めてみたらいいと思っています。

ここまで生徒に求めると、無責任に校則不要を唱える生徒はまず出てこないと思いますし、
ブラックと呼ばれる校則も姿を消すでしょう。
また自分たちで決めたルールに反する生徒も少なくなるはずです。
そして生徒が入れ替わっていく学校で、これを毎年やればいいと思います。
自分たちでルールを決めて守る、という、これまでにない伝統ができるかもしれません。

しかしこのような議論を学校全体でやることは難しいので、
生徒会執行部を中心に話を進めていけばいいと思います。
執行部が定期的に話し合い、定期的に全校生徒に発信し、意見を集約するのです。

そして、校則の改定や制定は、一般的に職員会議や生徒総会の議決が必要です。
最初は難色を示す生徒や先生方も、いずれその趣旨や効果を理解されるはずです。
意見がまとまらなかったり、否決されれば、これまでのままでいけばいいのです。

ぶっちゃけ言うと、ルールなんてそんなもんです。
時代が変われば、「非常識」が「常識」になる例は、世の中にいくらでもあるんですから…

校則改定をどのような流れで進めるか

私は、高校生にもなって校則を改定したいと思うなら、
基本的に生徒が主導となって行うべきだと考えています。
仮にこれが実現できなくても、生徒にとっては、民主的に課題解決をするスキルが身につく、
という点で、とても大切な経験になるはずだ、とも思うからです。

言われたことだけやっているのではなく、
自分たちで課題を発見し、どういう過程でそれを解決するか?
今年度から始まった「総合探求」の授業のねらいにもよく似ています。

ここでは、生徒会執行部ができる、改定に向けた流れの一例をご紹介します。

全校生徒アンケートから改定案を作成

校則の改定には、なるべく多くの生徒の思いが必要です。意見を聴取し、どのような形に改定するのがいいか、検討を重ね、改定案を作成します。

生徒会顧問や生徒指導主任に提示して意見を募る

改定案ができたら、身近な先生(この場合は生徒会担当や生徒指導主任)に提示して、先生側の意見を聞きましょう。生徒目線では見えていなかった課題が見えてくることもありますし、別の提案があるかもしれません。

執行部に持ち帰り、補正案を作成

先生の意見も聞いたうえで、補正できるところがないか検討し、補正案を作成しましょう。

意見聴取と補正案作成を繰り返す

このキャッチボールを繰り返します。話し合いが深まるとともに、時間の経過による新たな発想や考え方の変化も出てきます。

改定原案が完成したら「生徒会だより」などで生徒に告知し、質問や意見を募る

校内掲示や配布物、可能ならネット利用という手も使って、現在の進捗状況を報告し、全校生徒からの質問や意見をくみ取る機会を作りましょう。

さらに意見聴取と補正案作成を繰り返し、職員会議に諮る原案作成

ここまで来ると、かなり煮詰まった段階に入るので、先生方と再度協議する場を設け、先生方の会議に諮ってもらう準備をします。会議で紛糾しないよう、あらゆる想定を考えて、最終原案を作成しましょう。
また先生から出ると思われる想定質問を考えて、その回答も準備しておくと、より確実です。

運営委員会と職員会議で審議→可決なら生徒総会へ。差し戻しなら再検討

先生方の会議で諮ってもらい、可決を目指しましょう。もし差し戻しとなった場合は、条件も含めて執行部内で再検討する必要があります。

生徒総会で可決されたら校則改定

職員会議で可決されたら、生徒総会に諮ります。ここで否決されることはまずありませんが、これまでの努力が実る瞬間です。原則生徒総会は年に1回の開催ですから、そこに間に合うよう時間を逆算して課題解決のプロセスを踏みましょう。例外として、臨時の生徒総会を開催することもできますが、これはお勧めしません。定期総会に間に合わせる計画性や行動力、校則改定に向けた熱意も、人を動かす大切な要素です。

