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今日は高校生にとってのゴール=「進路」のお話をします。
まだ4月が始まったばかりで、新生活に慣れることで目一杯なのに、ずっと先の進路なんてまるで現実味がない頃かもしれません。
しかし新入生でも5~6月には「文理選択」のハードルがあるし、2年生には3年生での「科目選択」が迫られます。
もちろん文理も科目も、自分の希望進路に沿った選択を迫られますが、
「進路も定まっていないのにコース選択を迫るなんて酷だよ~~」
となるのが普通ですね。
こんな早い時期に進級後の選択を迫るのは、教科書の選定等に時間を要する大人側の事情によるものですが、そんな事情に文句を言うだけでなく「進路を考えるいい機会」と前向きに捉えていただければ、、、と思い、今日の記事を執筆します。
新入生のみなさんにすれば、中学とはずいぶん違う現実があることを知っていただくことが大事だし、2年生にしてみれば、まだまだ先の進路選択が、少しは現実化する動機づけになれば、と思います。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
高校生の進路
中学生の進路は、ほぼ一択で「高校進学」であり、
一番の悩みは「どの高校を受けるか?」という選択でしょう。
しかし高校卒業後の進路は、その選択肢が多岐にわたるため、
理想を言えば、高校入学時から意識して進路研究を重ねた方がいいです。
自分にふさわしい進路選択は、自分で見つけ、自分で前に進まなければ実現しないからです。
高校生の進路は、大きく「進学」と「就職」に大別できます。
「フリーターや家事手伝い」は「就職」と考え、「浪人」は「進学」と考えます。
だから、高校生の進路の第1段階は「進学か就職か?」の選択から始まります。
現状では、高校生の8~9割ほどは「進学」を選択します。
なぜなら進学する方が、資格取得やスキルアップに直結することが多く、またその後の就職も選択肢が増し、より自分らしい生き方を実現するためだと思います。中には「まだ働きたくない」という理由で進学を選ぶ生徒もいますけどね…(^^;
その進学は、大きく分けて「4年制大学」「短期大学」「専門学校」に分類されます。
少子高齢化の現代は学校が多すぎて、
進学希望者の人数 < 入学定員
となっているので、
特に短期大学や専門学校の多くはほぼ全入ですし、今後は入学定員を大きく下回る学校は経営破綻となる所も出てくるでしょう。
高校生の進路研究は、そんなことまで考えて進路選択をしなければいけません。
また専門学校など早ければ高3の6月にはエントリー開始となるところもありますが、これは完全な「青田買い」ですね。
個人的には「早く決めたい」という理由だけでこういう選択はしてほしくありません。
進路選択は早くから現地で感じる
とにかく高校入試とは世界が違う高校生の進路選択。
早くから、その仕組みを知り対策を講じることが欠かせません。
そのためにまず行うのは「情報収集」です。
今は、知りたい情報が何でも手元でググれるので、
それだけで十分すぎる量の情報が手に入る時代です。
もちろん、それだけを頼りに決めてはいけません。
ネット上の学校案内なんて、ぶっちゃけ「広告」なんだから、
いいことしか書いてないのが当たり前だからです。
だから、1年生のうちから積極的に「学校見学(オープンキャンパス)」に足を運びましょう。
私も教員時代には多くの学校に足を運びました。
HPでは理想のキャンパスライフを謡っていても、
実際に足を運べば、あちこちに吸い殻が落ちていて幻滅した学校もあれば、、、
逆に、
東北大学の学食で昼食を食べたときの学生の表情は「なんて素晴らしい!」
とも思いましたね。
みんな本当にいい顔をしているんです。
校内もゴミなんか落ちていないし、秩序ある自由な雰囲気を肌で感じたものです。
…と、実際に足を運ぶと、ネットにはない本物の空気感が伝わってきます。
本当に大事な情報は現地にありますから、高校入学後の早いうちから、たくさんの学校に足を運んで、
自分の行きたい道を考える機会を作りましょう。
理想の進路先がはっきりすると目標が明確になり、学習や生活にもやる気とメリハリが出てくることでしょう。