私が実際に行った校則改定の話

もう20年ほど前の話になりますが、
当時の学校は、今とずいぶん違いました。
ルーズソックス全盛期で、今以上に生徒の反社会的な問題行動が多かった時代。

スマホでガス抜きができる昨今の高校生は、とても素直になりましたね~(^^♪

20年前、私の勤務校は、地域の困難校でした。
タバコやバイクなど、問題行動は年100件は下らない…
つまり、常に生徒の誰かが謹慎中で、入学時には1学級40人でスタートするも、
卒業時には約3割の生徒がいなくなっていました。

生徒会執行部の子は、調査書目当ての子もいましたが、
そんな学校を少しでも居心地のいい学校にしたい、と
積極的に行事の運営などに取り組んでいたのです。

そんな時、生徒から校則改定の要望がありました。

「学校の指定カバンを自由にしてほしい」

当時は校章と校名の入った指定カバンが校則で決まっていたのです。
多くの生徒たちは、この高校に来たことに劣等感を抱いていて、
制服すら着たくないのに、指定カバンにまで校名が書いてあるのは嫌だったんでしょう。
またカバン自由化の学校もある中で、指定のかばんは嫌だ、という気持ちもあったと思います。

校内で話し合いを始める

生徒の気持ちを聞いて
「すぐに自由化はできないよな~」
と、真っ先に思いました。

失礼な言い方ですが、この学校の生徒で
自由と勝手の分別のつく生徒は少ないな、と思ったからです。

一方で、生徒の劣等感はよく理解できたので、教員と生徒会で会議をしたのです。

  • 自由化を求める気持ちはよく分かった
  • 自由化を認めることによって生じるデメリットはあるか?
  • デメリットがあるとすれば、その対策をどうするか?

という宿題を執行部に与えて、会議を終わりました。

生徒からの改定案

後日再び会議の場を設け、
生徒会から改定案が示されました。
生徒からは「自由化に次の条件を付けるのはどうか?」という提案でした。

  • 学習用具が入る大きさのものとする。ポーチとかハンドバックはダメ
  • 中身が透けて見えない素材のものに限る

「なるほど」
と思いました。
そして、こちらからも条件をつけました。

一定期間の試行を経て、条件が守れないなら、校則を改定しない。

年度末にはまだ時間があったので、
とりあえず2学期中を試行期間にして、様子を見ることにしました。

困ったこと…

その間にやらなくてはいけないことは、
業者に
「来年度から発注しない可能性を伝えること」
です。

業者は「困りますよ~」といった様子で、
「自由化したら、今の在庫はどーするんですか?」
と聞かれ、何も答えられませんでした。

次年度新入生用はまだ作ってないけど、
年度途中の販売用として40個の在庫があったのです。
指定カバンは、1つ4,000円だったので、16万円の在庫を何とかしなくてはいけない(-_-;)
という思わぬ宿題が発生してしまいました。

先生方の理解

この時「あー頓挫したな…」
と思いましたが、救われたのは、他の先生方の理解でした。

カバンの自由化に心配な面は全員持っていたはずですが、
生徒の劣等感をよく理解していた先生方は、
「試行期間で問題がなければ、生徒会も頑張っているから認めてやろう」
という空気感だったのです。

だから在庫のかばんも
「学校で買い取ればいい。少しは欲しがる生徒もいるだろう」
という流れになり、この問題はクリアすることができました。

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校則改定の…その後

カバンの自由化は、職員会議や生徒総会を経て、
新年度から自由化されました。
新1年生は全員自由なカバンで、進級した2,3年生は、
新旧どちらでも可能になりました。

「やれやれ~」
と思いましたが、
意外なことに、
新1年生からは
「先輩の持っているカバンが欲しい」
という声が聞こえてきました(;’∀’)

無ければ無いで、欲しくなるのが人間なんですね(笑)
在庫で買い取ったかばんはすぐに売り切れて、
それも買えなかった生徒は、卒業生を探して譲ってもらう子も出てくる始末…

「なんだこれ??」
と思いましたが、
結局、人間って「無いものねだり」だったんですね…

それが校則改定で知った現実でした…

長文の今回、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、、、また次回に、、、

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