オープンキャンパスの利用法
そこで活用できるのがオープンキャンパスです。
オープンキャンパスは、学校を開放して行う説明会のこと。
コロナ禍が落ち着いた今年は、どこも自校を会場に行われるはずで、
学校側にしてみれば実物に接してもらう宣伝の機会だし、学生側にとってみれば自分の目と耳で現場を理解するチャンスです。
誰と行くか
オープンキャンパス(オーキャン)は可能なら友達同士で行かない方がいいです。
自分の進路を決める選択に、友人の感想や学力が邪魔になることがあるからです。
その学校をどう評価するかは、必ず自分自身で行いましょう。
どうしても誰かと行きたければ、
家族がベストです。
実際に学費を出してくれる保護者や、
お兄さんやお姉さんのいる方なら、上の兄弟と行くのがいいでしょう。
とにかく、あなたの立場や性格をよく知っていて、かつあなたの進路を真剣に考えてくれる人と行くのがふさわしいです。
学生の在校中に行ってみるのがベスト
大学や短大のオーキャンは、高校が休みの土日や夏休みに行われますが、
土日のオーキャンに行った後、気になる学校へは、もう一度お忍びで行くことをお勧めします。
オーキャンでは、大抵いいことしか言わないのが普通だからです。
大学の学食は通常誰でも利用できるので、高校が早く終わる夏休み前などの時間を利用して足を運び、学食で昼食をとってみることを勧めます。
これは学生の実際の生活を見るよい機会です。
そこでは食事中の学生がどんな会話をしているか?をよく聞きましょう。
講義や大学生活の不満ばかりが聞こえてきたらちょっと不安ですよね。
逆に講義の内容や前向きな発言が聞こえてくると、安心してその学校を選択肢に入れることができます。
遊びや友達、バイトの話しか聞こえてこない学食は、その話の中身次第ですかね。
つまり、学生の本音をこっそり探りに行く、という使い方をしてみましょう。
一方、専門学校は「いつでも見学OK」という所が多いもの。
オーキャンに行くたびにポイントカードに回数がカウントされて、
出願時に有利(受験料割引とか…)となる学校まであります(;^ω^)
まるで電気屋さんの来店ポイントみたいで…wwwww
あえて答えにくい質問をぶつけてみる
オーキャンでは入試担当や広報担当から学校の説明をされて、
最後に「質問のある方は終了後に係まで」と言われて終わります。
ほとんどの生徒は質問などせずに、ここでさっさと帰りますが、
本当に大事なことを知るのはこの機会がチャンスです。
特に確認したいのは、
退学率や留年者の割合と、そのフォローについて
これは表には出ない数字で、学校としては公表したくないもの。すんなり答えてくれるところは、担当者がしっかりと把握され、自信を持って公表できるということ。逆に公表を渋るところは、言えない理由があるか、担当者が把握してない可能性大。
資格合格率や就職内定率の分母は、「受験数」か「在籍数」か?
これも見た目をよくするために受験数を分母にするところが多いもの。在籍数と受験者数を公表してくれるところは信用ができると思いましょう。
御校独自の奨学金制度や授業料減免制度は?(パンフに書いてあることもあります)
学校案内やHPに記載がなければ、問い合わせてみるのがお勧めです。
アドミッションポリシーの内容に関する質問
わからないことがあれば、その場で確認をしておきましょう。
この学校の「今の課題」は? またその「課題改善」への見通しは?
これも答えにくい質問ですが、学校側が何をどう課題と捉えているか?を知るには必要な質問です。この質問は保護者がするといいと思います。
(専門学校なら)例年、募集定員を満たすのはどのくらいの時期ですか?
学校側からすれば嫌な質問です。「答えられない」「年によって違う」とかわされるかもしれませんが「大学が不合格だった場合、専門学校も視野に入れてるから」など理由をつけて聞いてみると誠意的に答えてくれるはずです。
など、ちょっと意地悪な質問ですが、
オーキャンや説明会では公開したくない内容で、
これに学校側がどう答えるか?で、その学校の姿勢を知ることができます。
「そんなこと質問したら合格できないよー」
と思うかもしれませんが、心配しなくて大丈夫。
これを理由に不合格にする学校なんて行く価値なし!
進学を真剣に考えるからこそ、こんな質問も出てくる、
と捉えて、より良い校風を創造する学校こそ、
今後の伸びしろがある、と思ってください。
必ず複数の学校で比較する
何か高額の買い物をするとき、
ほとんどは最初に行った店で、店の言い値で買うことはまずありませんね。
値切り交渉をしてみたり、余裕があれば、他店と価格を比較し、
一番いい条件で購入を決めます。
それと同じで、進学する学校も必ず複数の選択肢から比較検討して
決めましょう。
選択の決め手は、人それぞれになりますが、
その優先順位をつけるのも、自分の気持ちが大切だし、
また家族の助言も受けながら、希望順を決めてくださいね。
オープンキャンパスに参加するメリット
次のようなメリットがたくさんあるオープンキャンパス。
参加しない手はありませんね。
学校の設備が直接見られる(学食や売店なども含む)
HPや学校案内の画像はきれいに見せるための加工などがされています。自分の目で実物を確認しましょう。
電車の接続や通学路の様子など、通学時のイメージが立てやすい
毎日の通学に極端な負担がかからないか?同じ方法で行ってみましょう。楽チンでも親の車で行くのはやめた方がいいです。
在校生の雰囲気に直接触れることができる
もしかすると自分の先輩になるかもしれない在校生の雰囲気に触れることでわかることもあるはずです。
学校によっては未公開の入試情報を得ることもできる
入試に向けて「こんな勉強をしておいた方がいい」とか「こんな能力を求めている」などの情報を聞けることもありますよ。
学校によっては入試対策も教えてくれるところがある
学校説明会に予備校の先生が登場して「入試対策講座」までやってくれるところもあります。ま、予備校への勧誘も兼ねてるんですがね(^^;
資料や過去問、さらにオリジナルのグッズがもらえる
お土産になるものがたくさんもらえます(^^♪
…などなど、いいことたくさんあります(^^♪
コロナ禍も落ち着いた今年、昨年まで行けなかったオーキャンに参加して、
納得の進路選択を実現してください。
まとめ
特に入学してすぐの新入生には進路の話は早すぎるかもしれませんが、高校では事あるごとに進路の話や行事があります。
2年生は最も中だるみの時期ですが、早めから進路を意識した対策ができると、後々大きな差となって有利に働きます。
さらに3年生は最低でも就職か進学か?をはっきりさせて、進みたい方向性を決めておく時期ですが、現実的にはさらに先を進んでいる方がいいと思います。
とにかく高校卒業後の進路は、人生に数ある選択の中で、かなり大きくあなたの人生を左右しますから、早めから真剣に考え行動を起こしてください。
私が進路の方向性を決めたのは高2の6月でした。
当時はネットはもちろん、オープンキャンパスすらない時代でしたから、情報収集は大学案内と蛍雪時代等の書籍しか無かったんですね。
それらを穴が開くほど繰り返し読んで、自分の将来像をイメージしていたのが懐かしいです。
さらに大学に初めて行ったのも、入試の前日でしたね(^^;
そんな昔を思えば、今の高校生は本当に恵まれていると思います。
溢れすぎるほどの情報に囲まれ、納得の選択ができる現代ですが、ただ溢れすぎる情報に振り回されて自分を見失わないようにしてほしいな、と切に願っています。
「自分を見失う」とは、魅力的な宣伝文句だけを信じて簡単に飛びついてしまうことです。
上級学校への進学は、時に数百万円もの学費が必要です。
学費は子供の将来に向けた「投資」ですから、保護者は多少無理をしてでも、あなたのためにそれを工面してくれるはずです。
そんな苦労や期待を背負って出してもらう学費を、みすみすドブに捨てるようなことはできませんよね。
ですからそういった意味でも、早くからの進路研究は大切なのです。
何ごとも人生よい準備が良い結果を生み出しますから、進路だって早めに取り組んで損はありません。
ぜひとも納得の選択ができるようご祈念申し上げます。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、、、また次回、、、
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